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高森厚太郎の半径5メートルのビジネスモデル数字なき事業計画は、撤退の第一歩……?!ビジネスをリアルに捉えよう

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今回は、事業計画には具体的などのような要素を盛り込めばよいのか、また、事業計画作成時に留意するポイントは何か、紹介していきます。

プロフィール

プレセアコンサルティング代表取締役パートナーCFO高森厚太郎

プレセアコンサルティングの代表取締役パートナーCFO。一般社団法人日本パートナーCFO協会 代表理事。デジタルハリウッド大学院客員教授。

ビジネスモデルは、「検討初期のコンセプト」だとすると、事業計画は「事業の実行までを想定した計画」です。

事業計画は、ビジネスモデルを実現していくために「整理ツール」「コミュニケーションツール」「実行支援ツール」「検証ツール」という4つの役割を持っています。

今回は、事業計画には具体的などのような要素を盛り込めばよいのか、また、事業計画作成時に留意するポイントは何か、紹介していきます。

事業計画は「ビジネスプラン(コンセプト)」「実行計画部分」「数値計画部分」で構成される

そもそも事業計画書はあなたの事業を実行していくためのものなので、その目的を達成できれば形式は問いません。ですが、ビジネスモデルと同様に、事業計画もフレームに従って、情報の矛盾や過不足がないように作成していくことが重要です。

事業計画書の様式は業種や事業内容で異なりますが、今回は筆者が使っている事業計画の様式を例に解説していきます。

下図のように、16の要素で、①ビジネスプラン(コンセプト)②実行計画部分③数値計画部分、という3つのパートから構成されています。

(参考)「事業計画書」の構成要素(筆者作)

なぜ?何を誰のためにどうやって?「ビジネスプラン(コンセプト)」

写真/shutterstock

会社概要やビジョンなどの起業する本人(会社)に関する情報や、事業内容、市場分析など、「なぜするのか?」「誰に、何を、どうやって提供するのか?」といったことを記載していきます。 「ビジネスモデル」や「バリュープロポジション」をはじめ、ビジネスモデルを考える過程で考えたことや収集した情報が活かせます。

具体的にどう進める?「実行計画部分」

写真/shutterstock

ビジネスプランで描いた内容について、事業全体のスケジュールや、組織体制、マーケティング計画などの実行計画を作成します。これら実行計画があることで、取るべき行動が分かりやすくなり、事業に専念しやすくなります。

事業を創めた当初は「一人副業/起業」でも、事業を進めていく中でスタッフを増やしたり、外注をしたりする可能性はあります。そうした場合に、実行計画があれば円滑に依頼/引き継ぐことができます。

いくら儲かり、いくら必要なのか?「数値計画部分」

写真/shutterstock

数値計画では「いくら儲かるのか?」「いくら必要なのか?」が分かる「損益計算書」を3~5年分作成します。資金繰り表や月次・週次の収支計画などは、銀行借り入れがある場合や仕入が多い場合等、必要に応じて作成します。事業リスクも、コストが発生する可能性があるため、このパートに含めます。

事業計画作成のポイントは「具体的な行動につながるか?」

写真/shutterstock

以上は事業計画書に盛り込む内容の一例で、実際には業種や事業内容によって、事業計画書に必要な項目や中身が異なります。
事業計画作成で記載する具体的な項目に決まりはありませんが、「具体的な行動が出来るか?」というポイントを押さえることが重要です。自分のビジネスモデルに必要なことを考えて、書いていきましょう。
次回以降のコラムで、事業計画の各パートで何をどのくらい詳細に記載していけばよいのか、事例を示し解説していきます。

数値があれば事業計画がリアルになる

写真/shutterstock

実行施策や収支計画を立てる際は、数値を入れることが何より重要です。数値を入れることで、事業計画を具体的に考えることができます。

個人でも企業でも、新しいビジネスについて数値計画を立てる際、ほとんどの場合考慮するべき事柄や不確定要素が多くあるでしょう。

事業計画を考える際にありがちな問題として、

  • ビジネスモデル等のコンセプトを考えることに時間をかけすぎてしまい、実行施策や収支計画などの数値計画には十分な時間をかけられない(おろそかになってしまう)
  • 「どうせ計画通りにはいかないから」と数値計画を十分に考えない。

といったことが挙げられます。

いずれの場合も、数値計画の精度が十分でない状態で事業を行うかどうかを決めることになるため、「ビジネスとして成り立たない」と保守的に考えてしまったり、「とにかくやってみよう」と見切り発車したものの計画通りにいかず早々にお手上げになったり……なんてことにもなりかねません。

数値計画の作成にあたり、ビジネスモデルとして考えたことについて、スケジュールを決めたり、数値計画に落とし込んだりして、シミュレーションをしてみます。

数値計画を作成したら、ビジネスプラン(コンセプト)と見比べたり、経営の専門家からの意見をもらったりして、数値の精度を高めて実現可能性のある計画を作成していくと良いでしょう。

きちんと数値を入れることで、事業計画を机上の空論で終わらせず、リアルに捉えて考えていくことが出来るのです。

実行まで想定した事業計画で、
あなたのビジネスモデルを実行へと導こう

写真/shutterstock

事業計画は

  1. ビジネスプラン(コンセプト)
  2. 実行計画部分
  3. 数値計画部分

の3パートで構成されます。

事業計画の構成項目は、一見多く見えるかもしれませんが、実際にはリーンキャンバスバリュープロポジションキャンバスをはじめ、これまで作成した資料が活かせる項目も含まれています。

ビジネスアイデアやビジネスモデルを考える過程で作成してきた資料や集めた情報をもとに「具体的な行動につながる」事業計画を作成し、ビジネスモデルを実行に導いていきましょう。

新しいビジネスは不確定要素が多いものですが、数値を入れてシミュレーションすることで実現可能性の高い事業計画を作成することは可能です。

この記事を書いた人

高森厚太郎
高森厚太郎プレセアコンサルティング株式会社 代表取締役パートナーCFO
プレセアコンサルティングの代表取締役パートナーCFO。一般社団法人日本パートナーCFO協会 代表理事。デジタルハリウッド大学院客員教授。東京大学法学部卒業。筑波大学大学院、デジタルハリウッド大学院修了。日本長期信用銀行(法人融資)、グロービス(eラーニング)、GAGA/USEN(邦画製作、動画配信、音楽出版)、Ed-Techベンチャー取締役(コンテンツ、管理)を歴任。著書に「中小・ベンチャー企業CFOの教科書」(中央経済社)がある。

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