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お知らせ推し活で心はみたされる?ー精神科医が解説、推し活の代償と危うさとは?

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精神科医・熊代亨氏による『「推し」で心はみたされる?』(大和書房刊)は、現代社会における「推し」文化を精神分析の視点から読み解いた一冊です。著者は2021年に『心はどこへ消えた?』で紀伊國屋じんぶん大賞第4位を受賞しており、本書はその問題意識を継承しつつ、SNS時代に急速に広がる「推し」現象の心理的背景に迫ります。

承認欲求と自己愛の未熟さという危うさ

学校、職場、地域といった中間共同体が衰退し、人々が自由に「気の合う者」だけとつながるようになった現代。その中で息を吹き返したのが「推し」という新しいつながりの形です。本書は、推しを持つことで心が満たされる一方、承認欲求や自己愛の未熟さとも結びつく危うさを浮き彫りにします。

特にSNSと結びついた「ナルシシズムの時代」において、「推し」がどのように心の支えとなり、また依存や不安を生み出すのかを分析しています。

有意義な推し活をするためのヒント

精神科医ならではの分析:単なる流行現象としてではなく、臨床現場の知見を踏まえた深い心理学的洞察。

社会学的視点:共同体の衰退と新しい「つながり」のあり方を提示。

自己理解へのヒント:推し活がもたらす喜びと危うさを知ることで、自己愛や人間関係の成熟について考える契機となる。

【目次】

第1章 承認の時代から「推し」の時代へ――21世紀の心理的充足のトレンド
第2章 推したい気持ちの正体――SNS時代のナルシシズム
第3章 「いいね」と「推し」に充たされ、あるいは病んで――自己愛パーソナリティの時代と成熟困難
第4章 「推し」をとおして生きていく――淡くて長い人間関係を求めて
第5章 「推し」でもっと強くなれ――生涯にわたる充足と成長

推しで心は満たされる?

『「推し」で心はみたされる?』
著者:熊代亨
刊行:大和書房
定価:1600円+税

熊代亨プロフィール

精神科医・ブロガー。1975年生まれ。信州大学医学部卒業。 ブログ「シロクマの屑籠」にて現代人の社会適合のあり方やサブカルチャーについて発信。 著書に『ロスジェネ心理学』『融解するオタク・サブカル・ヤンキー』(ともに花伝社)、『「若作りうつ」社会』(講談社現代新書)、『認められたい』(ヴィレッジブックス)、『「若者」をやめて、「大人」を始める』『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』『何者かになりたい』(イースト・プレス)がある

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