働く猫図鑑茶道具店でまったり? 茶道具から名前をとったのんことしゅんかん。お茶会でひらめいた猫の和菓子も人気
お茶会に猫の和菓子がふるまわれる仙台市太白市の茶道具店「青峰堂」の黒猫のんこ。店長補佐の店主の送り迎えで、日々、店長としてお勤めしている。茶道具店と猫の組み合わせでゆったりした時間が流れている。
宮城県にある茶道具店 青峰堂では2匹の猫がいる。今はすっかり少なくなってしまったという茶道具店にて店番をするのんこ。名前の由来は、茶道の道具であるお椀から。のんこは元々「のんこう」というネーミングだったが女の子であることもあり、のんこという名前で定着した。もう1匹は、オスのしゅんかん。しゅんかんもお椀の名前から取られているそうだ。
名前 | 業務担当 | 待遇 |
のんこ(女の子) | 店長 | 3食昼寝 猫缶 |
しゅんかん(男の子) | 特になし | 3食昼寝 ドライフ―ド |
目次
幼く病気だった迷い猫を放置できずにお店に
猫と茶道具店、意外な組み合わせのように感じますが、そもそも茶道具店の数が少ないからかもしれませんね。猫を飼い始めたきっかけはありますか?
猫は好きで、昔からずっと飼っていたんです。のんこも野良猫、迷い猫でした。当初はお店に連れて行くつもりも、店長にするつもりもなく、自宅で飼う予定だったんです。だけど拾った当時、体も小さく病気もしていたので、看病も兼ねて職場に連れてきていた、というか連れていかざるを得ない状況だったんです。
そういった経緯でのんこを店に置いていたら、いつのまにか店長に。
お店に来てくださっていた方々に可愛がっていただきながら、のんこの居場所ができたというか。
茶道具店ですから、茶道に親しみを持っていただきたいので和菓子とお茶を立てるイベントを定期的に開催しています。やはりお食事・お抹茶を飲む場所ということもあって、なかなか猫をその場には連れて入れないのですが・・・
お茶会でひらめいた猫の和菓子
でも猫ブームも追い風になったのですか?
そうですね。意図したわけではないですが、お客さんからのご意見をもとに猫と茶道のコラボということで、企画したものもあります。
例えば、毎月22日に猫の和菓子を作るイベントを開催しているんです。5年ほど前から開催していて、きっかけは、仙台の猫まつりに参加させていただいた際に猫饅頭という物を見つけてアイデアを和菓子に応用したんです。
こういった、猫の商品の作り方があるのか!と。お抹茶にはやはり練り切りですから、そこから猫柄の和菓子の製作行うようになりました。人気ですよ。
茶道具と猫のコラボもあると聞いています
そうなんです。猫柄や猫の絵が入った茶道の道具をコーナーとして設けていて販売を行なっています。猫きっかけで道具を買いに来られた方もいますし、猫がきっかけで、猫の茶道具を使いたくて茶道を始められた方もいます。
お茶に興味を持ってもらえるのはいいですね
そうですね。茶道というのは人口も減ってきていますし、間口を広げたい思い・少しでも敷居を下げたいという思いがあるのでそれが少しでも形として実現できているので良いことだと思っています。
猫を拾われることが多いとのことですが、のんこがきた経緯はどういうものでしたか?
うちの周りは結構猫が多いのか、ある日のんこが捨てられていたところを見つけたことがきっかけですね。迷い込んだのか、すごく痩せ細っていてそれで面倒を見始めたというところがスタートです。
それで先にも言いましたが、看病がてら一緒に職場に。普段は家にいるときもあります。それでも当初は他の飼い主さんを探していたんですよ。ただ、見つからず結果として当店で働くように・・・笑
猫のおかでてお客さんがリラックス
2匹の性格について教えてください!
のんこは黒猫のメスで、店長ですし割と人馴れしていますかね。性格はおっとりしている気がします。逆に後からきたしゅんかんは黒猫のオスです。気が弱く、ビクビクしている気がしますね。基本的にお客さんの前には出て行きません。
しゅんかものんこのように働きますか?
気の弱さや人に慣れてないこともあって、ダメですね。働いて欲しいんだけど・・・笑
でも店長ののんこが店をパトロールしたりしているので日常としては問題ないです。たまに事務所で寝ていますけど。
猫と働くメリットって?
そうですね。もちろんPRとしてや茶道に興味を持ってくださる方が増えたと感じているのでそういったメリットは感じますが、それ以上にお店に来てくださった方の緊張をほぐしてくれるところですね。やはり対面でもしっかり接客させていただいておりますが、人間と人間の間に猫がいるとお互い癒されているので会話も弾む気がします。
猫のコミュニケーションですか!
茶道具店として50年ほどのお店です。猫に会いたい!でも良いですので是非訪れてみてください。お茶始めたい方のはじめの一歩に慣れたら嬉しいですね。
茶道は、敷居が高いと思われていますがそんなことはありません。興味を持ってもらいたいですし、もっと間口を広げたい。先代の社長は日本の文化が大好きで、最もそれを形として体現したのがお茶の考えだと。その思いで、仙台で創業しました。ぜひ、お越しください
ありがとうございました!
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取材・文/Anium Creative Works
写真/本人提供
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この記事を書いた人
- 「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。