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花輪陽子の「経営者3年目」までのお金のこと仕事は選べるのにローンが組めない? フリーランスの心構えをメリット・デメリットから解説

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会社を辞めてフリーランスになる前に知っておくべき取り返しのつかない落とし穴は「ローンが組めない」。お金を稼ぐためにフリーランスになって、お金で困らないための基礎知識。1級 FP花輪陽子の連載・第 1 回!

プロフィール

1級ファイナンシャルプランナー花輪陽子

リーマンショックで夫婦二人でリストラを経験。シンガポール在住1級ファイナンシャル・プランニング技能士CFP®認定者。

フリーランスが安心して活動するための心構えとは?

30 歳でいきなり独立、苦労が多かった

「会社を辞めて、自分の好きなことをしたい」
「働き方を自分で設計して家族と過ごす時間を増やしたい」

このような理由からフリーランスを目指す人も多いでしょう。今回はそんな人にとってのフリーランスになるための心構えについてお伝えします。


シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。私は 2009 年にリーマン・ショックの余波からリストラをされ、フリーランスに転身しました。当時、30 歳だった私は怖いもの知らずで、いきなり独立をしてしまいました。よいメンターや運に恵まれて仕事は順調に進んだものの、会社員の時代以上に仕事が多忙な時期もあり、苦労も多かったのです。

メリットは仕事、働く場所、時間を自分で決められること

フリーランスは人生をコントロールする選択肢が増える/写真 AC

フリーランスになるメリットとしては仕事を自分で取ってきて、その中で仕事を受けるか受けないかを選択することができます。


条件面で合わない仕事を無理に引き受ける必要はありません。ですが、仕事を始めた当初は当然仕事もありません。無償のボランティアからスタートをしたり、いただいた仕事をできるだけ引き受けて実績や信頼を獲得していかなければなりません。

実力がついてきたらようやく仕事を選ぶことができるようになります。仕事に慣れたら働く時間の調整も可能になります。また、在宅勤務で必要な時にだけ単発でオフィスを借りるなどの働く場所も選択可能になります。最初は大変ですが、人生をコントロールする選択肢は増えるとも言えます。

デメリットはカードや住宅ローン審査の難度が上がること

フリーランスになるデメリットとしては会社員と比べて信用を得にくいということが挙げることができます。会社員であれば住宅ローンを利用したり、クレジットカードを複数作ることも比較的容易にできます。しかし、独立をした当初はクレジットカードの審査にも苦労をしたり、住宅ローンを組んだり、銀行から融資を受けることが難しくなります。もちろん、独立をしてから数年経過しており、決算書も数年分ある。会社も順調に成長しているという場合はローンを引き出すことが可能な場合もあります。

出産や病気で休むとどうなる?

次に会社員と違って自分の代わりに働いてくれる人が見つかるまでは容易に休めなかったり、休んでいる間は無報酬になるリスクもあります。


例えば、私は日本に住んでいた時は個人事業主だったのですが、自分一人で仕事をしていたので産前産後に休んでも出産手当金はもらえず、育児休業給付金ももらうことができませんでした。
個人事業主になる前はこうした手当が厚い会社で働いていたので、会社員時代に子供を出産していたらという思いはありました。産休を 2 ヶ月取るためにも当時月 30 本あった原稿を産休前に書き溜めて出したので、忙しくてストレスがたまり、それもあったからなのか緊急帝王切開になってしまったという経緯もありました。


出産だけではなく、病気の際にも収入がいきなりなくなります。会社員の場合のような傷病手当金をもらうことはできません。自分で医療保険や貯金等で蓄えておかないと、収入もなくなり、治療代もかかることになります。

フリーランスになる前に準備しておきたいことは?

必要なお金の目安は 2 年分の生活費

フリーランスになるために準備しておきたい最低限のこととして次のようなことを挙げることができます。前の会社から業務委託契約等で当面の収入の保障がある場合はよいですが、そうではない場合はいきなり収入がゼロになります。そのために、パートナーや親などの同一生計の家族に収入があるなどの条件に恵まれた方を除いてはある程度の貯金が必要です。


独立するために必要なお金の目安は最低でも 2 年分の生活費を目安にしましょう。なぜなら、ビジネスの種類にもよりますが、ビジネスによっては貯金から必要経費を最初に使っていかなければなりません。その他にも生活費はかかり続けるわけですから、当面の生活費は最低でも確保しておくべきでしょう。2 年頑張ってみて芽が出なかったら会社員に戻るというリミットも決めて挑戦をするというのも一つかもしれません。

各種申請やネットワークを広げる

新規のクレジットカードは独立前につくる方がスムーズ/写真 AC

独立をしてから当面の間は住宅ローンやクレジットカードを新規に申し込むことは難しいです。
そのために会社員の間にクレジットカードを作っておいたり、住宅ローンを借りておくことを検討しておきましょう。もちろん、無理な借り入れは禁物です。しかし、独立をすると格段と住宅ローンは借りにくくなるからです。


できれば会社員の頃から週末や空いた時間でボランティアなどでもよいので少しずつ準備をして助走期間を設けておくとよいでしょう。収入を得なくてもネットワークや取引先を見つけておくことは重要だからです。収入が全くなくなってからゼロからスタートをする場合、特に扶養家族がいてシングルインカムだときついからです。


いかがでしょうか。フリーランスになるためにこのような心構えと準備を持っておくだけで独立をした後も安心をして活動に専念することができます。

この記事を書いた人

花輪陽子
花輪陽子リストラから1級FP
1978年生まれ。シンガポール在住1級ファイナンシャル・プランニング技能士CFP®認定者。青山学院大学国際政治経済学部卒業後、外資系投資銀行に入社。リーマンショックにより夫婦2人でリストラを経験。FP1級取得後、雑誌や書籍での執筆など幅広く活動。

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