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高森厚太郎の半径5メートルのビジネスモデル#05 何が起きてもすり減らない「自分の稼ぐ力」

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大企業でも永続はないと言われる昨今。これからの時代、会社員でも個人として、変化に乗り遅れないための考え方をご紹介します。

プロフィール

プレセアコンサルティング代表取締役パートナーCFO高森厚太郎

プレセアコンサルティングの代表取締役パートナーCFO。一般社団法人日本パートナーCFO協会 代表理事。デジタルハリウッド大学院客員教授。

定年後の安定収入は「幸せな人生」には不可欠

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#04 初めて副業・起業する人必見。戦略性とビジネスモデルを形にする4つのステップでは、
自分の中にある副業の種を見つけるための思考法についてお伝えしました。

そもそも、副業や起業を含めた「持続的なキャリア」を考えるのはなぜでしょう?
その理由の一つは、人生100年時代に「幸せ」な人生を送るためではないでしょうか。
「幸せ」という形のないものを考えるにあたって、私も参考にしている橘玲氏の「幸福の資本」※1
という考え方をご紹介します。

※1 出典:「人生は攻略できる」(橘玲著、ポプラ社)を参考

お金の不安から解消されるために持っておきたい3つの資本

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幸福の資本は金融資本、人的資本、社会資本の3つで構成されており、橘氏は「幸福の資本が一つあればそれなりに充実した生活が出来るけど、その人生はかなり不安定だ。
(中略)資本を一つ持っているなら、それを大事にしつつ、もうひとつ資産を持てるように努力すべきだ。」と説いています。

幸福の資本

金融資本資産お金
人的資本自分の稼ぐ力仕事
社会資本繋がり力愛情・友情
(出典:「人生は攻略できる」(橘玲著、ポプラ社)を参考に著者作成)

何が起きてもすり減らない「自分の稼ぐ力」

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橘氏は「『人生を攻略する』というのは、この3つの『幸福の資本』を君自身の価値観(こんなふうに生きたい)にもとづいて最適化すること」と述べていています。

私は大学時代から株式投資を始め金融資本を育てていますが、この中で一番あてになるのは自分の人的資本、つまり「自分の稼ぐ力」だと考えています。

たとえ金融資本を誰かに取られたり、何か問題があって社会資本が壊れてしまっても、人的資本を磨いておけば生きていくことができます。金融資本を運用すると期待できるリターンは数%という世界ですが、人的資本であれば、何百%という高いリターンも見込めます。

「自分の稼ぐ力」の育て方

最近はFIRE(「Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)」の頭文字)という生き方への注目が集まり、金融資本のポートフォリオや長期分散積立について意識して行動している方が増えてきているかと思います。

人的資本、つまり稼ぐ力についてはどうでしょうか? 私は「人的資本」についてもポートフォリオと長期分散積立の視点を取り入れられると考えています。

サブスキルとして副業を育てる

一つのバスケットに持っている卵を全て入れていると万一の時に全てを失う可能性がある。だからいくつかのバスケットに分けておこう、と例えられます。

キャリアについても全く同じです。一つに全振りするのではなく、複数の仕事やキャリアの道筋を持っておくこと。ただし、ポートフォリオを持っていても、常に全てを同じウエイトで取り組むことはできないでしょう。だから、メインとサブがある状況になりますが、メインを続けることができればそれを続けてもいいし、ある時にサブの方が面白ければメインとサブを入れ替えてウエイトをかけてやっていくこともできます。

例えば、私にとって講師業はサブであり、本業の傍ら副業として10年超続けていますが、独立起業の当初は講師業がメイン、収入の柱となりました。

サブスキルを継続し磨く

金融資本同様、キャリアも長期的に継続することで、知識やスキル、経験を積み重ねることができます。そして、そこで得た成果から得られるリターン(新たな仕事の機会、キャリアパスの広がり)も増えていきます。副業に限らず、ボランティア・プロボノ活動(社会的・公共的な目的のために、スキルや専門知識を活かしたボランティア活動)という形や、本業の中の位置業務としてなど、分散して続けていくことで、芽が出る可能性が高まるものと考えられます。

例えば私の講師業のスタートはロジカルシンキングでしたが、講師を続けることでその発展形の問題解決やファシリテーションなどの講座も担当できるようになりました。また、社会人スタートは銀行員というキャリアを活かし、アカウンティングやファイナンスといったカネ系も、意識してレパートリーを増やしました。更に、CFOという実務経験を活かし、問題解決×プレゼンテーション×ファイナンス=「ベンチャーの押さえるべき資金調達」という講座を作って、ベンチャー幹部研修にお呼ばれしてセミナー行ったりしています。

 現在の職種、キャリアを活かし、副業・起業のビジネスに掛け合わせていくことも可能です。そういった意味でも、会社員として働いてることは副業・起業を始めるにあたりアドバンテージを取っていることになります。

 次回は会社員として働く恩恵とリスクについてお話したいと思います。

この記事を書いた人

高森厚太郎
高森厚太郎プレセアコンサルティング株式会社 代表取締役パートナーCFO
プレセアコンサルティングの代表取締役パートナーCFO。一般社団法人日本パートナーCFO協会 代表理事。デジタルハリウッド大学院客員教授。東京大学法学部卒業。筑波大学大学院、デジタルハリウッド大学院修了。日本長期信用銀行(法人融資)、グロービス(eラーニング)、GAGA/USEN(邦画製作、動画配信、音楽出版)、Ed-Techベンチャー取締役(コンテンツ、管理)を歴任。著書に「中小・ベンチャー企業CFOの教科書」(中央経済社)がある。

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