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高森厚太郎の半径5メートルのビジネスモデル#04 初めて副業・起業する人必見。戦略性とビジネスモデルを形にする4つのステップ

副業や起業を始める前に必ず考えておきたい戦略性とビジネスモデル。それを形にするためのフレームワークをご紹介します。

プロフィール

プレセアコンサルティング代表取締役パートナーCFO高森厚太郎

プレセアコンサルティングの代表取締役パートナーCFO。一般社団法人日本パートナーCFO協会 代表理事。デジタルハリウッド大学院客員教授。東京大学法学部卒業。筑波大学大学院、デジタルハリウッド大学院修了。日本長期信用銀行(法人融資)、グロービス(eラーニング)、GAGA/USEN(邦画製作、動画配信、音楽出版)、Ed-Techベンチャー取締役(コンテンツ、管理)を歴任。著書に『中小・ベンチャー企業CFOの教科書』(中央経済社)がある。

副業・起業の戦略性とビジネスモデルを形にする

苫野一徳
shutterstock

前回「#3 「副業」や「起業」での成功は誰でもいつでも再現できる仕組み?」では「副業や起業は再現性のあるロジック」であること、そして「持続的にビジネスをしていくには戦略性とビジネスモデルが必要」であることをお伝えしてきました。

今回は、前半では実際に副業や起業を進めていく際に必要となる戦略性とビジネスモデルをどうやって形にしていくのか、4つのステップの全体像、後半では前提となるコンディション(時間、体力、資金)についてお伝えします。

ビジネスを形にする4つのステップ

準備をしないでいきなり行動すると失敗する確率の方が当然高くなるように、何事も失敗を避けるためには準備が欠かせません。

副業・起業に関する準備は次の4つのステップに集約されます。

「アイデア」→「ビジネスモデル」→「収支計画」→「巻き込み」

この4つのステップに沿って戦略性とビジネスモデルを形にして、貴重なリソース(体力・時間)を適切な配分で使うことで、初めての副業や起業でも失敗は避けることが可能です。

アイデア

半径5メートルの副業・起業のビジネスモデルでは、基本は自分が主体的に動いていくものです。
とすると、自分の興味関心がないものや、続けられないことは、持続性がないので、結局ものにならずに終わってしまいます。

また自分の半径5メートルの範囲内のお客様を相手にする、自分という人格が全面に出る仕事なので、自分が「やりたい」と思い続けられることも重要です。

自分の性に合っていれば自然と笑顔になるものですし、それは「この人のサービスを買いたい」「楽しいから一緒に仕事をしたい」という風に伝播するものです。
だからこそ、妥協せずに、自分を起点に考えていくとよいでしょう。

「やりたいけど儲からない」「儲かるけれど、やりたくない」といったビジネスにならないように、自分自身を深掘りするフレームワーク(Will×Can×Must)を使い、等身大なアイデアを考えていきます。

ビジネスモデル

持続的にビジネスをしていくには、副業・起業に関わらず、何らかの戦略性とビジネスモデルが必要となります。

ビジネスモデルは、「誰に何をどのように提供して儲け続けるための仕組図」を指します。
ビジネスの基本である、「お客さんは誰なのか」「(お客さんに)何を提供するのか」「(お客さんに、商品・サービスを)どのようにして提供し続けるのか」をコアに、マーケティングやオペレーション、収支など、ビジネスモデルは様々な要素を考慮する必要があります。

思いつきだけで考えるのは至難の業なので、ビジネスモデルキャンバスなど、フレームワーク(分析の枠組み)を使って要素をモレなく・ダブりなく考え、仮説検証で揉んで検討していくといいでしょう。

収支計画

ここまで考えてきたビジネスモデルは、あくまでも「事業企画」。
事業の検討初期のコンセプトをまとめたものにすぎません。大事なのは実行。
ここから実行を想定した「事業計画」に落とし込んでいかないといけません。

事業計画は、事業企画を現実のものとしていくロードマップ。
ビジネスモデル段階で考えたコンセプト(何をするのか)に加えて、実行計画(どう進めるのか)、収支計画(いくら儲かる・いくら必要)の2つを考えていきます。

この段階で収支計画を作成するというと、「皆目見当がつかない」「机上の空論になるのでは」と不安を感じるかもしれません。この段階で計画を立てる理由はいくつかありますが、その一つは計画を立てる過程で様々な仮説を自分の中に持てること。
「収支計画は、頭の体操。実行してみて、仮説が違ったら、変えればいい」ぐらいに、肩の力を抜いて、一度作ってみてください。

巻き込み

巻き込みとは、一緒にビジネスをする仲間に限った話ではありません。
ビジネスをする以上、買ってくれるお客さんを巻き込む必要があります。おカネが必要なら、銀行など貸してくれる人も巻き込む必要があります。

ビジネスを回すために必要なことを全部やるとなると、どうしても自分が得意ではないことも含まれます。得意でないことに時間や体力を消耗して、本来の価値提供が出来なくなるのは本末転倒です。

何事も世の中には得意な人がいるので、彼らを巻き込んで(自分は苦手だが)彼らは得意なことをやってもらい自分は得意な領域にフォーカスできる方が、持続性があるのではないでしょうか。

いかがでしょうか。多少イメージを持っていただけましたか?
次回以降のコラムでは、この4つのステップをさらに詳しく解説していきます。

始める前にチェックすべき「時間」「体力」「資金」

副業や起業に向けて動き出す前に、時間、体力、資金についてそれぞれ確認しておきましょう。ここでも念頭に置くのは「持続性があるか」という点です。

時間

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まずは時間を捻出すること。睡眠時間を削らないと時間が捻出できない場合、無理は禁物です。
睡眠不足は自分の健康をむしばむことになるので、持続性があるとは言えません。

本業の残業が多すぎる場合は、仕事の段取りを工夫するなどの工夫を試みます。
いわゆるブラック企業で個人の努力で残業時間を減らすことが難しい状況ならばホワイト企業に転職を検討するのもアリかもしれません。

体力

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週5日勤務・残業ナシでも土日に疲れが残る状態や、家族との時間で体力を使いきってしまう状態なら、たとえ時間があっても副業に体がついてこないでしょう。

体力をつけるなり、体力が維持できるような生活・仕事のコントロールをして、環境を作る必要があるかもしれません。

資金:ビジネスモデル、副業/起業で変わる備え

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資金についてビジネスモデルの観点で考えるのは、大きく分けて

  1. (ビジネスを始めるための)初期投資
  2. (ビジネスを回すための)運転資金

の2つです。

コンサルティングやカウンセラーのような職業であれば初期投資は掛からないですし、運転資金も必要ありません。
一方で、ものづくりや仕入販売等をする場合は、初期投資も運転資金もきちんと計算しておく必要があります。
初期投資だけではなく、商品自分が行う事業の特性に応じて、資金を準備しましょう。

副業か起業かでお金の考え方は異なる

資金については副業か起業かによっても考え方のポイントがあります。
副業として行う限り本業で生活は賄えるという前提で、副業の費用と収益だけで赤字にならないように気を付ければよいでしょう。

しかし、起業となるとそうはいきません。起業の場合は、たとえ初期費用も運転資金も必要のない仕事であっても、起業すると会社員と同じような安定した収入がなくなり、また軌道にのるまでの自分の生活費が必要です。

そのため、たとえ研修講師やコンサル業であっても、その分は当然お金を貯めておかないといけないし、事業計画を立てて見通しを持っておく必要があります。

この記事を書いた人

高森厚太郎
高森厚太郎プレセアコンサルティング株式会社 代表取締役パートナーCFO
プレセアコンサルティングの代表取締役パートナーCFO。一般社団法人日本パートナーCFO協会 代表理事。デジタルハリウッド大学院客員教授。東京大学法学部卒業。筑波大学大学院、デジタルハリウッド大学院修了。日本長期信用銀行(法人融資)、グロービス(eラーニング)、GAGA/USEN(邦画製作、動画配信、音楽出版)、Ed-Techベンチャー取締役(コンテンツ、管理)を歴任。著書に「中小・ベンチャー企業CFOの教科書」(中央経済社)がある。
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