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SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室

SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室カレーが美味しそうに撮れません② スマホの影を入れずに真上から撮りたい時

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スマホの影が写真に入る!なぜ?

先生、私が撮ると写真にスマホの影が入っちゃうんです。これってどうにかならないでしょうか。

この影が入っちゃう問題、結構悩んでいる人多いんですよね。今日はこの影問題について考えてみましょうか。

Before 〈スマホの影が入ってしまう〉

before

プロの常識 〈まずどの光を使うかを考える〉

料理写真のプロとアマチュアの一番の違いってなにか?と聞かれたら「光を気にするかどうか」と答えます。

私が料理写真を撮る時に一番に考えるのが、この料理にはどこから光を当てると一番おいしそうに見えるのか?ということです。それほど写真にとって光というのは大切なものなんです。

今回のご質問の「スマホの影が写真に入る」ということは、その料理に対して間違った方向から光が当たっている、ということなんです。何が間違っているのでしょうか?

スマホの影が写るはなぜ?

まずは、kikkoさんが撮った写真をもう一度見てみましょう。

カレーの右側にライトの光が写っているので、これはテーブルの上にあるライトの光で撮っていることが分かりますね。そして料理にかかるように自分の影が写っています。

図で見てみると、このような感じで撮っていると思われます。

このように、ライトの光を自分で遮ってしまっているので写真にスマホの影が入ってしまうんです。

料理に正面から当たる光は使わない

この、上からのライトの光で撮ることで、もうひとつ問題があります。それは、カレーが正面から光を受けているので、カレーのどこにも影がなくなってしまう、ということです。

次の2枚の写真のかぼちゃを見比べてみましょう。

左が上からのライトの光で撮ったものですが、かぼちゃに光が満遍なく当たっていて影がありません。そのため、かぼちゃが立体的に見えません。一方、右の写真のかぼちゃは、左にある窓からの光で撮っています。すると、左が明るく右が暗くなるため、立体感が出てきます。同じかぼちゃなのに随分と印象が変わると思います。

プロのテク 〈窓からの光だけで撮る〉

では、どうやったら立体感の出る光で撮れるんでしょうか。

電気を消す

日中に撮影する場合に気をつけることは、部屋の電気を消す、ということです。

部屋の電気がついていると、また真上からの光が影響してきて思ったような写真になりません。よく写真を勉強する時に「太陽はひとつ」と言われます。太陽がひとつしかないように、写真を撮る時の光もひとつに絞った方が自然な写真に撮れます。日中でも部屋の電気を消すと暗くなったように感じますが、大丈夫。電気は必ず消しましょう。

窓際に料理を持っていって撮る

電気を消したら、窓際にお皿を盛っていって撮ってみましょう。

After 〈自分の影が入らない写真に〉

after

窓際で撮ったら、スマホの影が消えました!
それにしても、ライトの真下で撮ってはいけないというのはびっくりでした。ライトの真下が一番明るいのでいつもそこで撮っていたんですが、これからは窓際で撮るようにします。

でも、窓際だったらどう撮ってもいいんですか?

良い質問ですね。窓際で撮る時も窓を背にして撮ると同じことになってしまいます。次回は窓際でどう撮れば良いか、についてお伝えしますね。

おさらい

◎ライトの真下で撮らない

◎日中であれば窓際で撮る

プロフィール

カメラマン・撮り方コンサルタント田部信子

カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。

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