Series
連載

もう写真で損しないための スマホでプロ級写真教室カレーが美味しそうに撮れません! 立体感のある写真はどうやって撮ればいい?【第1回】

ログインすると、この記事をストックできます。 ログイン

「良い影」「悪い影」って何?駆け出し料理ライタ―の kikko は、美味しさが伝わる料理写真を撮るために、カメラマン noccoにスマホでプロ級写真の撮り方を教わっている。今回は立体感がなくなりがちなカレーの撮り方に挑戦。

プロフィール

クックパッド専属カメラマン田部信子

クックパッド専属カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。

たった3ポイントであなたの写真が生まれ変わる!
今回のテーマは、おしゃれなスパイスカレー。
美味しいカレーのはずが、写真に撮ると、なんだか美味しくなさそう。

「色が茶色いから?」
いいえ違います。

カレー屋の取材を控える駆け出しライターkikko と一緒に、nocco さんに聞いてみましょう。

登場人物

nocco :料理ジャンルを中心にカメラマンとして活動。kikko にスマホでプロ級の写真を撮る方法を教える。
kikko :駆け出し料理ライター。写真を撮るのが苦手。自分にしかできない仕事を目指してライターになったものの、いきなり「取材の時にスマホでいいから写真を撮ってきて」と頼まれ、大ピンチ。カメラマン nocco にプロ級の写真の撮り方を教わることに。

before
after

カレーライスの撮り方のコツが知りたい!

もう最初の取材先は決まってるんだっけ?

はい、来週早々にカレー屋さんの取材が入ってます。でも昨日家で練習したんですが、全然美味しそうに撮れなくて…。

来週か…。本当だったらきちんと基礎から体系立てて学んだ方が良いんだけれど、その時間はなさそうね。

そうなんです。今日カレーを買ってきたので、まずは、このカレーを美味しく撮る方法を教えてください!

OK! では、まずこのカレーをお皿に盛り付けて、kikko さんが思うように撮ってみて。

思うように…ですか?分かりました。

こんな感じになってしまうんです…。全然美味しくなさそうですよね?

あー、なるほど。色々手を入れた方が良さそうね。じゃ、この状態から少しずつ手を入れて写真を変えていきましょうか?

はい。お願いします

ズームして離れて撮ろう

まずは、「ズームして離れて撮る」ってところからやってみようかな。
お料理写真の基本は「ズームして離れて撮る」のが基本なの。今 kikko さんは、スマホのカメラアプリを開いてそのまま撮ったでしょ?そうすると、お料理が歪んで写ってしまうのよ。私が 1 枚別の方法で撮ってみるから比べて見てみて。

ズームして離れて撮った写真
ズームしていない写真

この 2 枚を比べると、kikko さんの写真のお皿の形がびよん〜って広がっているのが分かるかしら?

本当!なんか別のお皿みたいです!私が撮った写真だと、お皿がだらんっと広がっちゃったように見えますね・・・。
でも、先生の写真だとどうしてそう見えないんですか?

私の写真は、ズームして撮っているの。お料理は基本的にズームして撮った方がいいのよ。本当はきちんと理由をお話したいけど、今日のところはまずズームする!とだけ覚えておいて。時間があったらこの記事を見てもらえると詳しく書いてあるから帰ったら読んでおいてね。
あ、ただズームしただけだとドアップになっちゃうから、ズームした後で、自分が少し後ろに離れてね。

はい。ズームして、離れて撮る・・・。

確かにお皿の形は綺麗になった気がするんですが、全体的にペタっとしてるような気がします。立体感がないというか・・・。

これは真上からの光で撮ってるからだね。 この写真をよく見ると、お皿の右側に電気の光が写っているのが分かるかな?

はい。このテーブルの上にあるライトの光ですよね?ここで撮るのが良くないってことでしょうか?

そう。よく気がつきました!このライトが曲者なのよ。料理写真を撮るときには真上のライトは消すのが原則。このように真上から光が当たっていると、カレー全体が正面から照らされて影がなくなっちゃうのよ。

良い影と悪い影って何?

影がなくなる?…というか、私の影が入ってしまってますよね…?

そうなの。上からの光で撮ると、写真には自分の影が入ってしまうし、一方カレーには影が出なくなるのよ。

カレーの影が出なくなる・・・ってどういうことですか?影って無いほうが良いんじゃないですか?

いえ、影には「良い影」と「悪い影」があるの。

「良い影」と「悪い影」ですか?

そう。この写真のように自分の影が写真に入りこむのが「悪い影」
一方、カレーに立体感を出すのが「良い影」
この写真には「良い影」がないのよね。

まだちょっと分かりません・・・。「良い影」ってどういうことでしょうか?

例えば、この写真を見てみて。

真ん中にあるかぼちゃ、立体的に見えない?

そうですね。立体的に見えます。

このかぼちゃの左の面は明るくて右の面は暗いよね。左から光が当たっているから、右側に影が出来ているの。
そのお陰でかぼちゃに立体感が出ているの。

今度は、こっちの写真のカボチャを見てみて。同じカボチャだけど、上から全体的に光があたっているせいでかぼちゃ全部が明るくなってるでしょ?そのせいで立体感がなくなってしまってるの。

なるほど!立体感を出すために「良い影」の力が必要なんですね。でも、どう撮ったら「良い影」が出るんでしょうか?そもそも、どうすれば自分の影が入らないようにすれば良いのかすら分かりません・・・。

悪い影はどうしてできる?

では、一旦今 kikko さんがどういう状況で撮っているのか、客観的に見てみようか。

今は、この図ように上の電気から光が降ってきていて、それをさえぎるように kikko さんが料理に覆いかぶさっているのよね。体で光を遮っているから、自分の影が写真に写ってしまうの。また、料理には上から全体的に光が当たっているから、影が見えなくなってるのね。

言われてみればそうですね・・・。私が光の下に入り込んでるから影がでちゃうんですね。

そう。出そうと思っていないのに出ちゃう影。これが「悪い影」

でも、じゃあどうしたら良いんでしょうか?

電気を消して、窓際で撮るのがベスト!

それには、まず上の電気を消して、窓の近くに行ってみましょう

同じように撮ったとしても、今度は、光がお皿の向こう側から入ってきているので、自分の影は入らないの。また、低い位置から光が当たることで、先程お話したようにひとつひとつの食材に明るい部分と影の部分が出来て立体感が出せるのよ。

なるほど。確かに、こうすれば自分の影は入らないですね!

そう。では実際にやってみましょうか。まずは上の電気を消しましょう。

あれ?電気を消すと暗くなっちゃいますが、大丈夫でしょうか?

目が慣れないと暗く感じるけれど、その分色々なものが立体的に見えるようになったと思わない?

確かに。立体的に見えます!へー。今まで光なんて気にしたことがなかったので新鮮です!

影が斜めに自分の方に流れる場所を探す

そうね。では、まず窓の近くの机の上にカレーを置いてみましょう。その後、そのカレーの周りをぐるっと回って影が斜めに自分の方に流れてくる位置を探してみて。

あ、窓に対して斜めに向かって立ったら影が自分の方に来ました!

はい。では、そこで撮ってみてください。

ズームして、離れて・・・おぉぉ!立体感出ました!!!どうですか!?

はい!いい感じに撮れましたね。ここまで撮れれば大丈夫。では、一旦やったことを整理するわね。

①上の電気を消して窓の近くに料理を置く
②カレーの影が斜めに自分の方に流れてくる場所を見つける
③ズームして離れて撮る


この 3 ステップを覚えておいてね。
特にテーブルの上にはライトがついていることが多いので、それを消すことを忘れずに。レストランで電気が消せない場合は、窓の近くにお料理を持っていって撮れると良いですね。

では、初取材、頑張って行ってきてください!

はい!今日のメモを持って行ってきます!!!

kikko’s MEMO

  • 上の電気を消して窓の近くに料理を置く
  • カレーの影が斜めに自分の方に流れてくる場所を見つける
  • ズームして離れて撮る

この記事を書いた人

田部信子
田部信子料理カメラマン
クックパッド専属カメラマン。前職では写真教室を立ち上げ3000人に写真の撮り方を教える。現在はクックパッドで「3ヶ月で撮りたい料理写真が撮れるようになる写真講座」を行う。”「奇跡の一枚」を「意図した一枚」に”をモットーに、一人でも多くの人が料理写真を楽しく撮れるようになるよう活動している。青山学院大学卒業後、日本IBMでのSE職からカメラマンに転身。双子の母。

ログインすると、この記事をストックできます。 ログイン

この記事をシェアする
  • LINEアイコン
  • Twitterアイコン
  • Facebookアイコン