Be Career
働き方

NFT特集NFTの始め方、個人クリエイターが自分の作品を販売できるチャンス!【NFT特集 第3話】

ログインすると、この記事をストックできます。

今回の特集は「NFT」。アートや音楽などをデジタルで創作するクリエイターは、NFTにどう挑めば良いのか? 『だれにでもわかるNFTの解説書』の著者・足立明穂氏や、作品販売にチャレンジしている3名のアーティストを取材し、成功のノウハウを伺いました。

アート界隈を中心に、NFT(Non-Fungible Token)が盛り上がっています。

NFT作品って?
これまでオリジナルとコピーに違いがなかったデジタルな創作物に唯一性を持たせることで、転売を繰り返しても常に所有者を明確にできるのが特徴。ブロックチェーン上で、仮想通貨を使って売買されています。アートや音楽などデジタルで創作するクリエイターにとっては、「自分の作品を世に広める新たな販路だ!」として注目が集まっているのです。

とはいえ、ブロックチェーン、仮想通貨、NFTなど、聞き慣れない言葉にためらう方も多いでしょう。

そこで、自分らしい働き方を応援する「I am」では、読者に向けてNFTの可能性やノウハウを特集でお伝えしています。

第3話では、好きと得意を仕事にしたい「I am な人」を目指す読者の皆さんに、ここまでを総括します。

NFTってそもそも何?ただのJpeg画像とは違うの?

「NFTとは何か」

これをひとことで説明するのは難しいです。なぜなら、まったく新しい概念だからです。たとえば「インターネットって何?」と聞かれても、「TCP/IPを使用し、複数のコンピューターネットワークを相互接続した……」などとは説明しないですよね。多くの人はインターネットのことを、インターネットとして理解しています。

本サイト『I am』のNFT特集第1話にご登場いただいた足立明穂さんは、「NFTやブロックチェーンがインフラのように広まり、将来的には今で言うインターネットのように人々が意識しなくてもバックグラウンドで稼働しているのが当たり前といった状態になってくるのではないか」と言います。

NFTは、Non-Fungible Tokenの頭文字。日本語では一般的に「非代替性トークン」と訳されています。非代替性ですので、「替えが効かない唯一のもの」ということです。またトークンとは「印」「証拠」という意味。少々強引ですが簡単にまとめると、「デジタル創作物の所有証明書」ということになります。

写真/shutterstock

NFTと聞くとデジタルアートを思い浮かべる方が多いと思いますが、「NFT = デジタルアート」ではありません。NFTを利用したデジタルアート作品が「NTFアート」なのです。

「デジタルアートならただのJpegじゃん。複製できるものに価値なんてあるの?」と疑問に思われる方も多いでしょう。

NFTは、コピーガードではありません。従来通り、データは複製できますし、スクリーンショットで保存することもできます。しかしNFTアートは、制作者や購入者などの取引履歴がブロックチェーン(*1)上に書き込まれ、誰の物なのかが証明されているのです。また、リアルな絵画と同じように、それを他人に転売することも可能です。購入者は、好きな作品を所有したりコレクションしたりできる喜びと、将来価値が上がって高値で売れるかもしれないという期待感などを持つことができます。

*1. ブロックチェーン技術とは、情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、暗号技術を用いて取引記録を分散的に処理・記録するデータベースの一種であり、「ビットコイン」等の暗号資産に用いられている基盤技術である。(総務省ウェブサイトより引用) https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd134620.html

NFTによって価値が一変!
パソコンで眠っていたデジタルアートが宝の山になるかも?

NFT特集の第2話にご登場いただいたイラストレーターのMurasakiさんは、デジタルアートを長年に渡り制作しながら「デジタルアートは一点物のアナログ作品よりも、どうしても価値が低く思われがちだ」とおっしゃっていました。しかしNFTを知ったことで、「ハードディスクに眠っているこれまでの作品にも日の目を当てることができる。今すぐ価値がでなくても、自分の死後、価値が上がるかもしれない。そうなれば、わが子にも資産として残すことができる」と、気づいたと言います。

写真/shutterstock

NFTの出現により、デジタルアートが旧来のキャンバスに描かれた油絵ように販売しやすくなりました。

加えて、NFT作品にはロイヤリティの設定ができ、最初の販売時に収益が得られるだけでなく、二次流通の際に販売額の一部をクリエイターに還元する仕組みを組み込むことができます。旧来のアートの世界では、作品が一度作者の元から売れてしまったら、その後いくらで転売されても作者には1円も入りませんでした。しかしNFTでは、将来的に作品の価値が上り、多くの人から求められ転売され続ければ、永続的に報酬が得られるのです。

つまり、従来よりもクリエイターを支援できる仕組みが備わっているといえます。

デジタルアート作品の価値が、NFTにより大きく変化してきました。

クライアントワークだけじゃない稼ぎ方!個人のオリジナル作品が販売しやすくなる

これまでのデジタルアートのクリエイターは、企業から受注して仕事をされている方が多いかと思います。たとえば、本や雑誌の挿絵、ポスターやCDジャケットのデザイン、ゲームのキャラクター、Tシャツのデザインなど、そのシーンは様々です。そうした中でクリエイターが収入を増やすには、数をこなすか、世間からの人気を高めて単価を上げていくか、といった流れが主流になります。

写真/shutterstock

NFT特集の第2話にご登場いただいたイラストレーターのArt Kung-fu Girlさんは、Twitterのフォロワーさんから「NTFを始めないのですか?」と問い合わせをいただいたことをきっかけに、NFTアートの販売をはじめたそうです。「自分のオリジナル作品を気に入ってもらえて購入・所持してもらえるということはずっと憧れでしたし、作家にとって本当に嬉しいことです」とおっしゃっています。 個人のクリエイターにとって、NFTは自分のオリジナル作品を販売するチャンスとなります。

アートだけじゃない!絵が描けなくてもNFTはできる!

NFT界隈では現在はアート作品が盛り上がっていますが、アート以外にもさまざまなNFT作品があります。「デジタル化できるものは何でも売れる」と言われており、NFTの主要マーケットプレイスである『OpenSea(オープンシー)』では、現在以下のカテゴリーがあります。

・Art(アート)

・Collectibles(コレクション)

・Domain Names(ドメイン名)

・Music(音楽)

・Photography(写真)

・Sports(スポーツ)

・Trading Cards(トレーディングカード)

・Utility(実用品)

・Virtual Worlds(仮想世界)

アート作品が作れない方でもあっても、写真ならチャレンジできるのではないでしょうか。何気ない日常のワンシーンや、自撮り写真を販売されている方もいます。

写真/shutterstock

また、自分が不得手なアートや音楽といったジャンルにチャレンジしたい場合でも、それが得意な方とチームを組むことで、NFT作品の販売に挑めるようになります。NFT特集の第2話にご登場いただいたBig Hat Monkeyさんは、「自分の得意分野は企画とディレクションなので、イラストレーター、サウンドクリエイターらとタッグを組み、チームとして活動しています」と言います。 一貫して一人でやりたい方もいれば、チームを組んで目標を目指す方もいる。これはリアルなビジネスでも同じですよね。

作品のクオリティだけではなく、コミュニティづくりが重要

NFTは作品のクオリティに加え、コミュニティも重要です。

あなたの作品をNFTのマーケットプレイスに出品するだけで、次から次へと売れる訳ではありません。第一話で足立明穂さんは、「購入者は、その作品がつくられた理由を知りたい」と言います。なぜなら、購入者は作品に対する情熱や出した理由などに納得して、「それだけの想いがあるのだからお金出」すからです。

デジタルの世界の中で、作品の価値を知ってもらい、価値をさらに高めるためにはコミュニティを活用する必要があります。どんなにいい作品を作っても、アーティストの想いや情熱が伝わらないと希少性が可視化されにくいためです。

写真/shutterstock

NFTクリエイターは、コミュニティを、主にTwitterやチャットツールのDiscordなどを使用して作っています。そうした場所で情報発信をしながら、ファンとコミュニケーションを取ったり、ファン同士で交流できる場を設けたりすることで、作品の認知や価値を高めることができます。

作品のクオリティを上げていきながら、同時にコミュニティを運営していくのは大変ではありますが、コミュニティはNFTの醍醐味でもあるので、前向きに楽しく取り組んでいきましょう。

リスクを回避するために、情報収集は欠かさずに!

ここまで良い部分をお伝えしましたが、NFTにはリスクもあります。たとえば、詐欺に遭い仮想通貨を盗まれたり、偽物のNFT作品を買ってしまったり、仮想通貨の価格変動により価値が目減りしてしまったり。

そのため、「今、こんな詐欺被害が起きているので騙されないように」「偽物を販売するユーザーが増えているので注意しよう」など、最新の情報を収集しておくことも大切になります。

情報収集するためには、自分自身もNFTクリエイターが集うコミュニティに参加し、トレンドに触れられる環境に身を置いておくと良いでしょう。

今回の I am の「NFT特集」では、「どうやってNFTを学べば良いのか?」「実際、どんなリスクがあるのか?」「販売するためのコツは?」などを解説しています。NFTにチャレンジしたい方は、ぜひ第1話・第2話を今一度しっかりと読んでみてください。

取材にご協力いただきました、足立明穂さん、Murasakiさん、Big Hat Monkeysさん、Art Kung-fu Girlさんに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

取材/北野啓太郎、I am 編集部
文/北野啓太郎
写真/shutterstock

この記事を書いた人

北野 啓太郎
北野 啓太郎ライター
文章、写真、動画を駆使したWebコンテンツ制作が得意なフリーランサー。会社員時代に始めたブログがきっかけでヘッドハンティング。レゲエ専門メディアの編集長を経て、独立しました。強み:初対面の方と何時間でも話せる。インタビューも好き。弱み:打たれ弱い。

ログインすると、この記事をストックできます。

この記事をシェアする
  • LINEアイコン
  • Twitterアイコン
  • Facebookアイコン