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1冊を書きあげる「自信」は副収入以上の収益誰でもほぼ0円で気軽に挑戦できる「Kindle出版」の基礎知識とメリット

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誰でも挑戦できる電子書籍出版。コンテンツさえあれば、インフルエンサーでも有名人でなくても、電子書籍として販売することができます。知識ゼロから出版体験者のプロセスを解説します。

電子書籍出版をしたい方向けに、電子出版の中でも比較的挑戦しやすいといわれる「Kindle出版」(Amazonで電子書籍を販売する方法)にフォーカスし、Kindle出版の基礎知識や準備すべきことをご紹介します。

電子書籍出版とは?

写真/shutterstock

商業出版と並ぶ個人の電子書籍出版

最初に電子書籍出版とは、Amazon Kindleや楽天 Kobo、紀伊國屋書店 Kinoppyなどで、電子書籍(デジタルデータ)として配信される書籍を出版することをいいます。

今、それらの電子書籍ストアやアプリを見ていると、有名作家や著名人、インフルエンサーだけでなく、一般人の書籍も多く並んでいます。

長い間、書籍出版というと、企画を通すのがとても大変な出版社の会議を通過してようやく、本を出せるのが当たり前でした(「商業出版」の形式)。

加えて昨今、著者にはネームバリューや影響力の高さが求められ、出版社は「確実に売れる本」しか刊行しにくくなっている傾向もあります。

自費出版以外の新しい道

だからこそ、一般人にとって書籍出版は縁のない話でした。お金がかかっても自分の本を出したい場合、自分で数百万円〜ほどの制作費を出版社に払って「自費出版」する方法くらいしかなかったためです。

一方で、電子書籍出版という方法は、書籍化したい作品・コンテンツを持つすべての人に門戸が開かれています。出版社が関わる紙の書籍とは違い、印刷製本費や書店流通管理費などの費用が不要になるため、好きなタイミングで安価に出版が可能です。

表紙の制作や特定のファイルフォーマットへの変換をプロに依頼すると、数千円〜数万円かかることもありますが、自力ですればコストは「ほぼ0円」となる出版方法です。

Kindle出版とは?

写真/shutterstock

kindle出版で世界に発信

電子書籍出版の中でもメジャーな出版方法のひとつがKindle出版で、Amazonが提供するセルフ出版サービス「Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)」を使います。

KDPのトップページに「Kindle ダイレクト・パブリッシングなら、電子書籍とペーパーバックを無料でセルフ出版し、Amazon のサイトで何百万人もの読者に販売できます」とあるように、作品・コンテンツを持つ人なら誰でも気軽に挑戦できることがわかります。

出版の形式は文章がメインの一般書はもちろん、写真集やイラスト集、漫画など自由で、自分が得意とするコンテンツを販売できます。

審査が通れば72時間以内に、日本だけでなく米国やカナダ、英国、ドイツ、インド、フランス、イタリア、スペイン、ブラジル、メキシコ、オーストラリアなど、世界各国のKindle ストアで購入可能になるほか、売上の最大70%がAmazonから印税として支払われます。

審査の条件で注意すべき点

書籍の中身は審査されますが、Webサイトや記事、書籍などの既存コンテンツをコピーしていないかどうかを確認されるくらいで、独自コンテンツであれば審査通過は問題ないでしょう。

ただし、自分のブログをKindle出版する場合は要注意です。「あなたの作品の一部またはすべてのコンテンツは、インターネット上で無料公開されている」という理由で審査に落ちる可能性があるため、出版申請前に記事を非公開にするなどの対応が必要になることも。

続いて、Kindle出版のメリット、デメリットを見ていきます。前出のようにKindle出版は挑戦しやすくリスクは少ないことから基本的にはメリットが多く、生活に悪影響を及ぼすようなデメリットはほとんどありません。

Kindle出版のメリット

写真/canva

1.ローコストで出版できる

Amazonのアカウントを持っていれば、KDPは誰でも無料で利用できます。KDPの管理画面にコンテンツをアップロードし、審査が通れば書籍は販売開始に。

表紙をプロのクリエイターに、文章の校正・校閲をプロに依頼するなど、外部の力を借りれば数万円はかかりますが、それ以外にかかる費用はなく、必要なのはコンテンツを作るための時間と集中力だけだといえます。

2.書籍のすべてを自分で決定できる

書籍のテーマや中身はもちろん、デザインに締め切り、発売時期、プロモーション(宣伝)まで、すべての決定権は自分にあります。「今、自分が作りたいもの」を好きなように作ることができるのです。

3.印税収入が入ってくる

写真/shutterstock

書籍が売れれば最大で売上の70%が印税収入となり、毎月振り込まれます。公開した書籍は「資産」です。販売スタートしてコンスタントに売れ続ければ、臨時収入が入り続けるということ。

ちなみに、出版社を通して書籍を発売する場合、どんなに著名人でも印税は書籍費の10%ほど。それと比べるとKDPならではの印税率の高さも魅力的だといえます。

Kindle出版のデメリット

メリットがほとんどですが、デメリットがゼロではありません。

1.売れない可能性もある

出版社から出される本は多数の編集者やマーケターが関わり、市場のニーズを捉えた上で作られています。ある程度の勝算があるからこそ出版されているともいえます。

一方、自分の頭だけで考えて電子書籍を出した場合、自分では「ニーズがあるだろう」と思っている作品なのに思いのほかウケなかった……なんてこともあり得ます。

2.スランプや評価で落ち込むこともある

写真/shutterstock

執筆中に思い通りに進まないスランプに陥ったり、販売後に「★1」の評価や辛辣なコメントが付いたりして落ち込む著者もいます。

しかし、人間は常に調子が良いわけではありません。書けないときは割り切って「明日続きを書こう」と早めに切り上げたり、低評価はあくまで一意見として参考にしたりと、引きずりすぎないのが良さそうです。

Kindle出版の体験者に聞く

写真/shutterstock

メリット、デメリットを読んで、Kindle出版を叶えた方の声も聞きたい! と思った方も多いはず。2022年に1冊目のKindle本を刊行した方に経験談を詳しく聞き、うまくいく秘訣を導き出してみました。取材にご協力いただいたのは以下のおふたりです。

会社員をしながら副業出版ー力石あやさん

失敗から学ぶ自己投資: 何をやっても中途半端な私が楽しめるようになった話』(りおのしあわせ出版、2022年10月刊行)著者。インテリア会社に勤め、輸入業務を担当。2021年4月より複業としてWebライターをしている。

ネイルサロン経営ーこばやし ちえさん

美容業界リモートワークの教科書 : 美容スキルとライティングで複業収入を得る方法』(NY books、2022年6月刊行)著者。24歳でフリーランスのネイリストとして独立し、2014年よりネイルサロン経営。2021年秋から複業としてライティングを学び始め、現在ではコンテンツ制作の仕事も請け負う。

Kindle出版:テーマの選び方

執筆前の最難関工程ともいえるのがテーマ選びかもしれません。力石さんは「特技も専門知識もないし……」と何を書けばいいかわからなかったといいます。対してこばやしさんは「ネイルのことしか書けない」と思い込んでいたそう。

迷った末、力石さんは3C分析や自己分析をするうちに、自己投資に費やしてきたお金や時間の失敗談を書くと読者に反面教師にしてもらい、役に立つ読み物にできるのではと考えました。
その際、Twitterで他のアイデアと共にアンケートを取ると、自己投資失敗談を読みたいとの声が圧倒的に多かったのだとか。

一方、こばやしさんは通っていたライティングスクールでの学びを「これから複業でライティングを始めたい人向けに書こう」と方向転換。コロナ下で顧客が減り収入減につながっている同業者に自分が学んで実践してきた情報をシェアしたい! との思いで執筆を進めていくことにしたのです。

ここから見えてくるのは、自分自身の経験を掘り下げつつ、読み手となり得る人の声(ニーズ)を探ること、世の流れをつかむことの大切さです。書きたいものを書いたけどまったく売れない……というよりも、必要とされるものを書いて売れたり反響があったりする方が執筆のし甲斐もあるもの。

Twitterという発信・拡散ツールを有効活用し、フォロワーに率直な意見を聞いたり、Kindle出版をしている人をフォローしたり、彼らが発信する情報をチェックしたりするのは良い方法でしょう。

Kindle出版:どんな準備が必要?

写真/shutterstock

おふたりに共通していたのは、Kindle出版を目的としたライティングスクールに通っていたことでした。そのスクールでは、はじめにnoteでの発信方法を学び、書く基礎体力をつけた後にKindle用のコンテンツ制作に入ります。

note、ブログで情報発信の準備運動

とはいえ、スクールに通うのは費用も時間もかかり、誰もができることではありません。たとえ、スクールに通う選択肢はなくとも、noteやブログなどで1000文字〜規模の短い記事を書き溜めることは、Kindle出版をする前の良い練習になるでしょう。

Kindle用のコンテンツ制作では、テーマ確定後、章立て作りに入ります。章立ては書籍の骨格となるものだからこそ、入念に練る必要があります。章立てが決まった後は、力石さんは約1ヶ月半、こばやしさんは約3ヶ月で書き上げたそう。

表紙のイメージトレーニング

執筆と同時に進めていく表紙制作では、力石さんのエピソードが大いに参考になりそうです。かつて自己投資のひとつとして結婚相談所を使っていたとき、カウンセラーから「女性会員はパステルカラーのワンピースに白い背景で写真を撮ることが多いため、あえて赤い服など目を引く色を取り入れると男性からお見合いの申し込みが増える」という話を聞いたことがあったそうです。

その話を思い出し、力石さんは他のKindle本に埋もれて目立たなくなることを避けるため、あえて強めな印象を残す濃いピンクを用いた表紙にしたといいます。

この話から見えてくるのは、膨大にあるKindle本の中で目を引く表紙にすることは必要不可欠であることでしょう。紙の書籍も同様ですが「表紙とタイトルが9割」くらいの感覚を持ち合わせるくらいで良いのだと思います。もちろん中身(書籍の内容)が一番大事ですが。

Kindle出版:作ったとの告知・販促は?

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せっかく書き上げた本はできるだけ多くの方に読んでもらいたいもの。そこで気になるのが具体的な告知・販促方法です。

発売前からTwitterなどで告知

おふたりともTwitterをフル活用し、見事販売へとつなげている印象を受けます。
こばやしさんは書籍発売3週間前に予告したり、KDPに作品をアップロードした後に見られるプレビューを動画で見せたりと、そのときどきの気分に合わせて見せ方を工夫していました。

対する力石さんは発売当日に「17時から発売します」と告知。

その後もおふたりはTwitterを活用し続けています。拡散されるツイートを連発しフォロワー数が伸び続けているこばやしさんは、反響が大きいツイートに「追いリプ」する形でKindle本の紹介を投稿。それにより、本の売上は約半年前の発売月より今の方が多いといいます。

これらのエピソードから学べるのは、数あるSNSの中でも拡散効果が期待できるTwitterをフル活用することといえます。

日ごろから人を応援してコミュニケーション

そして、普段から周りの方とSNSコミュニケーションを図って相手のことも応援していると、自分も応援され投稿がRTされたり、本の感想をツイートしてもらいやすくなったりすることも考えられます。インタラクティブなTwitter活用が重要といえそうです。

力石さんは、それまで自身と同じようにKindle出版に向けて動いていた仲間たち(相互フォロワーの方やそうでない方も)と日頃からリプライやRTなどで交流をしていたこともあり、その投稿はリアルタイムで広く拡散されたそう。

Kindle出版:出版後の仕事への影響は?

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初めてのKindle本を出版したおふたりですが「反響は?」と聞くと揃ってキラキラした笑顔を見せてくれたのが印象的でした。

お客様が購入「すごい!」と絶賛

力石さんは電子書籍8部門で新着ランキング1位を獲得し、298円(発売から4日間は99円)と安価に売り出しているものの、発売から1ヶ月半で5桁の印税が入ってきたそう。売上の7割が印税として入るシステムを選んでいるというので、計算すると結構な数の人が書籍を買ってくれたことが分かります。
こばやしさんは複業収入がどんと増えただけでなく、自分を見る周囲の目が変わったことが大きな変化だったと語ります。ネイルサロンのお客さまが購入してくれたり、ネイルサロンオーナーをしながら本を書き上げたことを「すごい!」と称賛してくれたりするのだとか。

確かにライターや編集者など文章に関わる仕事をしている人がKindle本を出すのはそれほど珍しくないものの、美容関連の仕事をしている人が自力でKindle本を出すのはレアなこととして見られるのもわかります。

1冊を書きあげた「自信」

おふたりに共通するのは、書き上げた本という資産によって、臨時収入を得られていることだけではありません。「一生もの」ともいえるようなコンテンツ作りと真剣に向き合って培われた書く力、完成させたことで得られる自信、Kindle本から派生する新たな仕事のオファーなど、目には見えないものをたくさん得ていることではないでしょうか。

Kindle出版:初めての人のロードマップ

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ここまで読んで「自分もKindle出版したい!」と思った方も多いのではないでしょうか。ここからはKindle出版の流れを簡単に説明していきます。
準備するものはPCとMicrosoft Wordだけ! KDPではWordが推奨されていることもあり、Wordに慣れている人はWordで執筆するのがベターです。

1.執筆、編集、校正して原稿を完成させる

書籍のテーマを決めたら目次や構成を考え、原稿の執筆に入ります。Kindle出版では文字数に制限はありませんが、書籍を買ってくれる読者に満足してもらうには、価格にもよりますが2万文字以上のボリュームがあると良いでしょう。
書き上げた原稿は読み直して誤字脱字がないか、事実と違う点はないかなど、客観的な目で確認し修正します。自分のチェックだけでは不安な場合は、身近な人に読んでもらうのもひとつの手です。前出のように校正・校閲のプロに依頼するのもあり。

2.書籍の顔となる表紙を制作する

表紙は書籍の「顔」ともいえる大事な要素。他の書籍と並んでも埋もれないようなインパクトがあり、タイトルと合わせて目立つようなデザインが望ましいです。

自分で作るのも良いですが、プロの手を借りたいという場合は、クラウドソーシングサイトやスキルマーケットなどで数千円〜数万円で依頼するのも良いでしょう。

3.Amazon KDPに申請する

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Amazon KDPにサインインし、書籍の詳細情報を入力し、表紙を含め書籍の素材をアップロードします。アップした書籍はプレビューで表示確認し、崩れているところや読みづらいところがないかをチェックします。

この後決めるのはロイヤリティプラン(印税)で、35%か70%かを選択します。コンテンツの種類や価格などでどちらが合うか変わるため、自分の作品に適した方を選ぶのが◎。

4.出版をSNSやブログで告知する

ヒアリングさせていただいたおふたりのお話からも分かるように「書籍を出します」と積極的に告知するのは重要です。

自身のSNSフォロワー、ファン、身近な人に書籍が出るまでのワクワク感を楽しんでもらえるよう、発売の目処が立ったタイミングや発売直前、発売後など、いろいろなタイミングで告知し、販促につなげていくのが良いでしょう。

〈まとめ〉自分らしい仕事の作り方「kindle出版」

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今後もKindle出版は参入者が増えていくことが予想されます。その分、ライバルも多くなるということですが、それに合わせて読者のボリュームも膨らんでいくと考えられます。

「今、こういう作品がウケる」と市場のニーズを的確に汲み取ったり、狭く深いテーマだけれど一部の層には確実に刺さる内容を見出したりしてコンテンツ化・Kindle出版することで、あなたの書籍に人が集まる可能性もあるのです。

その結果、話題書となって印税収入が増えたり、出版社やメディアから声がかかって新たな仕事(複業)につながったりする未来を手にする人もいるでしょう。
一度制作してAmazonにアップしておけば、半永久的に「お金を生む資産」として価値を持つKindle本。リスクはほぼない複業なので、自分の得意や書きたいことを生かして、挑戦してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

園子池田編集者
編集プロダクション「プレスラボ」代表取締役。編集者。2009年楽天入社。2012年ライターとして独立。2016年から4年「DRESS」編集長を務める。相撲とプロレスが好きで、コンテンツ制作に携わることも。2020年2月代表交代に伴い現職。

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