#02 I am が「リヤカーカフェ」をオープンするまでリアカーでコーヒーを移動販売したい!I am coffee大作戦【第2回】
WebメディアI am の特集第一弾は編集部が体当たりビジネス企画。「リヤカーを引いてコーヒーを売ったらどうなるか?」。元手も経験もない3人が自力で稼ぐことに挑戦します。
I am編集部が企てたリヤカービジネス。地の利を生かして早稲田の神田川の桜の下で美味しいコーヒーを提供したい一心で先人に教えを請いにいったら「リヤカーカフェは難しいよ」とあっさり撃沈。しかしこんなことでひるむ私たちではない。保健所、警察署などに問い合わせてみると……。
前号はこちら
目次
自治体に問い合わせてわかった衝撃の事実
仮説③下手の考え休むに似たり
行政機関に問い合わせたら糸口が見つかる?
そもそも、川沿いの公園や道路でリアカーを使用した販売をしてもいいのだろうか?
まずはIam編集部が所在する文京区の文京区役所に相談しに行った。
文京区役所の公園課に公園での移動販売について相談したところ、「営利目的の物販はできない」とのこと。
公園の敷地外で、道路で販売するなら警察署に相談したほうがいいとアドバイスを受けた。
これってたらい回し? 区役所ではなく警察署へ行けと・・・。
そこで、私達は、大塚警察署へ向かった。
道路使用許可の受付で緊張しながら、今回のプロジェクトについて相談すると、
「ここの管轄では、そういった販売の許可はできませんよ。都内では難しいと思います。」
と、まさかの却下。これでは企画が成立しない。頭が真っ白。
どうしたらいいのか尋ねると、道路はダメだが、道路でなく個人の敷地内ならできなくもないとのこと。敷地内といっても、会社の玄関にはリアカーを置くスペースがないため難しい。
さらに練馬区保健所 石神井分室にも相談しにいったところ驚くべきことが判明した。
リアカーで販売できるものは限られており、食品以外の雑貨ならば販売できるが、コーヒーは販売ができないのだ(自治体によって異なるので要注意)。
食べ物以外は可能であるため、コーヒー豆の販売ならばセーフだろう、とのこと。物販については警察署に届け出る必要があるそうだ。
また、私有地での販売であってもリアカーでの食品の営業許可証は、保健所で審査を通す必要がある。しかし、排水設備などの問題で、審査はおそらく通らないそう。「キッチンカーならばいいけれど……」とのこと。
でも、でも、お祭りの時の的屋はどうなんですか? 食べ物売ってますよね?
的屋スタイルの出店ならばコーヒー販売は可能だが、お祭りの時だけに限定されてしまう。もちろん事前の申請が必要とのこと。
つまり、公道でのリアカーを用いたコーヒーの移動販売は、許可が下りないため不可能である、ということが判明した。
万事休すである。WebメディアI am の1発目の特集にもかかわらず、「I am coffee」企画は、あっさりと頓挫してしまったのである。
しかし、ここであきらめるわけにはいかない。
私達は、コーヒーのプロである『かなざわ珈琲』店主・金澤 政幸氏に話を伺いに行った。
リヤカーがダメならマルシェ出店。逆転の鍵はコーヒー豆
仮説④結果を導く手段は一つではない
これがだめなら、あれでやる
公道でのコーヒー販売は困難だと判明したものの、コーヒー販売をあきらめきれない編集部は、『かなざわ珈琲』店主・金澤政幸氏に話を伺った。
「かなざわ珈琲」は自ら焙煎したコーヒー豆の販売を軸に、イベント出店などを行っている。ぽたぽた、ぽたぽた120秒かけて濃厚なコーヒーを抽出、差し湯をするという独特なコーヒーの淹れ方が特徴で、雑味やえぐみがないまろやかでストレートな味。
金澤さんは『コーノ式かなざわ珈琲』という本も出版しているコーヒーのプロ。編集長の長谷川がこの本を担当したときからのおつきあいということもあり、金澤さんは快く話を聞かせてくれたうえに、美味しいコーヒーまで淹れてくれた。
コーヒーが苦手だった人が「これは美味しい!」とコーヒーにはまるきっかけになるという。しかしそのコーヒーを味わえるのは、イベント出店時の試飲だけになる。
店舗を持たずにコーヒーを本業にしている金澤さんだったら、解決の糸口が見つかるかもしれない!
が、やはりリアカーを引いて公道で販売するのは難しいと。
しかし、マルシェでの出店ならばできるかもしれない、とのこと。吉報である。
ただし、飲料としてのコーヒーを販売する場合、屋台であってもリヤカーであっても、その仕様を保健所で審査してもらわないとならない。
しかし、コーヒー豆の販売であればハードルは一気に下がる。でもその場でコーヒーも味わってもらいたいので、試飲してもらう形でコーヒーを1杯飲んでもらうスタイルが今のところベスト。
マルシェでコーヒー豆販売だったら、区役所も警察署も保健所も関係ない!
そこで、『かなざわ珈琲』の金澤さんにお願いして、I am編集部のコラボでマルシェに出店することに!
次なる課題はどのマルシェに出店するか、いや出店できるか、である。
実績も店舗もない、さらにwebメディアの運営をしている私たちがそう簡単に「条件のいいマルシェ」に出店できるのか? 急に弱気である。
さらに、東京都内ではいたるところでマルシェが開催されているイメージでイベントガイドはあるのだが、出店したい人にとってマルシェの事務局につながるマッチングサイトはすぐには探し出せなかった。仕方ないからI amで一覧サイトを作るしかない(どうやって?)。
しらみつぶしに当たればいいのだが、2022年4月1日のリリースを控えて、とにかく忙しいでそんな時間はないのである。
持つべきは友、持つべきは知人、持つべきはゆるやかなつながり!
仮説⑤バベルの塔は己の身を亡ぼす
完璧を目指さず、助けを求める
金澤さんの知人でもあり、I amの座談会にも協力していただいた大庭聡子さんが運営をしている、千葉県市原市の内田未来楽校で開催するマーケットである「伊丹陣屋」に出店させてもらえる約束を取り付けた、にもかかわらず、I am coffeeの受難は続く。
コロナでゴールデンウイークの予定していたマルシェ開催が延期されてしまったのだ。二度目の万事休すである。
そういうものである。そんなにうまくはいかないのがビジネスなのだと、身をもって経験した編集部であるが、まだあきらめてはいない。なんとしてもゴールデンウイークにはどこかのマルシェに出店希望です。どなたかお声がけいただけると嬉しいです!
さて、今回の調査で分かったことは以下の4つ。
- 公道での移動販売は、コーヒーの場合23区の場合は保健所・警察署の許可が下りず難しい。
- 移動するよりも、知り合いのツテで敷地内で販売する方がいい。敷地の所有者が、集客してくれる場合もあり、自ら集客をしなくていいメリットもある。
- SNSフォロワーよりもリアルの知り合いが重要。
- マルシェなら出店が可能
桜の下でコーヒーを販売することは叶わなかった上に、マルシェ開催も延期。華々しい船出となるはずが、早々に暗礁に乗り上げてしまった「I am coffee」である。
ピンチはチャンス! なんとかなる。いや、何とかする!
続きはコチラ ↓ ↓ ↓
前号はコチラ ↓ ↓ ↓
関連記事
この記事を書いた人
- 猫と食べることが大好き。将来は猫カフェを作りたい(本気)。書籍編集者歴が長い。強み:思い付きで行動できる。勝手に人のプロデュースをしたり、コンサルティングをする癖がある。弱み:数字に弱い。おおざっぱなので細かい作業が苦手。