Feature
特集

棚貸ビジネスは、自分の夢を叶える第一歩ハンドメイド、クラフト作家の世界観さく裂!30cm四方からはじめるスモールビジネス【第3回】

5月の特集は「棚貸ビジネス」。レンタルボックスを借りて自分の作品を販売する。棚貸をしている雑貨店と、実際に棚を借りて商品を販売するハンドメイド作家に突撃取材。ネット販売にはない魅力に迫る。

委託販売料とレンタルボックス代を払うことで、小さな自分のお店を持つことができる「棚貸し」ビジネス。自分の作品を実際にお客さんに手に取ってもらえる、モチベーションが上がる、など作家にとって始めるメリットは沢山。とはいえ、そもそもハンドメイド1本で食べていけるのでしょうか?委託販売が作家活動に与える影響をもっと知りたい!3人の作家さんにお話を伺ったら、そこには好きなことを仕事にするにあたってのヒントがありました。

ハンドメイドはビジネスになる?

仮説③
ハンドメイド1本では稼げない?
それって思い込みかも。

これまで委託販売について話を聞いてきましたが、そもそもハンドメイドってビジネスになるのでしょうか?

イチトサントマル。さんは、2年前に家でできる仕事がしたいと思い、美容師を辞めてハンドメイドを始めた専業作家さん。

仕事をしていた頃と比べて、収入はどうなっているのか、気になるところですが……。

「最初はネット販売のみで、委託販売は去年から始めました。今のところ赤字になったのは1回だけで、美容師をしていたときよりも収入は増えています」。

最初はまったく委託販売を考えていなかったため、ネットと委託の割合は8:2ということですが、「委託を始めたことで委託先のフォロワーさんからフォローしてもらうことが増えました」と、いい相乗効果も出ているのだそう。

一方、niedlichさんは、本業のかたわら2店舗で委託販売を行なう、副業の作家さん。そのため、とにかく時間のやりくりが大変なのだそう。だからこそ、「毎月かかる場所代はプレッシャーだけれど、納品するだけで他のことをすべてやってもらえる委託販売は、今の私にピッタリ」と言います。

現在のところ黒字をキープしているものの、サイドビジネスと言えるほどの収入はないとのこと。ただ、「今は本業も楽しいので、自分の好きなこと、“生きがい”として大切にしていきたい」と言い、副業としてきちんと売り上げることが目下の目標だそうです。

DOLCE MARTINさんは10年以上作家活動を続けている、HATTIFNATTでも人気のあるベテラン専業作家であるとともに、“がんサバイバー”という一面ももっています。

手術を経た現在は、体調と相談しながら無理のない範囲で作家活動を行なっていますが、「悲しみで先が見えなくなったときに、好きを貫いて、続けて、育てたものが自分の生きがいになって、自分を救ってくれた」そうです。

そして「家にいながらでも制作できること、作品が完成したときの達成感や売れたときの喜び、自分の作品を好きでいてくれるお客様や委託販売先とのつながりも全て、未来の希望になる」と教えてくれました。

それぞれ目指すところは違うけれど、皆さん今を楽しみながら“ハンドメイド作家”という職業をされていることが、うらやましく感じました。

細部までこだわった世界観の店内

自分の目的を明確にする

今回の取材を通して感じたのは、ネットで買うことができても、実際に手にとってみたいという人が多いということ。一昨年からのコロナ禍でマルシェやイベントなどが軒並み中止になり、その機会が少なくなっていることを考えると、委託販売にトライしてみるのは有効だと思いました。

細部までこだわった陳列方法は必見!

毎月出店料がかかったり、最低の契約期間が決まっているなどの制約はありますが、時期によって、また客層によってどう対応していくかなど、スタッフに相談しながらビジネスの勉強をするにはピッタリ。

そのためにも、自分に合った委託販売先を見つけることが大切。座談会でも皆さんが言っていたように、実際に店舗を見に行くことはマストと言えそうです。その際、気をつけるポイントは

  • お店の雰囲気や客層が自分の作風と合っているか
  • 価格帯が見合うかどうか

さらに自分の苦手とすること、例えばSNSでの発信や購買層のリサーチなど、独自のサービスが行なわれているかということも、チェックポイントに加えるとよさそうです。

(台紙のこだわりも重要!)

また、自身の経験からDOLCE MARTINさんは「予期せぬ病気やケガに見舞われたり、出産・育児でブランクが空いてしまったときに、自分のタイミング、自分のペースで出品できるという意味で、ハンドメイド作家という職業がビジネスの選択肢のひとつにあってもいいのでは」と言います。

“好きを仕事にする”ことを考えるとき、私たちは収益のみで結論を出しがちですが、 “人生を楽しむ、人生を豊かにする”という視点を取り入れてみると、一歩を踏み出すハードルが低くなるのかもしれません。

次号に続く。

取材/I am 編集部
写真/元家健吾
文/岡田マキ


この記事を書いた人

岡田 マキ
岡田 マキライティング
ノリで音大を受験、進学して以来、「迷ったら面白い方へ」をモットーに、専門性を持たない行き当たりばったりのライターとして活動。強み:人の行動や言動の分析と対応。とくに世間から奇人と呼ばれる人が好物。弱み:気が乗らないと動けない、動かない。
この記事をシェアする
  • LINEアイコン
  • Twitterアイコン
  • Facebookアイコン