SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室おしゃれ写真と写真下手の違いは「色の数」⁉︎ たったコレだけでスタイリング力アップ!
料理写真だけに限らず、頑張っているのに下手くそに見える写真の共通点は「色数の多さ」です。可愛くしたい、カラフルにしたいとき、どうしたらいいのでしょうか?
プロフィール
カメラマン・撮り方コンサルタント田部信子
「スタイリング、頑張っているのになんか格好よくならないんです」
と相談されることが多くあります。
スタイリングの失敗あるあるは3つ。前回は「主役と壁が近すぎる問題」についてお伝えしました。
2回めの今回は、「色を使いすぎる問題」をお伝えします。
【写真で丸わかり】スタイリングが苦手な原因は色の使いすぎにあった
目次
before カラフルすぎて料理に目がいかない
今回は焼きりんごの写真を撮っていこうと思います。
スタイリングが苦手な人によくあるのがこちら。スタイリングを頑張ろう!と思うあまり、色々な色のものを画面に入れてしまった結果、肝心のお料理が目立たなくなっているケース。
テーブルクロスやペーパー、お皿にカトラリー。今は可愛いものが沢山売っているので、ついつい使いたくなってしまいます。ひとつひとつは素敵なものなのですが、全体として色の数が多すぎて肝心の料理に目がいきません。今回はここから少しずつ色を減らして、写真がどう変わるかを見ていきたいと思います。
まずは「ズームして離れて」撮ってみる
色数を減らす前に、まずは料理写真のキホン。「ズームして離れる」からやっていきましょう。
写真の中の歪みを取り除くためにズームアップします。スマホのカメラアプリにある[x2]、もしくは[x3]のボタンをタップするか、2本指でピンチアウトして少し拡大してください。その後、自分が少し後ろに下がって、撮ってみます。
先程よりは写真が安定してきました。可愛い写真ではありますが、焼きりんごには目が行きません。
今回の主役は焼きりんごなので、そこに目が行くように変えていきましょう。
色数を抑えて主役を目立たせる
まずはお皿の下に敷いてあった青色やオレンジ色が入ったペーパーを取り除きます。
これだけでも少しすっきりしましたね。しかし、まだこのテーブルクロスの上だと、焼きりんごに目がいきません。
AFTER 焼きリンゴの赤がテーマに
そこで、テーブルクロスを取って、茶色のテーブルトップで撮影をすることにします。
赤✕白✕茶✕青、でシンプルになりました。茶色の天板の上で焼きりんごの赤が映えますね。
コーヒーと天板と煮たりんごの茶と白が冬っぽさを演出してくれます。白は色数にカウントされないので、赤、茶に青いお皿が差し色になっています。
今回スタイリングするにあたって考えたのは、「焼きりんごに目をいかせる」ということです。紅玉とはいえ、焼くと皮の赤はにぶい色になります。焼きりんごの皮の赤と中身の黄色。それを最大限引き立てるにはどうしたらよいか。
そもそもスタイリングは、あくまで主役である料理を引き立てるためにあるもの。やみくもに色々な色を使わず、その料理を一番引き立たせるのはどんな色かをまずは考え、その同系色をベースにスタイリングを考えてみましょう。
スタイリングする時に色々な色を使いたくなる気持ちは痛いほど分かります。でも色の組み合わせは実はとても難しいんです。プロのスタイリストさんは、上手に色を組み合わせていきますが、あれはプロとしての知識と経験があってのこと。私はスタイリングのプロではないわ、という場合は、できるだけ色数を抑えることを考えましょう。
おまけ 焼きリンゴの色だけ目立たせる
最後に、もっと色数を減らしてみます。カトラリー、コーヒーカップ、ケーキ皿をすべて黒系にしてみましょう。黒いお皿に統一したことで、さらに料理に目がいくようになりました。
黒と対比すると、少しぐらい鈍い色でも映えます。焼きりんごも黒の上に乗せれば、皮の赤が映えるのではないか、と思いました。そこで、お皿は黒にして、白いアイスクリームを添えることで、更に焼きりんごが引き立つようにしました。
おさらい
今回、スタイリングがうまく人が陥りがちな落とし穴の2つ目。「色を使いすぎる問題」について解説しました。
◎撮影する料理が一番引き立つ色は何色かを考える
◎その色を中心に、できるだけ3色以内に色数を抑える
◎基本はベースになる色を決め、その同系色で構成するのがオススメ
執筆/料理カメラマン・田部信子
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この記事を書いた人
- カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。