SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室料理写真が下手な人の「3つの共通点」。でも簡単に解決できる!
頑張って写真を撮ってるわりには、いまいちいけてる写真が撮れない。そんな悩みを抱える人のための「下手くそ写真」あるあるベスト3です!
プロフィール
カメラマン・撮り方コンサルタント田部信子
「料理写真が苦手です」っておっしゃる方の写真を拝見していると、3つの共通点があることに気が付きます。それは
①シーリングライトなど、上から当たる光で料理を撮っていること
②スマホのカメラアプリを立ち上げたそのままの状態で撮っていること
③カメラを斜めにして撮っていること
逆を言えば、この3点を修正すれば写真が一気に良くなります。
ひとつずつ説明するので、是非やってみてください。
目次
料理写真NGポイント①上から当たる光で料理を撮っている
料理写真が苦手な人によくあるのが、この写真のようにキッチンやダイニングの天井の電気の光で料理写真を撮っているもの。下図のような状況ですね。
真上からの光で撮っていると、
・料理にスマホの影がかかってしまう
・料理全体に同じ量の光が当たってのっぺりしてしまう
という問題点があります。
この一枚だけ見ていると分かりづらいと思うので、同じカレーを「部屋の電気を消して」「窓際で」撮った写真も見てみましょう。
こちらの方が美味しそうに見えないでしょうか?この写真は下図のように窓辺のテーブルで撮ったものです。
このように料理写真を撮るときは、電気の真下で撮ることは避け、外が明るい場合は部屋の電気は消して窓辺で撮ってみましょう。
料理写真NGポイント②カメラアプリを立ち上げたままの状態で撮る
料理写真が苦手な人によくあるのが、同じサイズのものを2つ並べているのに手前と奥のものの大きさが違ってしまう写真。
これは、スマホのカメラアプリを立ち上げたままの状態で撮っているから起こる現象です。絵に「歪み」が出てしまうために、2つのお皿の大きさが違うように写ってしまうのです。
ここで大事なのが、『ズームアップして離れる』ことです。
では、実際にズームアップして離れてみましょう。
ズームアップすると、歪みが撮れるので見た目と同じように両方のカップの大きさが同じに見えますね。
スタイリングが下手なんです、などとおっしゃる方の写真を拝見すると、大抵このような歪みが出ています。スタイリングを考える前に、まずは歪みのない写真を撮ることを心がけましょう。それだけでぐっと写真は良くなります。
具体的な方法は2種類。
レンズが2つか3つ付いている方で、カメラアプリを立ち上げると以下のように[✕2]や[✕3]などのボタンがある方はそれを押してください。
レンズが1つの場合や、2つ付いていても[✕2]というボタンがない方は2本指で画面を広げるようにピンチアウトしてズームアップしてみてください。
ズームアップすると料理が画面いっぱいになりますが、その時はそのまま自分が離れてください。
合言葉は『ズームして離れる』です。
料理写真NGポイント③カメラを斜めにして撮っている
料理写真が苦手な人によくあるのが、この写真のように斜めに撮る写真です。
「え?斜めってだめなんですか?」という声が聞こえてきそうですが、いい斜めとやめた方がいい斜めがあるんです。下の図を見てください。
①はワインのボトルとグラスを正面から撮ったもの
②は同じワインのボトルとグラスを、斜めの位置から撮ったもの
③は同じワインのボトルとグラスを、カメラを斜めに傾けて撮ったもの
①のようにまっすぐに撮るとワインボトルとグラスの間隔が空いていますが、②のように斜めから撮るとボトルとグラスが重なるので斜めの位置から撮る良さがあります。この場合の「斜め」は『良い斜め』です。
しかし、③のようにカメラを傾けてしまうと、写真の中での水平線が傾いてしまい、ボトルとグラスが滑って落ちていきそうな不安定感が出てきてしまいます。
そのような効果を意図的に出したい場合を覗いては、あまりやらない方が良いでしょう。
先程のジュースも真っ直ぐにするだけで、安定感が出てきます。
水平線をきちんと真っ直ぐに撮るためには、目安として画面に『グリッド線』を出しておくと便利です。
iPhoneの場合は、[設定]-[カメラ]-[グリッド]をオンにすると、上の写真のように薄い縦横の線が画面に出てきます。この線を基準に水平になるように気をつけてみましょう。
Android系のカメラアプリをお使いの方は、アプリの設定画面で「グリッド」の設定ができるものが多いです。是非探してみてください。分からない場合は、ご自分スマホの機種名と「グリッド」で検索して設定の仕方を見つけてください。
おさらい
今回、料理写真が苦手な人がやりがちな3つのことをまとめてみました。
◎上から当たる光を使わず、窓から入ってくる自然光で撮る
◎スマホのカメラアプリを立ち上げたそのままの状態で撮らず、『ズームして離れて』撮る
◎カメラを斜めにせず、必ず水平線がまっすぐになるように気をつけて撮る
この3つを守るだけでも随分と写真が良くなるはずです。是非やってみてください。
今回例に出したカレーやゼリーやジュースの写真はどれも途中経過です。最終的にどのような形になるかは過去の記事から見てみてください。
執筆/料理カメラマン・田部信子
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この記事を書いた人
- カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。