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SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室ゼリーが美味しそうに撮れません① 透明なゼリーが見えない

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シャインマスカットのゼリー

夏のスイーツの定番、ゼリー。写真マスカットと真っ白なムースが爽やか!ですが、撮影あるあるの「シャインマスカット目立ちすぎ」問題。さらにサイズ感もめちゃくちゃ!どうしたらいい?

こう暑い日が続くと、透き通ったゼリーとか食べたくなりますね。そう思ってゼリーを撮ってみたんですが、もうちょっと透明感出したいんですよね。

なるほど。kikkoさんの考えるゼリーの美味しいポイントってどこかしら?

そうですね。まず透明感かな。あとは夏なので爽やかな感じも大事ですね。鮮やかな感じも欲しいですね。

透明感、爽やかさ、鮮やか。そんなところですね。いいですね。
撮る前に、自分のイメージをしっかり作っておくとゴールにたどり着きやすいです。では、そこをスタート地点として考えていきましょう。

Before 〈窓際で撮ったゼリー〉

この写真の問題点は以下の2点。

  • 本当は寸胴型のグラスなのに、上部が広がった形に見える
  • 透明なゼリーが写っていない

今回はこの2点を解決していきましょう。

プロの常識1 〈ズームしてグラスの形をきちんと写す〉

料理を撮る場合にスマホのカメラアプリを開いてそのまま撮ると、上のような写真になってしまいがちです。料理写真を撮る時はカメラアプリを開いた状態のまま撮るのはNGです。ひと手間かけることで歪みのない写真を撮ることができるのでやってみましょう。

プロのテク1 〈料理写真はズームして離れて撮る〉

  • 写したお皿やグラスの形が歪んで見える時
  • 前後のお皿やグラスの大きさが違って見える時

そんな時は2本指でピンチしてズームするか、「✕2」や「✕3」というボタンがある場合はそれをタップしてズームしてください。ズームの方法など詳しいことは連載の第一回『生活感はどこに出る?』を読んでください。

ズームすると形が綺麗に見えることが分かると思います。また、手前のグラスと奥のグラスの大きさが同じだということも分かります。

プロの常識2 〈ゼリーの透明感を出すには撮る場所を変える〉

この写真を見ると白いムースの上にただマスカットが乗っているように見えますね。でも実はマスカットを透明なゼリーで固めているんです。この写真ではそれが分かりません。

こういう透明なものを撮る場合、ゼリーに対して光をどこから当てるかがとても重要になります。

窓からの光で撮る場合は、窓に対してどこに立って撮るか、ということです。

プロのテク2 〈光の当たる方向でゼリーの透明感を見せる〉

どの位置から撮ると透明感が出てくるのかを、3つの場所で撮った写真で比較してみましょう。

窓を背にして立つ

この写真は以下の図のような状態で撮っています。

グレーの線を窓とした時、窓を背に立って、テーブルの上にあるゼリーを撮っています。ゼリーの正面から光が当たっている状態です。見た目にはとても明るく見えるのでこの方向から撮る人が多いのですが、実はこの撮り方は料理写真には向きません。

この位置から撮ると以下のようなことが起こりがちです。

  • 自分の影が入る
  • 立体感のない写真になる

窓を横に見て立つ

窓を横に見て立って撮ってみます。こんな感じです。

この状態で撮ると、このように写ります。

先程よりは、少しゼリーがあるのかな?ぐらいになってきました。でも、まだゼリーだということが伝わりづらいですね。

そこで、もうちょっと撮る位置を変えてみます。

窓に向かって立つ

窓に向かって立って撮ると、こんな写真になります。

実際にはこんな形で撮っています。

ここにきてやっと、表面にゼリーがあることが写ってきました。今回のようにゼリーを写したい場合は、この「窓に向かって立って撮る」形が1番良さそうです。

After 〈表面にゼリーがあることが分かる〉

ズームして、窓に向かって立って撮ると、このような写真になりました。

最初は全然ゼリーがあるって分からなかったんですが、こうやってみるとはっきり分かります。撮る方向でこんなに変わるんですね。

はい。これでまずはゼリーの透明感は写せました。次は、最初にゼリーのイメージにあった、爽やかさ、可愛さ、鮮やかさをどう写すか考えていきましょう。

おさらい

◎食べ物を撮る時は、まずズームして離れて撮る

◎ゼリーの透明感を出すには窓に向かって立って撮る

この記事を書いた人

田部信子
田部信子料理カメラマン
カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。

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