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SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室クリームソーダが美味しそうに撮れません① アイスが溶けてしまう

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夏の人気メニュー、クリームソーダ。レトロ喫茶ブームも手伝ってクリームソーダは夏のビジュアルの必須アイテム。作るのは簡単ですが、写真を撮るのは至難の技。炭酸とアイスクリームの相性が食すにはいいけど撮影には向かない!どうしたらいい?

暑い日が続きますね・・・。こんな時はクリームソーダみたいな爽やかなものを撮りたい〜と思ったのですが・・・。いざ撮ってみると、アイスは溶けてしまうし、想像と違う写真ができてきたんですが。どうやったらいいんでしょうか。

クリームソーダは難しそうですね。そもそも、アイスを撮るのって難しいんですよね。すぐ溶けるし。それに加えて、炭酸の泡も消えちゃいけないし、さくらんぼも上に乗せなくちゃいけないし。かなり難易度高いですよね。

やっぱりそうですよね。アイスが沈むから、なんとかしようといじってるとソーダが溢れてくるんです。しかも、さくらんぼをアイスの上に乗せようと思っても、撮る直前で落ちちゃったり。色々いじっているうちに、今度はどんどんアイスが溶けてくる・・・。もう、大変なんです。

これはしっかり準備をして、一気に作って一気に撮る!それしかないですね。

Before 〈アイスが溶けて、清涼感のないクリームソーダ〉

急いで作って撮ってはみたものの、調整をしている間にみるみるアイスが溶けてしまう・・・。

プロの常識 〈アイス系は準備をしっかりやって一気に作る〉

アイスの撮影はチャンスは一瞬。その一瞬のために、しっかり準備をすることが大切です。

クリームソーダといえば、『旅するクリームソーダ』(tsunekawa著 ハーパーコリンズ・ジャパン)の「クリームソーダ職人」さんが有名ですね。彼のYoutubeなども見て、今回どうやって作れば失敗なく作れるかを研究してみました。

プロのテク 〈パーツを事前に準備する〉

まずは、下準備からやっていきましょう。

まず、アイスは事前にアイスディッシャーやアイススクープですくってから、冷凍しておきます。

丸くすくった状態は、ある程度溶けているので、クリームソーダを作りながらアイスをすくって乗せると、すぐに溶け出してうまく写真が撮れません。また、私を含め素人はアイスクリームを綺麗にすくうにも結構時間がかかります。その間に氷が溶け、炭酸が抜けてしまうことも考えると、事前に準備しておく方が良いでしょう。

アイスディッシャーの直径とグラスの直径も重要になってきます。

アイスディッシャーの直径とグラスの直径が一緒だと、さくらんぼを上に乗せるしかありませんが、グラスの直径が大きい場合は横に添えることもできます。

どちらの形を撮りたいかによって、グラスとアイスディッシャーの種類は選びましょう。

すくったアイスは、容器にサランラップを敷いた上で入れておくと、取り出しやすいのでオススメです。

次にさくらんぼに細工をします。

アイスの上にさくらんぼを安定させるのは至難の業。ここでは爪楊枝を半分に折って、それをさくらんぼの底に刺しておきます。

できあがりを想像して、さくらんぼの軸をどっちに向かせたいかを考えた上で、良い場所に刺しておきましょう。

さて、いよいよクリームソーダの組み立てです。

クリームソーダは出来た瞬間に撮りたいので、撮影場所で作っていきます。

まずは、撮影場所にグラスを置いてテスト撮影をしておきましょう。

とはいえ、ソーダ液がこぼれてしまって下地を汚してしまっては元も子もありません。しっかりトレーなどでカバーすることを忘れずに。

撮影場所の近くには

  • 計量したシロップ
  • 氷(少し多めに用意しましょう)
  • 炭酸水
  • アイス
  • アイスを取り出すためのフォーク2本
  • さくらんぼ
  • コースター
  • おしぼり

を用意しておきましょう。

クリームソーダを撮る時は、撮影場所でセッティングをします。

では、ここから実際に組み立てていきます。

まずはメロンソーダのシロップから入れていきます。

クリームソーダを作る時、予めシロップと炭酸水を合わせておく方法と、シロップを先に入れて、その後で炭酸水を注ぐ方法とがあります。今回は透明感を出したいのと、シロップにグラデーションをつけたかったので、シロップを先に入れ、その後に炭酸水を入れることにします。

クリームソーダのシロップにグラデーションをつける

次は氷を入れていきます。

アイスは浮かせるわけではなく、氷の上に乗せます。そのため、氷はグラスの縁のギリギリまで入れましょう。

クリームソーダの氷は上まで入れる

炭酸水を入れると、氷が溶けるので、少し余分に用意しておきます。

この上に炭酸水を注いでいきます。

クリームソーダの炭酸水の量は重要

炭酸水を注ぐ量は、コップの縁から2cmぐらい下を目安にします。

この後、氷を追加するのと、アイスを乗せるとその重さで液面が上昇します。

ここでギリギリまで炭酸水を入れてしまうと、アイスを乗せた時にソーダ液が溢れてしまうので注意してください。

クリームソーダの上の部分は平らにする

コップの縁ギリギリにアイスを乗せられるよう、氷を追加して、上の部分を平らにしておきます。

クリームソーダの本体完成。

事前に作っておいたアイスを、2本のフォークで両側から挟み、そっと氷の上に乗せます。

クリームソーダの仕上げ。アイスの上にさくらんぼを乗せる

最後に、カメラから見て良い角度になるようにさくらんぼの下に刺した爪楊枝をアイスに差し込み、出来上がりです。

After 〈アイスが溶けない、クリームソーダの出来上がり〉

下のトレーをどかして、コースターに乗せたら出来上がりです。

クリームソーダの完成写真

わぁ!きちんと綺麗なクリームソーダが撮れました!

この状態は1分前後しかもたないので、できたらすぐに撮りましょうね。

ただ、これだとちょっと商品写真っぽいですよね。
できたら、SNSとかで「今日はクリームソーダで爽やかティータイム♪」的な感じが欲しいんです・・・。欲を言えば、ちょっとレトロな感じとか。家の中で撮った感じとか。雰囲気のある写真が良いんですが・・・。

なるほど。確かに、これだと商品写真っぽいですよね。では、次回は家っぽい感じを出して撮ってみましょう。

おさらい

◎クリームソーダは1分が勝負。準備を入念にしよう。

◎出来上がりから逆算して準備をしよう

この記事を書いた人

田部信子
田部信子料理カメラマン
カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。

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