SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室クリームソーダが美味しそうに撮れません② 今っぽくありません
薬味やつゆ、たれなど付け合わせのお皿が多くなる料理写真はごちゃごちゃしがち。どうしたらスッキリする?写真下手なライターkikkoが料理カメラマンnocco先生に教えてもらいます。
前回、すごく綺麗なクリームソーダは作れたんですが、どうも商品写真っぽいんですよね。できたら「今日の息抜きはクリームソーダで!」という感じでSNSで投稿したいんです。できれば、ちょっとレトロな感じのクリームソーダになると嬉しいんですが。
レトロって言うと、やっぱり背景は白いテーブルではないですね。
はい。濃い茶色のテーブルの上に置くイメージです。古いカフェのテーブルとか、仕事の机とか・・・。
では、仕事用のデスクがちょうど暗い色なので、そこで撮ってみましょうか。
目次
Before 〈商品写真のようなクリームソーダ〉
白い板の上、しかも背景になにもないと商品写真っぽくなります。
プロの常識 〈イメージは背景から作る〉
写真のイメージは背景で大きく変わります。今回はレトロっぽい感じを出したいということなので、濃いめの茶のテーブルの方が良さそうです。
プロのテク 〈イメージに合った背景を用意する〉
では場所を移動して、茶色いテーブルの上に置いてみましす。今回は「仕事の息抜き」というイメージでいきたいとのことなので、背景には本やPCなどをそのまま置いておきます。
実際に置いてみると、背景の本など、かなり目立ってきます。ここの印象をもう少し薄くしたいですね。
背景の印象を抑えるための方法は2つあります。
- 背景をボカす
- 背景を暗くして目立たなくさせる
今回はこれをひとつずつやってみましょう。
①背景をボカす
連載の#16『背景をボカしておしゃれに!』でもやったように、「ポートレートモード」を使うと、背景がボケて目立たなくなります。
今回も、この方法をやってみましょう。
まずは、この写真のように、標準カメラで「ポートレーㇳ」を選びます。
今この状態では、それほどボケていませんが、一旦このモードにしておけば大丈夫です。どの程度ボカすかは、後で調整しましょう。
②背景を暗くして目立たなくさせる
この場所は、画面の左上方に窓があります。壁際は影になっていて、クリームソーダを置いてある辺りだけ光が逆光めに当たっています。この場合、全体的な明るさを落としていくことで、壁際はより暗くなり、クリームソーダは若干暗くはなるものの、逆に色がしっかり出てきます。
では、背景が目立たなくなるまで、全体の明るさを暗くしていきます。
この写真のように、左にある「>」のマークをタップします。
右側に「±」のマークが出てくるのでタップすると、上の写真のように数値を変えることができます。
通常、iPhoneの標準カメラでは、ピント位置をタップして、太陽マークを上下に動かすことで明るさを変えることができますが、そのやり方だと、1枚撮るごとに設定がリセットされてしまい、同じ写真を何回も撮る場合には毎回明るさをセットしなければいけません。
一方、この「±」ボタンで明るさを変えると、この後何枚写真を撮っても、ここで決めた明るさで撮ることができます。何枚も同じ設定で写真を撮りたい場合は、こちらの機能を使う方が便利でしょう。
今回はクリームソーダがギリギリ暗くなりすぎないところまで暗くしていきます。様子を見ながら調整をしていきます。「-1.3」まで暗くすると、背景は暗くなりつつ、クリームソーダはギリギリの明るさになりました。
After 〈シックな雰囲気のクリームソーダ〉
背景が暗くなったことで、レトロな感じが少し出ました。また、本やPCなど普段遣いの机の様子が背景に入ることで、商品写真っぽさは消えたのではないでしょうか。
そうそう。こんな感じが撮りたかったんです。それにしても、結構暗くするんですね。
はい。クリームソーダの明るさが暗くならない程度に様子を見ながらやってみましょう。
いつもは明るく調整することばかりやっていましたが、暗くすると良い時もあるんですね。
そうですね。では、後はボケ感の調整や最後の仕上げを次回やっていきましょう。
おさらい
◎イメージに合わせた背景を選ぼう
◎背景を目立たせたくない場合は、ポートレートモードを使ってみよう
◎シックな感じにしたい場合は、明るさを暗くしてみよう
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この記事を書いた人
- カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。