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活躍しているフリーランス、たった一つの共通点は「ご縁」

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「活躍しているフリーランサーは、初めから夢・目標・スキルがあるのだ」と感じてしまいがち。しかし決してそうではありません。あるものを大切にしたことで自分だけの道を切り開くことができたのです。

会社員や公務員は、雇用と同時に役割と仕事を与えてもらえます。しかし、フリーランスは自分自身で仕事を探さないといけません。

フリーランサーは、どうやって自分の道を切り開き、そこで仕事を獲得すればいいのでしょうか。

これまで「好きと得意を仕事にしている I am な人」としてインタビューさせていただいた大勢の中で、活躍しているフリーランサー達が発した言葉を丁寧に読み返しながら、あるひとつの共通点があることに気づきました。

フリーランス成功の秘訣は「ご縁を大切に温める」

ご縁
Adobe Stock

その共通点とは、ご縁です。

好きと得意を仕事にしているフリーランサー達は、ご縁を大切に温めていました。

ご縁を大切にするのは、会社員であっても同じだと感じる方も多いでしょう。確かに、社会生活のすべてにご縁は存在します。

しかし、会社員や公務員には自分に与えられた職務があり、その枠内での振り幅に収まりがち。一方、フリーランスが進むことができる道筋は果てしなく自由。業務内容も、働く場所も、お客様も、いただいたご縁を大切にしながら、自分の道を切り開いているのです。

趣味の活動で得たご縁が仕事に繋がった【消しゴムはんこ作家 津久井智子】

津久井智子
津久井智子(本人提供)

津久井智子さんは、消しゴムはんこ作家。「はんこや象夏堂」の屋号で、オーダーメイドで消しゴムはんこの受注制作をおこなっています。消しゴムはんこづくりは中学生の頃からの特技で、それが天職に結びつきました。

津久井さんが大切にしたご縁は「趣味活動での出会い」。

大学卒業後、アルバイトをしながら漫画家を目指していました。しかし思うようにいかず、手が届かない遠い夢のような現実に直面していたのです。

趣味で続けていた消しゴムはんこづくり。それを知っていた友人から、「お店でイベントをやるので、何か手作りのものを出品してくれない?」と声をかけられ、消しゴムはんこの販売に挑戦します。それをきっかけに口コミが広がり、オーダーメイドの依頼をいただいたり、本を出す機会をいただいたり、挿絵の仕事が舞い込んできたりするようになったのです。

ふと気づけば、漫画家はそっちのけで、消しゴムはんこ屋さんの道を無我夢中で切り開いていました。

津久井智子さんは言います。「何かを始めて動いていると、次の流れがやってくる。あとはそれに乗るか乗らないか」。行きつけのバーのマスターに仕事を紹介していただいたり、友人のカフェで出店したときに出版社の方に声を掛けてもらえたり、公園のイベントに出たらNHKの方に声をかけられテレビ出演することになったり、いろいろな流れに遭遇しました。

仕事以外の自由な行動も周囲からは見られていて、思いがけずそれがライフワークになることもあるのです。

「偶然隣にいる人との出会い」を大切にして仕事を掴む【コラムニスト エマちゃん】

エマちゃん

エマちゃんは、Twitterフォロワー数10万人を超える謎の人妻インフルエンサー。独自の恋愛論や美容情報を中心に発信しています。

雑誌やウェブなど複数の媒体で恋愛コラムも執筆し、著書『愛され革命』(大和書房)も出版。真を突いた内容と、厳選された嘘偽りのない情報が、若い女性を中心に人気を博しています。

エマちゃんが大切にしたご縁は「偶然そばにいる人」。

高校卒業後は大学に進学せず、いきなりフリーランスとして夢を追いかける道へ。しかし、好きなことをしても十分な収入に繋げることができず、仕事の内容を模索します。10代後半から20代は、社会人としての自分を成熟させるため、いろいろな人に積極的に会いに行きました。

エマちゃんは、異業種交流会や朝活などで、たまたま隣に座った方に関心を持つことを意識していたといいます。その日のご縁を大事に扱うことで仕事が好転しはじめたのです。偶然出会った相手から「また会いたいな」と思われるようご縁を大切にするうちに、「こんな仕事があるよ。やってみない?」と声を掛けられるようになり、自然と仕事が集まってきたのです。

編集者の言葉をきっかけに、自分だけのスタイルを確立【吹奏楽作家 オザワ部長】

オザワ部長(撮影:田尻陽子)

オザワ部長は、早稲田大学第一文学部を卒業後、就職せずにフリーランサーになりました。フリーランス歴は25年以上。「世界にただ一人の吹奏楽作家」として活動しています。

オザワ部長が出会った人生を変えるご縁は「編集者からの言葉」。

自身の「文章を書くのが好き」を活かして、フリーライターとして仕事をスタート。雑誌をメインに、幅広いジャンルで記事を執筆しました。しかし、書くことは好きだけど「自分はこれだ!」という仕事の柱がなく、「このままでいいのかな?」と満たされない気持ちを抱えながら日々を重ねます。

そんな折、ある編集者から

「吹奏楽部の『あるある本』を作ろうと思うので、吹奏楽部経験者のライターさんがいたら紹介して欲しい」

ある編集部の方から相談を受け、「私、吹奏楽やっていましたよ!」と返答。

吹奏楽に携わっていたのは中学校の3年間という短い期間でしたが、それをチャンスと捉え、吹奏楽を柱とした作家への道を歩みはじめたのです。書籍が『あるある吹奏楽部』というタイトルだったので、ペンネームもそれに合わせて部活っぽくオザワ部長に変更。個性をプラスした自分だけの仕事のスタイルが確立できました。

他者・他所からのご縁を活かし、I am な人を目指そう

パズルを組み合わせてハートを作るとこと

すでに活躍しているフリーランサーを眺めていると、初めから夢や目標、それにスキルがあるのだと感じてしまいがちです。

しかし、決してそうではないのです。

これからフリーランスになろうと考えている方は、ジャンル選定・必須スキル・ギャラなどにまずは目が行きがち。でも実際は、多くの方がはじめから上手くいっていたわけではありません。モヤモヤとした想いを抱えていたり、試行錯誤したりする中で、他者・他所からいただいたご縁をきっかけに、自分の道を切り開いているのです。

もしあなたがフリーランスになりたくてアドバイスを受けたいのであれば、「この人にはどんなご縁があり、どのようにそれを活かしてきたのだろう」という視点で話を聞くと、何か思いがけないヒントが得られるかもしれません。

この記事を書いた人

北野 啓太郎
北野 啓太郎ライター
文章、写真、動画を駆使したWebコンテンツ制作が得意なフリーランサー。会社員時代に始めたブログがきっかけでヘッドハンティング。レゲエ専門メディアの編集長を経て、独立しました。強み:初対面の方と何時間でも話せる。インタビューも好き。弱み:打たれ弱い。

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