フリーランスで小さくスタート!「食」に関わる仕事に向く人・向かない人
好き、大好き! 好きすぎる! 活躍中の8名からお話をうかがい、そこから見いだした3タイプの感情をお伝えします。起業のヒントに。
起業する際、「何を売ろうか」「お客は誰か」「収益構造は」といったビジネスモデルから考える方がいる一方で、まったく違う切り口から自分の道を切り開く方々もいます。
その切り口とは、感情。
今回は「食」をテーマに、フリーランス・副業で活躍している8名のお話をうかがい、そこから見いだした3タイプの感情をお伝えします。
目次
【ラブ】大好きすぎて仕事になっちゃった?
まず最初の特徴は「ラブ」です。
ここでご紹介する方々は、「さぁ、食にまつわるビジネスをやろう!」という気持ちで始めたのではなく、「大好き!」な気持ちをどうしたらビジネスにできるのだろう……と熟考を重ね、自分なりのビジネスを展開している姿が浮かび上がってきました。
そんな3名の「I am な人」をご紹介します。
【市川歩美】好き × 得意で、日本初のチョコレート専門フリージャーナリストに
市川歩美さんは、日本初のチョコレート専門のフリージャーナリストです。放送・出版媒体に情報提供したり、記事を書いたり、お話をしたりし、あらゆる方法でチョコレートとカカオについて情報発信しています。
市川歩美さんは、チョコレートが大好きです。子どもの頃から大人になるまでずっと好きで、前職の放送局勤務時代もチョコ好きとして知られ、今も毎日チョコレートを食べているほどです。チョコレートがあまりに好きすぎて、それを仕事にできないかと考えました。
そこで、得意である「人に伝える」と組み合わせ、チョコレート専門のフリージャーナリストという前例に無いポジションを確立させたのです。好きを仕事にするには「好き × 得意」の組み合わせが大切とのこと。
【サンツォ】Instagram「ベランダ飯」でフォロワー10万人超
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サンツォさんは会社員のかたわら、アフィリエイトで毎月100万円以上の副収入を4年以上キープし続けている副業ブロガーです。
サンツォさんには、コンプレックスがありました。それは「食べることが好き」ということです。食べることが好きであるがゆえに太ってしまったり、ダイエットしなきゃいけないみたいな悩みがあったりして、プラスになることはありませんでした。
そこで、そのコンプレックスをマネタイズできないかを考え抜き、Instagramで「ベランダ飯」に特化したアカウントを展開したのです。フォロワー数は10万人を超え、レシピ本『なにこれ!うまっ☆ 上手に手抜き! マネしたくなる 365日キャンプ飯』(KADOKAWA)が出版され、さらに「あさイチ」「ZIP!」「男子ごはん」などのTV番組にも出演。
こうして「食べることが好き」を、仕事にすることができました。
【トラノコク】好きの気持ちが何より大事、空想の喫茶店をクリエイト
トラノコクさんは、自分たちの好きな世界観をSNSで発信するクリエイター集団です。「子供のころ夢みたおやつ」「どこか懐かしいごはん」など、実店舗を持たない空想の喫茶店を写真や映像でクリエイトしています。レシピ本『空想喫茶トラノコクのおうち喫茶レシピ』(ワニブックス)、『おうちで楽しむお菓子の本』(エムディエヌコーポレーション)も出版。
最初から仕事にしたいと考えいたわけではなく、趣味の延長線上ではじめました。何より大事にしているのは「好き」という気持ち。
その上で「自分たちが思う良い世界」「好きだと純粋に思うもの」を発信。結果、同じように好きと言ってくれる人が集まってきたのです。
【ネガティブパワー】辛い時こそ最強のパワーが生まれる?
次の特徴は「ネガティブパワー」です。
辛い状況や悲しみから脱するために、「食」をテーマに起業。どん底であっても、それを力に変えて克服しようとする姿はかっこいいですね。
そんな2名の「I am な人」をご紹介します。
【彼女】失恋の悲しみを乗り越えるため、お金・人脈・土地無しから一念発起
彼女さんは、東京都世田谷区でカレーライス専門店「彼女のカレー」を経営しています。起業のきっかけは失恋……。
当時付き合っていた彼がカレーが好きで、彼女は彼のためにカレーをつくっていました。しかし失恋し、その辛さを忘れるために、「彼女のカレー」という名前でお店を始めたのです。と言っても、最初はお金もなく、人脈もなく、土地もない状態。
店舗の間借りからスタートし、クラウドファンディングで資金を集め、自分の実店舗を構えるまでにいたりました。失恋という悲しみを前向きなパワーに変え、自分の道を切り開いたのです。
【宮嶋望美】会社勤めにやりがいが見いだせず……人を笑顔にしたいと開業
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宮嶋望美さんは、千葉県を中心にしたコーヒーの移動販売「福笑屋珈琲FUKUMIYA COFFEE」を営んでいます。開業して2022年で11年目。
宮嶋望美さんは、大学卒業後、新卒で企業に就職します。業務はルートセールス。毎日が同じことの繰り返しで、ルーティーンを淡々とこなす日々にやりがいを見いだせなくなりました。さらに東日本大震災で、地元の福島が被災。
「辛い時こそ笑顔が必要だ!」
もしここにコーヒーがあれば、辛い方の気持ちを一瞬でも和らげたり、笑顔にできるかもしれない。そんな想いから、笑いと福をもたらす「福笑屋珈琲」と命名し、ひとりで開業しました。
【コツコツ】過去の経験にこそビジネスの種がある!
そして最後は「コツコツ」です。
つまり、これまでの経験や行動をフルに活かし、それを「フードビジネス」へと昇華させています。歩んできた人生は人それぞれ。多彩な花が開きました。
そんな3名の「I am な人」をご紹介します。
【糸原絵里香】シェアワークで積み上げた様々なスキルを活かして複業
糸原絵里香さんは、オンライン料理教室で絶大なる人気を誇る時短料理講師。
そんな糸原絵里香さん、実は立教大学大学院で臨床心理を専攻し修了するも、就職せずにシェアワークの道へと進みました。学生時代にシェアワークで、家事代行、英語指導、心理カウンセリングなどを経験し、「わざわざリセットして就職してゼロから積み上げるよりも、これまでのスキルを活かしたい」と考えたのです。
現在は、家事代行、民泊管理人、料理講師、オンラインサロン管理人など、これまでの積み上げを活かした多岐に渡る複業をしています。教えたいと学びたいをつなぐまなびのマーケット「ストアカ」では、全ジャンル60,000講座中1位を記録し、受講人数は延べ 10,000人を越えました。
【平野未佳】失敗を活かして、自分のいいサイズ感を見つけた
平野未佳さんは、予約制のお弁当屋「佳ジツ」を一人で営んでいます。
佳ジツのお弁当は口コミで広がり、予約はいつも完売。某女性誌の撮影のケータリングとしても愛用され、感度の高いお客様にも支持されています。そんな素敵なお弁当をつくる平野未佳さん、実はここに来るまでに廃業という大きな挫折を経験しているのです。
その苦い経験をポジティブに活かし、再出発。自分のいいサイズ感を見つけて、今に至りました。
【正伯和美】主婦歴30年、コツコツ貯めた貯金を55歳ではたいた
正伯和美さんは、千葉県流山市にある「季節のお菓子 Miel(ミエル)」の店主。営業日は週2回で、開店前から行列ができる人気洋菓子店です。
正伯和美さんはこれまで、会社勤めの夫を支え、2人のお子さんを育て上げてきた主婦でした。「キッチンのリフォームのために使いたい」「家族で海外旅行に行きたい」などと考えながらパートでコツコツと貯めた、いい車が1台買えるくらいの資金。
この貯金を、自分の夢の実現のために投じたのです。
あなたの中に湧き起こっている感情は何ですか?
ご紹介は以上です。
それぞれの下に設置したリンク先をクリックいただくと、インタビューなどより詳しい内容をしることができます。ぜひ、ご覧ください。
ビジネスを始めるにあたって、ビジネスモデルを考えるのは大切です。失敗のリスクを回避し、成功の可能性を高めるために。でも、借入金を投じ、人を雇って始める大きなビジネスならいざ知らず、フリーランスや副業であれば、それよりも個人が持つ感情が重要なのかもしれません。
今回は、「好き好き、大好き!」というラブな感情、「このままじゃダメだ……」というネガティブな感情、「これまでの培ってきたものを活かしたい」というコツコツ積み上げたい感情をピックアップしました。
好きと得意を仕事にするため、一歩踏み出したい方へ。
今、あなたの中に湧き起こっている感情を見出してみてください。それがあなたらしい働き方・生き方につながる、大きなきっかけになるかもしれません。
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この記事を書いた人
- 文章、写真、動画を駆使したWebコンテンツ制作が得意なフリーランサー。会社員時代に始めたブログがきっかけでヘッドハンティング。レゲエ専門メディアの編集長を経て、独立しました。強み:初対面の方と何時間でも話せる。インタビューも好き。弱み:打たれ弱い。