SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室そうめんが美味しそうに撮れません③ 食べたい!という感情が起こりません
おいしそうな料理写真に必要なシズル感。アツアツの料理なら湯気、キンキンに冷えたドリンクは水滴ですが、地味なそうめんに躍動感を与えるには?写真下手なライターkikkoが料理カメラマンnocco先生に教えてもらいます。
そうめんも綺麗に盛り付けられるようになったし、スタイリングにもかなり満足しています。もうこれでいいかな?とも思うのですが、まだなにかできるんですか?
我々プロは、1枚完成写真を撮った後、時間がある場合は別のカットを撮ることもあるんです。せっかくなので、今度は主役を変えて、動きを出したバリエーションを撮ってみましょう。
目次
Before 〈整えたそうめんを盛り付けた写真〉
プロの常識 〈別カットも撮ってみる〉
撮影していると、同じ料理でも別の見せ方をしたい、と言われることがあります。例えば今回のようにそうめんや薬味、つゆを並べただけの写真には、動きがありません。しかし、ここに誰かの手が入ってきたり、麺を持ち上げたりすると、そこに動きが出てきます。
今度は、そうめんのつゆを主役にして、動きのある写真を撮ってみましょう。
プロのテク〈「箸あげ」で動きを出す〉
テレビの料理番組で、ラーメンの麺を持ち上げている映像を見たことはないでしょうか?
「うわ〜おいしそう!」という声が上がるのはこういうシーンですよね。
このように箸で麺を持ち上げる撮影を「箸上げ」と言います。
今回はこの「箸あげ」写真にトライしてみましょう。
準備するのは、「協力してくれる誰か」か「三脚」です。
では実際に撮っていきましょう。
主役をつゆの入った器にします。
まずは主役の位置を決めます。その際、連載#14「飲み物やドリンク写真は斜めに撮るのが正解ですか?」の回でやったグリッドの線上に器の位置を合わせると構図が安定するのでオススメです。今回は、右下の線と線が交わっている交点上に器を置いてみました。
そうめんを盛った大皿を後ろに置きます。この時、「ポートレート」モードを使っていると後ろに置いたお皿がボケて、主役が引き立ちます。
ポートレートモードの使い方は連載#16「シンプルなドリンク写真は、小物使いと背景をぼかすとおしゃれになる」をみてください。
③お箸でつまむ分のそうめんを取り分け流水で整え、箸でつまみます。
④誰かに箸を持ってもらうか、三脚にカメラを設置して、つゆに軽くつけた状態で写真を撮ります。
After 〈動きのあるそうめんの写真〉
主役を変えたり動きを出したりすると、また違った写真になるんですね。1枚撮って満足せず、他にも撮り方がないかって考えるようにします。
そうですね。その料理の魅力を伝えらるにはどうしたらいいのか、ということを考えて、撮り方を工夫してみてください。
おさらい
◎主役を変えることで、違う魅力の写真が撮れる
◎「箸上げ」など動きを出すことでおいしさを伝えてみよう
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この記事を書いた人
- カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。