Series
連載

高森厚太郎の半径5メートルのビジネスモデル#06 「個の時代」に備えて会社員が今考えておくべきこと

会社員として毎月安定した給料をもらいながら、リスクなく今できることについて解説します。

プロフィール

プレセアコンサルティング代表取締役パートナーCFO高森厚太郎

プレセアコンサルティングの代表取締役パートナーCFO。一般社団法人日本パートナーCFO協会 代表理事。デジタルハリウッド大学院客員教授。東京大学法学部卒業。筑波大学大学院、デジタルハリウッド大学院修了。日本長期信用銀行(法人融資)、グロービス(eラーニング)、GAGA/USEN(邦画製作、動画配信、音楽出版)、Ed-Techベンチャー取締役(コンテンツ、管理)を歴任。著書に『中小・ベンチャー企業CFOの教科書』(中央経済社)がある。

会社員でいる間にチャンスを逃さない

#05 何が起きてもすり減らない「自分の稼ぐ力」ではお金の不安を解消し、安定した収入を継続して得るために必要な3つの力についてお話しました。

3つの中でも揺るぎないのは「自分の稼ぐ力」であるということについて触れました。

今回は「自分の稼ぐ力」を磨くため、会社員である立場をどのように活用するのかについてお話します。

安定の一方で「会社ガチャ」のリスクは背負う

Shutterstock

会社員でいるということは、いろんな意味で恵まれた環境です。一番は安定した収入が得られて生活の心配がないこと。それに突然解雇される心配もないでしょう。
新たな仕事をするときにはそれに向けた勉強も試行錯誤もでき、自分の能力アップにつながります。会社の名刺が信用力を担保してくれるからこそ人は話を聞いてくれるし、安心して関係を作れます。
職場でのOJT(※1)はもちろん、Off-JT (※2)として社外での研修に参加させてもらえる機会もあります。こうして考えると会社員というのはとてもいい立場、といえます。

一方で、宮仕えをしている以上、思わぬ異動や転勤、定年はつきもの。
仮にシニア枠で再雇用されたとしても、自分が望む給料や仕事内容になる保証はありません。
出世はポストが空くかなど運の要素もあり、勤務先がなくなってしまう可能性もゼロではなく(私のように…)、個人の努力だけでどうにかなるものではありません。

つまり、会社員である以上、その恩恵を受けつつもしっかりとリスクから身を守る行動をしていく必要があります。

※1 実際の仕事を通じて指導するOn the Job Trainingの頭文字
※2 OJTに対し、職場や通常の業務から離れ特別に研修するOff the Job Trainingの頭文字

会社から与えられる仕事だけでは伸ばせない

佐野創太
イラスト/shutterstock

「会社ガチャ」というリスクから身を守ることとして出来るのは、自分の人的資本への投資と強化です。
今いる会社で任される仕事をやっていると「経験があり、難易度が変わらない仕事」の場合は即戦力になっても自分のスキルアップにはつながりません。また、会社のなかの短期的な課題にばかり対応していても中長期的なキャリアにつながる専門性は身に付きません。

例えば私の話をすると、二社目でのeラーニング事業開発担当として、3年ちょっとかけて、商品と流通経路を揃え、エンドベースで売上2億円のビジネスを創りました。
そこでぶつかったのが、「次、どうするか?」です。

shutterstock

このまま、今の仕事を続けるか?しかし、次の事業成長アイデアが思いつかない。そもそも、今の仕事を続けたいのか? 当時35歳転職限界説というのもいわれていた時代。自分の旗はどこで立てたいのか? シフトするなら今ではないか?
そんなことを半年近く考え、自分のできる仕事の幅を広げよう、色んな人に会ってみよう、なけなしのおカネをはたいて?、大学院に入りました。

大学院での1年間の学習、出会いで、次の仕事の可能性を見出すことが出来ました。
会社の流れに任せていて自分の望むスキルや経験が詰めるとは限りません。
だからこそ、自分のキャリアを自分で作る、自分のオールは自分で握っておくことが重要です。
自分の人的資本に対して、時間やお金の余剰を回して(=投資)、人的資本を育てて、稼ぐ力を高めていく(=強化)必要があります。

「副業」は社名や肩書に頼らず生きるための第一歩

shutterstock

私は4社での勤務、10年来の副業を経て独立起業しました。
自分が本当にしたいベンチャー向け経営コンサルティングの仕事は軌道にのるまで時間がかかるとは思っていました。
しかし、副業での収入がベースにあったこと、生活レベルを上げていなかったので生活費が抑えられていたことで、資金繰りに困ることなく独立起業の道を進めました。

改めて振り返ると、折に触れて自分のキャリアや生き方と向き合い「自分の人生のオールを他人に渡さない」という観点で内省を繰り返してきました。人的資本に関しても、どこでどんな経験を積むか、何をインプットするか、何をアウトプットとして残していくか、戦略的に行動してきました。
独立する時には「持続性のあるものにしたい」という視点で考え、今やっている「パートナーCFO®」というコンセプトやビジネスモデルは、構想から1年半ほどかけてできたものです。(独立起業時にはまだ固まっていませんでした)

こうして私は、今では自分が生涯続けていきたいと思える仕事を出来ています。
これは、私だからできた特別なことではありません。ぜひあなたの人的資本を活かした、納得できるキャリアを考えていってみてください。

金融資本への注目が高まっている今、人的資本への投資や強化の視点も持つことで、さらに豊かで幸せな人生を歩んでいく力となれば幸いです。
次回から、より具体的な副業・起業のビジネスモデル作りをお伝えしていきます。

この記事を書いた人

高森厚太郎
高森厚太郎プレセアコンサルティング株式会社 代表取締役パートナーCFO
プレセアコンサルティングの代表取締役パートナーCFO。一般社団法人日本パートナーCFO協会 代表理事。デジタルハリウッド大学院客員教授。東京大学法学部卒業。筑波大学大学院、デジタルハリウッド大学院修了。日本長期信用銀行(法人融資)、グロービス(eラーニング)、GAGA/USEN(邦画製作、動画配信、音楽出版)、Ed-Techベンチャー取締役(コンテンツ、管理)を歴任。著書に「中小・ベンチャー企業CFOの教科書」(中央経済社)がある。
この記事をシェアする
  • LINEアイコン
  • Twitterアイコン
  • Facebookアイコン

タグから記事を探す