SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室SNSで料理教室の告知をしたけど、反応がイマイチ……。料理とスタイリングは自信あるのになぜ?
料理撮影の困りごとの第1位は、料理はいいのに写真で撮ったら「なぜかおしゃれにならない」「生活感がある」。『スマホでプロ級の料理写真』第1回は生活感を払拭する撮影テクニックです!
プロフィール
カメラマン・撮り方コンサルタント田部信子
今回のお悩みは、ご自宅で料理教室を主宰しているかおりさん。
コロナ禍で新たにオンラインレッスンを始めたものの、集客に苦労されています。
原因の一つは写真。写真が綺麗なお教室には生徒さんが多く集まっているような気がするので、ご自分でも写真を綺麗に撮れるようになりたいと思っているとのことでした。
スタイリングなどはご自分で色々工夫していらっしゃいますが、思ったように撮れないとのこと。
自分の写真のどこがいけないのかも分からないので解決策も思いつかない、とのご相談です。
目次
頑張ったスタイリングを見せたい!
今度のお教室で作るミートソースの写真をSNSにアップしようと思って撮ったんですが、どうも格好よくなくて。これはどこが悪いんでしょうか?
なるほど〜。スタイリングは頑張ってますね。ただ、背景にいらないものが入りすぎて生活感が出ちゃってたり、主役に目が行かなかったりするのが問題ですね。ついつい「あ、テレビがある。あ、そこに窓があるのか〜?」とか色々考えてしまってパスタのお皿以外のところを見ちゃいますね。
生活感、ここにアリ!
あー、ここですかあ! 部屋の中のごちゃごちゃが写っちゃうんです。でも大きな部屋もないし、大きなテーブルも置けないし、ここが一番マシな場所なんですよ…。
いえいえ、大丈夫ですよ。大事なのは部屋の大きさではなく写真の撮り方。撮り方を工夫すればなんとかなります!
え? 我が家でもなんとかなるんですか?
はい。できます。写真を撮る時にちょっと工夫をしてみましょう!では、まず、いつものように撮ってみてください。
はい。いつもはiPhoneのカメラアプリをタップして、なんとなくいい感じの角度をみつけて…、そしてシャッターボタンを押しています。
はい、ちょっとストップ! もうここで問題があります。
スマホのカメラアプリは、かなり広い範囲を写す状態になっています。そのため、そのまま撮ってしまうと、背景に色々なものが入ってしまうんですね。
写真に映り込む背景を少なくするためには、少しズームをしてみましょう。この写真のように画面上に(2×)とか(2.5×)というボタンがある場合はそれをタップしてください。
iPhoneならここをチェック!
ズームしたら、なんだかドアップになっちゃいました・・・(汗)
ズームを2.5×にしたら、どアップに!
そうですよね。料理がアップになるので、今度はご自分が後ろに下がってください。
あ、自分が後ろに下がるんですか!
あー、確かに少し下がるとちょうど良い大きさになりました。撮ってみます!
おー!なんだかいらないものが写らなくなって、いい感じに撮れました!
いい感じです〜!このようにズームアップしてから撮ると、いらないものが写らないので、目が自然に主役のお料理に行くんですね。
ん〜、でもなんでズームしたり後ろに下がったりしないといけないんですか?
これはカメラのレンズの特性なんです。もう一度2枚の写真を見比べてみましょう。
(A)がカメラアプリを立ち上げたままの状態で撮ったもの。(B)がズームして撮ったものです。背景に写っているものを見比べてみると、(B)のズームアップした写真では、(A)の写真の赤線の中のみ背景として写ってるのが分かりますか。
本当ですね。ズームアップして撮った方は、グラスとチーズがギリギリ入るぐらいでテーブルの端も写っていません!
このように、ズームアップすると「背景を整理」することができるのです。
部屋のごちゃごちゃが写ってしまうのは、ズームアップしていないせい。料理写真を撮る時は、まずはズームアップしてから自分が動く。これで、部屋のごちゃごちゃも気にすることなく写真が撮れるようになります。
なるほど〜。ズームした方が背景が狭く写るってことですね。
次からは「ズームしてから動いて撮る!」を合言葉で撮ってみます。
今回のポイント
料理写真を撮る時には、ズームしてから動いて撮る
この連載では、読者の皆様の「料理写真を撮る時のお悩み」を募集しています。
ご質問がある方は、お悩みのお写真と、何で困っているのかを書いてお送りください。
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この記事を書いた人
- カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。