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スモールビジネスのSNS、フォローするのは順番が大事?

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女性起業家にありがちな悩みは起業、独立したものの稼げない、安い商品しか売れないというもの。人気Webマーケティングコンサルタントに解決方法を聞きました。

スモールビジネスを立ち上げた人の多くは、収益が伸び悩んでいます。稼げる体質へと脱皮するためには、どうすればいいのでしょうか。(株)オフィス凛代表取締役のWEBマーケティングコンサルタントで、著書『ひとりビジネス・スモールビジネスのマーケティングと集客の教科書』(自由国民社)を上梓した増田恵美さんに、その秘訣をうかがいます。

SNSは知り合いのフォローバックからスタート

大企業のような知名度のないスモールビジネスでは、SNSの活用は不可欠。それは知っていても、どのように活用していいかわからない方が多いのが現実です。増田さんは、以下のようなアドバイスをします。

― SNSについては、どんな有名人でも誰も最初は下駄を履かせてくれず、ゼロから始まります。

たいていの人は、「投稿していたら、誰か見つけてくれるだろう」と思いがちです。ですが、ただ投稿していても、フォロワーは増えません。だから、自分から知ってもらう行動を取らなくてはいけません。気に入った人の投稿に「いいね」をしたり、フォローしたり、コメントをしたりという活動を続けてみましょう。不思議なもので、どこかの時点で勝手にあなたのフォロワーが増えるようになるのです。

ですが、最初期のフォロワーがほとんどいない段階では、見込み客へのアクションは避けましょう。弱小アカウントというイメージが先行して、いい印象を持たれず、フォローバックしてもらえないリスクがあります。

まずは、あなたの知り合いからです。親しい人だったら、「SNS始めたよ」と言えば、フォローを返してくれますよね。

ライバルのフォロワーへアプローチする

ある程度の数のフォロワーを獲得し、「このアカウントは怪しくない」というところまで持っていって、そこから見込み客にアプローチします。

肝心の「見込み客」の見つけ方ですが、あなたがライバルと想定する人のSNSをチェックしてください。その人のフォロワーたちのアカウントを見ていきましょう。片っ端からという感じでかまわないので、フォローしたりコメントしたりして、自分の商品やサービスを知ってもらうようにします。それでレスポンスがなかったら、自分の提供するものが、その人にとってはあまり魅力的ではないのだなということになりますよね。

フォロワーがなかなか増えなくても、めげることはありません。人にはそれぞれ好みがあります。かわいいものが好きな人は、かっこいいものに心惹かれにくいでしょうし、かっこいいものが好きな人は、かわいいものを気に入りにくいでしょう。なので、自分と好みが近い人は、フォロワーになり、いずれは自分のお客様になってくれる可能性が高くなります。

投稿内容に個人的なエピソードはあってもいい

SNSの投稿で力を入れたいのは、興味を喚起する内容やお役立ち情報です。ハンドメイドグッズであれば、その商品を見せるのはもちろん、商品を作っていく過程や商品に対する思いも発信していきましょう。また、制作過程は、意外と注目されます。ユーザーが普段見えないところなので、興味がわきやすいのです。やがて、「どんな仕上がりになるのだろう」と、楽しみに見てくれるようになって、購入につながりやすくなります。

コンサルタントである私のような無形のサービスであれば、お悩みを抱えた人の解決に役立つ投稿を発信していくのがおすすめです。X(Twitter)だと、短めのワンポイントのアドバイスですね。

Xについては1つ注意点があって、1日5回は投稿したいところです。このSNSで重視すべきは接触頻度。私の場合、「おはようございます」の投稿から始まって、「今日はこんな仕事します」「今何々が終わりました」など仕事の報告とかも入れつつ5投稿しています。「おはようございます」から、お役立ち情報も交えて、最後に「今日もお疲れ様」で締めくくれば、1日5投稿もそんなに難しくないのです。

投稿内容に個人的なエピソードを交えてかまいませんが、食べ歩きなど、そればかりになるのは禁物です。「いつも美味しいご飯を食べに行く人」といった認識をもたれてしまいますので。プライベートな内容の投稿のコツは、自分の仕事に落とし込むことです。食べに行った、何かを買ったという内容から自分の専門分野に落とし込んで投稿するといいでしょう。

また、個人的なエピソードが多すぎてしまう場合は、プライベートを投稿する別アカウントを作るのも手です。私はInstagram、Xにもプライベートアカウントがあります。

公式ホームページは「お店そのもの」と考える

最後に、公式のホームページを持つ重要性についてお話しましょう。

驚くほど多くの方が気づいていない点があって、それは主要なSNSを閲覧するには、自身のアカウントを持つ必要があることです。Instagramに商品・サービスの情報があっても、Instagramのアカウントがない人は閲覧しようがありません。そのためだけにアカウントを持つのは、ちょっとした心のハードルがあります。ちなみにInstagramの月間アクティブユーザー数は3300万人。多いようですけれども、日本人の4人に1人しかアクセスしていないのですよ。

対して、ホームページならネットに接続しさえすれば、誰でも見ることができます。商品ラインナップからプロフィールまで、いろいろな情報が確認できるホームページは、ある意味お店そのもの。

さらに、SNSからあなたのホームページまで行く人は、かなり興味を持っているはずです。SNSの空間で、「買ってください」「募集中です」と宣伝ばかりだと嫌われるので、その意味でもホームページは必須なのです。

ホームページを作るのが初めての方なら、20~30万円のバックエンド商品・サービスがあれば、制作会社に有料で作ってもらうほうがいいでしょう。数個売れたら、制作費は元が取れますので。一方で売り物が、例えばハンドメイドの作り方教室で、1回のレッスンが5000円といったものであれば、プロに作ってもらったホームページの投資額を回収するまで結構な期間がかかってしまいます。その場合は、ウェブ制作ツールを活用して自分で制作しておき、毎月何十万円と稼げるようになってから、プロに依頼するのがよいでしょう。

私のところに来られた相談者で、ピアノ教室の先生の例を挙げましょう。当初は全然集客できてなくて、アドバイスとしてホームページの制作をすすめました。最初は手製のホームページでしたが、それでもお問い合わせがたくさん入るようになりました。生徒さんの集客目標は20人であったのが、それをクリアして30人に到達しました。費用が捻出できるようになって、今はプロの制作したホームページを検討しています。

お客様のお悩みに特化した記事をたくさん書く

ホームページのSEO対策で重要なのは、記事を充実させることです。

提供する商品・サービスに関連した記事をたくさん書きましょう。例えば整理収納アドバイザーであれば、部屋別、グッズ別、場所別の収納方法など悩みに特化した記事を積み重ねていくことで、検索エンジンからお客様が来るようになってきます。

意外に思われるかもしれませんが、多くの人は悩み事があっても、それをダイレクトに解消する先を探さないものです。例えば、家を片付けたいと思っても、はじめから依頼する整理収納アドバイザーを探すのではなく、自力でなんとかできないか模索します。トイレの水漏れがあっても、工事業者をいきなり探す代わりに、自分で補修できないかを探ります。

そこで、自力解決しようとして調べた先が、あなたのホームページの記事になっていることを目標にしましょう。すると、自分で解決できなかったときに、「やっぱりプロに頼もう」と、あなたへの依頼や注文となる理想的な流れを目指すのです。


増田恵美

株式会社オフィス凛 代表取締役、WEBマーケティングコンサルタント。

企業研修講師など人と接する仕事での経歴を重ねた後、結婚を機に退職。子育て中に学校のICT支援員として社会復帰し、2012年にハンドメイド作家として起業。マーケティングを学び、2017年よりコンサルティングを始める。2021年2月株式会社オフィス凜を設立。「学芸会で終わらないビジネスを作る」をモットーに、友人同士やコミュニティ内での経済圏にとどまらないビジネスとしての成長啓発を計4,000人以上に行っている。

この記事を書いた人

鈴木 拓也
鈴木 拓也
都内出版社などでの勤務を経て、北海道の老舗翻訳会社で15年間役員を務める。次期社長になるのが嫌だったのと、寒い土地が苦手で、スピンオフしてフリーランスライターに転向。最近は写真撮影に目覚め、そちらの道も模索する日々を送る。

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