今の自分と仕事軸を再確認する意外な方法。ビジネスプロフィール写真はブランディング以上の効果がある?
スナップ写真や記念写真でスマホの中はいっぱいの人は多い。撮影の時に気になるのは「よく見える」「若く見える」「痩せて見える」ではないでしょうか。でも、ビジネスプロフィール写真の場合は考え方が 180 度違います。その違いとは?
Web メディア I am は「女性のための 『ビジネスプロフィール写真』撮影会」を開催。「信頼感・自然体・パーソナリティを意識した写真で、自分らしさと仕事をアピール」をテーマに、フォトグラファーの田部信子さんが一人ひとりの魅力を引き出しながら撮影。事前に I am 編集長の長谷川恵子が 200 冊以上の著者プロフィール&近影を見てきた経験を生かし、ブランディングや顧客層などをヒアリングし、一緒に撮影コンセプトを考える時間も。ブランディングのための撮影会を通して見えてきたのは意外にも、ブランディング以上に深い内省と自分軸の発見でした。
インターネット上での第一印象を左右する
整理収納コンサルタントの澁川真希さん。2005 年に起業し、働く女性を家庭と職場環境の両面からサポートする整理収納・家事代行サービスや、「子どもとの片づけ」に特化した家庭内の片付けに関わる資格講座を展開するほか、自身の東日本大震災被災経験から日常で備える防災・減災整理についても情報発信されています。
「おうちに入らせていただく仕事のため、顔出しすることで、安心してもらえるし、私の雰囲気を知ってもらえるから」と積極的に顔出しを行っていると話す澁川さん。顧客層は、家庭や自分の会社の片づけに悩む女性。新規顧客が 7 割を占め、その多くはホームページからの問い合わせとのことです。
だから、ビジネスプロフィール写真は「インターネット上での第一印象」と言い、「仕事を依頼するなら?」「講座を受講するなら?」「この人なら信頼できそうか?」を判断する材料として重要な役割があると言います。
今の自分自身を知ってもらうため、ビジネスプロフィール写真のアップデートは必須と、2~3 年に 1 度のペースで撮影して変更。これまでは友人・知人の数人で集まり、知り合いのフォトグラファーにお願いして撮影してきました。
前回のビジネスプロフィール写真も気に入っていましたが、撮影したのは 2020 年。「3 年も経つと、今の自分の印象に合わなくなってきている」と感じていたところ、今回の撮影会を知り、参加したのです。
信頼感を表現するため、特に「表情」を重視
ビジネスプロフィール写真では、「自分の内面や取り組んでいることを表現し、それを見る方に感じてもらいたい」と考えている澁川さん。
直接会えれば、全体の雰囲気や仕草、話し方、話す内容といったさまざまな情報から知ってもらうことができます。しかし、インターネット上では、発信する内容やその他のビジュアルなどさまざまな情報があっても、最終的にはビジネスプロフィール写真を参照する人が多いのではないでしょうか。その 1 枚で、いかに表現しているかが重要になってきます。
澁川さんが何よりも重視する印象は「信頼感」であり、撮影の際は特に「表情」に気を配っていると言います。
「写真に写る一瞬の表情が、その人の印象を左右すると考えています。コンサルタントという職業柄、お悩みをお聞きすることが多いので、『この人なら話しても大丈夫』と信頼感を抱いてもらえるような雰囲気を感じていただけたらと思っているんです。私が思う『信頼感』には、親しみやすさや安心感も含まれますね」
今回は「思っていた以上に、良い表情を撮ってもらえました」と振り返ります。
「親しい友人と話している時のような、力の入りすぎていない自然な表情でありながら、意志を感じさせる表情になりました。そんな表情の写真が撮れたのは、事前アンケートなどをもとにどう撮ったら良いかを考えてくださっていたことや、撮影時はフォトグラファーの田部さんとのおしゃべりも楽しく、リラックスした雰囲気の中で撮影できたからこそだと思っています」
また、トップスの色を、暖色系のイエローと、寒色系のブルーの 2 パターンで撮影しました。
「自分自身が前回の写真の印象に少し飽きてしまったところがあり、今回は寒色系にしようと思っていたんです。でも、ホームページのメインカラーがオレンジ系であり、前回の写真のトップスの色が好評すぎたので、暖色系の良さも捨てがたく・・・結局、2 色になりました。どちらの色も自分に似合うパーソナルカラーから色味を選んでいます。暖色系では親しみやすい印象を、寒色系では年齢を重ねた分、聡明さや凛とした印象になればと考えました」
澁川さんが理想とされた通り、暖色系の場合は、あたたかみがあって物腰もやわらかく、安心してお会いしてお話しできそうな印象を持ちます。寒色系の場合も、今回は緑味を帯びたブルーなので、暖色系のよさも含みつつ、
誠実さ、品のよさ、きりっと締まる雰囲気が加味され、「澁川さんに任せておけば大丈夫!」という“頼りがい”が表現された印象を持ちました。
撮影時、自分の仕事の軸を再確認する機会にも
今回の撮影会では、「事前アンケートや当日の打ち合わせで、質問を投げかけられることによって、自分がどんなふうに撮影したいかなど、思考を整理できたところがよかったです」と振り返ります。
事前アンケートでは、「仕事で一番必要とされる印象はなんですか?」「どんな目的であなたの写真をご覧になると思いますか?」などをうかがい、当日はプロのフォトグラファーとエディターがさらにブランディングや顧客層についてヒアリングし、写真見本なども一緒に見ながら、撮影コンセプトを固めて撮影に臨みました。
写真を撮影するだけではなく、自分自身の仕事を振り返り、考える時間にもなり、「誰に自分のサービスを届けたいかが、最初からブレずに、今に至ることに気づきました」と、自分の仕事軸を再確認する機会にもなったそうです。
自分や仕事について振り返る機会はわざわざつくらなければできないものです。また、フォトグラファーとエディターという異業種のプロであり、第 3 者の視点を交えながらの機会はそうそうないのではないでしょうか。起業から今までを振り返り、第 3 者の視点が入ることで、自分の仕事の軸や魅力、特徴などに気づけることがあります。
撮影会に参加して、ビジネスプロフィール写真について「仕事に使う写真だからこそ、何を感じてもらうか、どう見せたいかを考えておくことが必要だと改めて思いました」と、さらには「今後も写真をどう使い、自分や仕事をどう見せたくて、そのためにどう表現するかについて、しっかりと考えて撮影したいです」と澁川さん。
「1 つだけ、後悔していることが・・・今回の写真では、ヘアスタイルがちょっと乱れていて、それが気になっていまして。次回はヘアメイクにも気をつけたいですね」と笑顔で教えてくれました。
「今の自分」にフィットした写真で、実際とのズレを少なく
澁川さんは撮影したビジネスプロフィール写真を現在、メディアや取引先に渡す素材として、ホームページや SNSのプロフィール写真として、ブログのヘッダービジュアル写真として使用中。主に、暖色系はホームページのコンサルティング風景の紹介用、寒色系は色が目立つため、SNS などでのアイコンや講座のプロフィール用とし、使い分けておられるそうです。
周囲からの反応は、「良く知っている友人たちからも好評です。また、ブルー系が新鮮だと言われます」と言い、
Facebook を見ると「とても素敵」「澁川さんの優しさが溢れています」「澁川さんらしさが出ています」というコメントが寄せられていました。
写真を変えてからまだ半年。「仕事では変化は出ていません。徐々に、ビジネスプロフィール写真を変えた効果があらわれてくると信じています。写真を見た方に『この人にお願いしたい』『会ってみたい』と思ってもらえ、ご縁につながることが理想ですね」と期待を寄せます。自分自身としては、「今の自分にピッタリな写真になったので、心地よいです」とも。
澁川さんのように、定期的にビジネスプロフィール写真を撮影する機会を持つことで、自分の今や仕事を振り返る時間にもし、過去よりもアップデートしている“今の自分”を発信していけるといいですね。
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この記事を書いた人
- 「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。