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スモールビジネスで稼げない人が、持っていない3つの共通点は「付加価値」「バックエンド商品」そして「USP」

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女性起業家にありがちな悩みは起業、独立したものの稼げない、安い商品しか売れないというもの。人気Webマーケティングコンサルタントに解決方法を聞きました。

キャリア構築やビジネスにおいて「強み」はよく語られますが、「USP(Unique Selling Proposition)」にまで踏み込んでいる人は多くありません。そう語るのはWebマーケティングコンサルタントで、『ひとりビジネス・スモールビジネスのマーケティングと集客の教科書』(自由国民社)の著者でもある増田恵美さん。

【写真】『ひとりビジネス・スモールビジネスのマーケティングと集客の教科書』

自分ならではの独自の強み=USPを見つける

増田さんの著書では、「USP(Unique Selling Proposition)」について、何ページか割かれています。これは、自社商品・サービスが持つ「独自の強み」を意味する用語ですが、自身のUSPを把握していない起業家が多いそうです。では、どうやって自分だけのUSPを見いだし、ビジネスに生かせるのか。増田さんは、次のように答えます。

― USPの見つけ方は、実は簡単ではありません。相談に来られた方には、ご自身のUSPをワークシートにたくさん書いてもらいます。それを見ると、同業他社でも普通にできることが、ずらっと記されているケースが多いのですね。例えばエステサロンだったら「キレイになって癒される」、カウンセラーだったら「親身に話を聞く」というふうに。でも、その仕事であればできて当たり前のことでしょう。その当たり前のことを、書いてくる方がほとんど。

このように、USPは自分では見つけるのは、なかなか難しいのですね。手がかりとなるのは、得意であって、割と容易に取り組めることで、人から「なんでそんな難しいことができるのですか」と言われるものです。ライターであれば、文章を書くのが得意で、それが当人には当たり前のことになっています。でも、私にとっては、文章を書くのはかなり苦手なことでした。以前は1000文字も書けませんでした。「note」というブログプラットフォームに書いていたのですが、書いている文字数が表示されるのですね。それを見ながら、1000文字を書く練習を何ヶ月も続けました。やがて1000文字書けるようになって、そのうち2000文字から3000文字も書けるようになり、最終的に本を1冊書けるまでになりました。

では、私がライターを主業にできるかと言えば、違います。無理やり頑張って書けるようになったのでは、プロのライターにはなるのは厳しい。やはりライターとして長く続いている人は、「気がついたら8000文字書いていた」みたいな人が多いのですね。

これは、他のどんな職業も同じです。例えば、「コンサルとして起業したい」という人。マーケットを見る能力などがもともとある人は、大変な苦労をしないでも、それをUSPにして成功することが多いです。私の場合ですと、他の人よりも優れているのは、想定したペルソナになりきってものを考えることです。3歳の子供がいる母親になりきって考える、家を片付けられない主婦の気持ちになって考える、犬の飼い主の気持ちになって考えるといったことが、他の人よりも簡単にできるのですね。最初は、「それはみんなができること」と思っていました。ですが、周囲の人はそうそうできないことを知って、私の仕事のUSPとして生かせるようになりました。

ライバルをチェックして自身の強みを見つける

このように、みんなから「すごいね。なんでそんなことできるの」と言われることがUSPであって、頑張って人並みにできるようになったことは、USPではありません。

USPを見つけて、そこを仕事の領分にしないと、後々つらくなります。頑張ってもライバルから一歩抜け出ることは多分できない。

さきほど、「ライバル」という言葉が出てきましたが、ライバルのチェックも重要となります。ここから、その話になりますが、ライバルを5~10社書き出して、ライバルが想定しているターゲット層、商品構成、価格帯などを調べると、そのライバルの弱いところが見つかるはずです。その部分で勝てるところがあるか考えましょう。

ライバルが、比肩する者がいない業界トップであるなら、それを超えるのは不可能です。そこで、小さな領域のトップを見て、「どの部分だったら勝てるかな」というところを探していく。私も、コンサルタントを始めた頃、ライバルをチェックしたところ、SEOをきちんと理解している人や、女性のコンサルタントは、ほぼいなかったのです。なので、そこを強みにしていきました。

2つのカテゴリーの価格帯に分けて利益を出す

増田さんは、利益がなかなか出ない別の要因も挙げました。キーワードは、「フロントエンド」と「バックエンド」の商品構成。どちらが欠けても、集客と利益に結びつかない恐れが出てくるそうです。

― フロントエンドとバックエンドの商品を理解しておくことも、とても大事です。フロントエンドは採算度外視で提供する集客商品、バックエンドは利益が出る商品で、かつお客様の悩みが解決するものです。例えば私のようなコンサルタントですと、数千円の初回相談やセミナーが、フロントエンドにあたります。バックエンドは、継続的な1対1のコンサルなど、より高い価格帯ものを指します。

利益の出ていない方には、フロントエンドしか見えていない、あるいはフロントエンドしかないパターンが多いです。商品価格帯は、例えば5000円前後のものしかない。その商品が、月に3つしか売れないと、頑張っても15,000円の売り上げにしかなりません。

そうした方たちから、「どうしたら30万円稼げるようになるのですか」と、よく質問を受けます。「単価の安いものばかりで、利益を生み出すバックエンド商品がないですよね」と指摘すると、単価30万円のものを作ってくることがままあります。バックエンドは30万円とは限りません。たとえ10万円であっても、それで適正な利益が出ればいいのです。

付加価値をつけることで価格帯を上げる

もう1つ考えたいのは、バックエンドの価格帯で、お客様の悩みを解決できるかという問題です。もし3か月10万円のサポートで解決できない、半年かかるとわかっているのであれば、6か月20万円にしなくてはいけません。ダイエット関係であれば、体重を20kgも健康的に落としたいという悩みがあって、その解決策をトレーナーであるあなたが持っているとしましょう。20kg落とすのに、どれくらいの期間がかかるか。あなたの時給はいくらに設定しているか。もし数ヶ月も寄り添うとしたら、これだけの額にはなるという価格の決め方が必要です。

お客様が幸せになるのは、お金を払ったときでなく、自分の悩みが解決したときです。あなたも、利益が出ないと幸せではありませんよね。双方が幸せになるためには、こちらもちゃんと利益を対価としていただくようにしなくてはいけません。

それから、お客様に「高いな」と思われるなら、付加価値が足りないかもしれません。例えばトレーナーなら、「質問は無制限OK」「毎日フィードバックをします」など、何かしら付加価値をつけていくことによって、料金を高めに設定できる可能性が生まれます。

また、究極の付加価値は、自分自身という認識を持ちましょう。「Aさんだから、私これ買います」と言われる人になれるかどうか。常日頃から、そこに留意しましょう。

この記事を書いた人

鈴木 拓也
鈴木 拓也
都内出版社などでの勤務を経て、北海道の老舗翻訳会社で15年間役員を務める。次期社長になるのが嫌だったのと、寒い土地が苦手で、スピンオフしてフリーランスライターに転向。最近は写真撮影に目覚め、そちらの道も模索する日々を送る。

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