SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室料理写真で失敗しないコツ① 壁から離すだけでおしゃれ写真に!
クリスマスのテーブルをおしゃれに撮るためにはスタイリングが欠かせません。そこではじめてでも失敗しなしスタイリングのコツをお伝えします!
プロフィール
カメラマン・撮り方コンサルタント田部信子
「スタイリング、頑張っているのになんか格好よくならないんです。」
と相談されることが多いんです。
スタイリングの失敗あるあるは3つ。その中でも「主役と壁が近すぎる問題」につてお伝えしまます。
家の中のゴチャゴチャを写したくなくて、わざわざ背景用のボードまで用意したのに、なんか変ってことないでしょうか?
【写真で丸わかり】スタイリングが苦手な原因は背景との距離にあった
目次
ここがダメ 主役が壁に近すぎる
スタイリングが苦手な人によくあるのがこちら。このように壁と主役の距離が近いと、見る人の視線が壁で止まってしまってイメージが広がらないんです。
上の写真を撮っている時の壁から主役までの距離が分かりやすいように上から撮ったのがこれです。
右のグレーの部分が背景です。シュトーレンが背景近くに置いてあり、ワインボトルなどは壁にくっつけて置いてあるのが分かります。こうすると、写真が行き詰まって見えてしまうんですね。
抜け感のあるスタイリング
写真の世界では「抜け感」という言葉をよく使いますが、主役の後ろに空間(抜け感)を作ってあげるとイメージが広がっていき、写真にも奥行きができます。
では、できるだけ同じ小物を使って、背景を離して空間を取ると、写真がどう変わるか見ていきましょう。
まずは、背景から離した位置に、主役のシュトーレンを置きます。
上から見ると、これだけ背景から離しています。先程の上から撮った写真と比べると、かなり離れているのが分かりますね。
主役の位置が決まってから、脇役を置いていく
まずは、主役のお皿の位置を決め、そこを中心にして先程使っていた小物を配置していきます。
取皿を置きます。
次に左後ろにワインとワイングラスを置きます。
右後ろにキャンドルを2つ置きます。
キャンドルの光が目立つように、背景の明るさを少しだけ暗くします。
上の図のように、背景の部分には光が当たらないように黒い板で光をさえぎります。
すると、左側の背景が少しだけ暗くなりました。
右手前の空間が少し寂しいので、クルミや緑を置いてみます。
全部を並べ終わったら、一度離れて見てバランスを確認する
ここで一旦全体を見渡してみると、ワインボトルやグラス、シュトーレンなど存在感の大きいものが全て左にあることに気が付きました。どうも左側が重い感じです。バランスを取るために、ワインとワイングラスを右奥に移動します。キャンドルは目立ちすぎるので取り出します。
ワインとワイングラスを右に移動したほうが、左右のバランスが取れて良い感じになりました。クリスマスっぽさを出したいので、背景にももみの木を置いていきます。
もみの木に、小さい電飾を巻き付けていきます。先程背景を暗くしたので、電飾もきちんと見えますね。
ポートレートモードで主役をより目立たせる
後ろに電飾を置いたものの、このままだと「電飾を置きました」という感じになってしまいます。
電飾を少しボカして雰囲気を出すために「ポートレートモード」を使います。
スマホのカメラアプリに「ポートレートモード」というのがある方は使ってみてください。背景をボカすことができます。
背景がボケて雰囲気が出てきました。
今回の全体の小物の配置をもう一回上から確認しましょう。
背景と主役との間に空間があるので、背景にキラキラを入れるなど手を加えることができました。
AFTER
最後にワインを注いで完成です。
最初の写真と使っているものはほぼ一緒ですが、随分と雰囲気が変わったのが分かるかと思います。
スタイリングとは画面に入れるモノを揃えるだけではなく、それを「写真的に」どう配置するかが重要になってきます。そのポイントの一つが「背景との距離」。
次の撮影の時には、背景との距離をまず取ってから撮影をしてみてください。
おさらい
今回、スタイリングがうまく人が陥りがちな落とし穴の1つ目。「背景との距離」について説明しました。
◎まずは主役を背景から離して置く
◎その主役を中心に、前後左右のバランスに気をつけながら小物を配置していく
◎背景から離しておくと、キラキラなどの装飾もいれられる
執筆/料理カメラマン・田部信子
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この記事を書いた人
- カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。