SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室唐揚げが美味しそうに撮れません② もっと美味しいポイントは「光と影」
人気メニューの王者・唐揚げが美味しく見える写真の撮り方。1回目のコツ「ボリューム」に続き、2回目は「光と影」のちょっとしたコツをお伝えします。蛍光灯の下で撮ったような青っぽい光では美味しそうに見えません!
プロフィール
カメラマン・撮り方コンサルタント田部信子
前回、唐揚げに立体感をつけたり緑を加えたりして、随分と美味しそうになってきました。しかし、キッチン横の真上から光が当たった場所で撮っていると、唐揚げひとつひとつに陰影がなくなり、まだ美味しそうとは言えません。
今回は、光を変えて、おいしそうな唐揚げに仕上げていきたいと思います。
【写真で丸わかり】iPhoneで唐揚げを美味しく撮影する方法
目次
Before 立体的ではあるが、まだ美味しそうに見えない
今回はキッチン脇にあるテーブルで撮ってみましたが、ここの真上にはライトがあります。すると、真上から唐揚げひとつひとつに均等に光が当たり、唐揚げに陰影がつかずのっぺりした印象になってしまいます。
プロの常識① 唐揚げを立体的に撮るには窓からの光で撮る
唐揚げに陰影をつけるために、電気を消してお皿を窓辺に持っていきます。窓と平行に立って、窓を横に見ながら撮ってみます。この状況では、左手に窓があります。
窓辺の光で撮ると、唐揚げに立体感が出てきましたね。確認のためにアップで見てみましょう。
左の写真が上からの光で撮ったもの。右の写真が、窓からの光で撮ったものです。
左の唐揚げは全部が同じ明かるさになっていますが、左の唐揚げは窓に近い左側は明るく、右側には陰が落ちています。そのお陰で立体的に見えています。
また、キッチンで撮っていた時は上のライトが黒いお皿に反射してしまって、せっかくの黒いお皿の質感が見えなくなっていました。窓辺で撮るとお皿の反射もなくなり、お皿の質感も出てきましたね。
このように、全体に光が均等に当たると、ひとつの「茶色いカタマリ」に見えていたものが、横からの光で陰影をつけると、ひとつひとつの唐揚げがしっかり見えてくるようになりました。
プロの常識② 仕上げにお箸とクロスを添える
料理写真を撮る場合、お箸を添えると自分が食べる状況を想像できて「美味しそう感」が高まります。
また、背景とお皿が馴染みすぎないように、クロスをお皿の下に敷いてみました。
随分と美味しそうになってきましたね。
After 窓からの光でスタイリングして撮った唐揚げ
。
立体感も出て、美味しそうになりました。
せっかくなので、最後に編集で美味しさを出していきたいところです。次回はここから編集をして仕上げていきたいと思います。
唐揚げの撮り方 おさらい
◎窓に平行に立って撮影すると立体感が出る
◎お箸を添えると「おいしそう感」が増す
◎テーブルの色とお皿の色が似ている時はクロスで調整する
執筆/料理カメラマン・田部信子
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この記事を書いた人
- カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。