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SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室唐揚げが美味しそうに撮れません① 美味しいポイントは「ボリュームと高さ」

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人気メニューの王者・唐揚げ。美味しいけど写真にすると茶色いかたまりが並んでいるだけになってしまうカメラマン泣かせの強敵。誰でも簡単に撮れるテクニックを紹介します。

プロフィール

カメラマン・撮り方コンサルタント田部信子

カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。

子供の好きな食べ物ランキング上位にいつもいる「唐揚げ」。
でも、美味しい料理って大抵茶色いんですよね。そして写真に撮ると、ただの茶色いカタマリにしか見えないことも。その茶色いかたまりを、美味しそうな唐揚げに見えるように撮るにはどうしたら良いのか。
今回は唐揚げをシックに美味しそうに撮ることにトライしていきます。

【写真で丸わかり】iPhoneで唐揚げを美味しく撮影する方法

唐揚げをキッチン近くのテーブルの上で撮ってみました。ただ置いただけ、という印象の写真ですね。これをどうやったら美味しそうな写真にできるか考えてみましょう。

まず、この写真を見ていると、ひとつひとつの唐揚げの間の隙間が目立ちます。また、単純にお皿の上に唐揚げを広げただけなので、ボリューム感がないですね。

料理というのはボリュームを出すと美味しそうに見えてきます。まず、ボリューム感を追加するところからやっていきましょう。

プロの常識① 唐揚げを立体的に撮る

まずは、唐揚げと唐揚げの間の隙間を隠しボリューム感を出すために、盛り付けを2段にしてみましょう。

先程よりは、ボリューム感が出てきました。これだけでも、先程よりは美味しそうになってきました。

ただ、よく見ると、お皿のヘリの部分の幅が、奥よりも手前の方が広くみえます。このお皿は均等にヘリがあるものなので、よく見ると不自然に感じます。

プロの常識② 『ズームして離れる』をして形をきちんと写す

いつものように、 『ズームして離れる』をやって、お皿の形が歪まないようにします。

カメラアプリの中にある [✕2] を押すか、2本指を画面につけて広げるようにピンチアウトして、ズームアップしましょう。画面いっぱいに唐揚げが写るので、ちょっと下がりましょう。

この『ズームして離れる』をやると、お皿のヘリの部分の広さが均一に見えてきましたね。それだけでなく、なんとなく自然な感じで見えるようになってきたのが分かるでしょうか?

次に、写真全体の雰囲気をどうするかを考えていきたいと思います。

料理写真において、お皿は写真の印象を大きく左右します。

今回は白いお皿を使っていますが、白は印象が軽やかで明るいイメージになりがちです。カフェで食べる唐揚げというイメージであれば白でも良いですが、今回はもう少しシックな感じで撮っていきたいと思っています。

プロの常識② シックにしたいなら、暗い色のお皿を使う

今回は、黒茶のオーバルのお皿に変えてみようと思います。

このお皿は、先程の白いお皿よりも少しだけ小さいサイズです。そのお陰で、同じ量の唐揚げを盛っても先程よりもボリューム感があるように見えてきました。

ただ、全体として茶色いカタマリに見えていますので、今度は少し色を足してみたいと思います。

プロの常識③ 茶色い料理には色を足す

色を足すためには、

・サラダなど野菜を端に盛り付ける
・柑橘類を一緒に盛り付ける
・ワックスペーパーなどで色を足す

などの方法があります。

今回は、丁度あったので、かぼすを使ってみましょう。

After かぼすの緑色と黄色が入った唐揚げ

これで随分とボリューム感もあり、適度に緑が入った写真になりました。

随分と良くはなりましたが、まだ「茶色いカタマリ」に見えますね。
原因は、この写真を撮っている場所の真上にライトがあり、その光で撮っているからです。真上から唐揚げ全体に光が当たっているので、唐揚げひとつひとつに陰影がなく「カラっ」っとした感じが表現できていないんですね。
次回は、光を変えて、更においしそうにしていきましょう。

唐揚げの撮り方 おさらい

◎ちょっと小さめのお皿にこんもりと盛り付ける

◎『ズームして離れる』をやってお皿の形を整える

◎茶色一色にならないように、緑を足す

執筆/料理カメラマン・田部信子

この記事を書いた人

田部信子
田部信子料理カメラマン
カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。

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