SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室揚げ出し豆腐が美味しそうに撮れません① ポイントは豆腐の角
秋の味覚は美味しいけど、茶色くて写真映えが難しいーと感じている方に、ただ茶色っぽい写真に見えない撮影方法をお伝えします。きのこがのった揚げ出し豆腐を2回に分けてお伝えします!
おいしいお料理って茶色いものが多いですよね。でも、茶色いものって写真にすると美味しそうに写しにくいってよく相談を受けます。スタイリングでなんとかしたい・・・という方も多いですが、スタイリングが素敵だから美味しそうに見える、ということではないんですよね。スタイリングより前に、そのお料理のどこが魅力的かを考えて、それを活かすように撮影していきましょう。
目次
Before
問題の茶色い料理写真。揚出し豆腐の魅力ってどこなのかを考えながらどうやったら美味しそうに見えるのかを考えていきます。
プロの常識① 料理写真はズームアップして撮る
この写真は、スマホのカメラを立ち上げたそのままで撮っていますね。今一度、料理写真の基本である「ズームアップして撮る」というところを復習しましょう。
まずは、料理写真の基本。カメラアプリを立ち上げたら、2本の指で画面を広げるようにしてズームアップするか、レンズが3つ以上ついている人で[x2]、[x3]というボタンがついている人は、そのボタンをタップしてズームアップして撮りましょう。ズームアップすると、食べ物やお皿の歪みがなくなって自然な見た目になります。ズームアップのやり方などは、この連載の#1 『生活感はどこに出る?』を読んでみてください。
今回は、[x3]という望遠レンズを使って撮ってみました。お皿の形がきちんと写りましたね。
プロの常識② 立体感を出せる光を使う
お皿の形は良くなりましたが、まだ、なんだか「のぺっ」としていますね。この写真はダイニングテーブルの上のライトで撮ったので、お豆腐全体に光が上から当たっています。そのせいで、立体感がなく、せっかくの揚出し豆腐のおいしさが写っていないですね。
立体感を出したいと思ったら、光を変えましょう。今回も、ダイニングテーブルの上のライトは消して、窓の近くのテーブルで撮ることにします。
窓と反対側の面の豆腐には影が落ち、立体感が出てきました。
お料理を撮る時にどういう光を使ったら良いか、ということは、『カレーが美味しそうに撮れません! 立体感のある写真はどうやって撮ればいい?』を読んでみてください。
プロの常識③ 豆腐の面をきちんと見せる
揚出し豆腐をおいしそうに見せるためには、豆腐の6面がカリっと揚がった状態であることを表現したいです。6面全部は見せられないものの、少なくとも2面か3面は見せたいですね。この写真のように上の方から撮ってしまうと、上の面はよく見えますが、その他の面が見えません。そのため、揚出し豆腐のおいしさが伝わらないんです。上面と側面の2つは写るような角度を探して撮ってみましょう。
写真を撮る時のカメラの高さをカメラアングルと言いますが、3面写るにはどのアングルでスマホ(カメラ)を構えれば良いかを、構える前に目で探してみましょう。
今回、少し低めの位置でスマホ(カメラ)を構えると、側面も上面も写りそうだということが分かりました。
After
アングルを変えることで、少し豆腐の感じも出てきました。
上から撮ると、なんだか茶色い物体、って感じでしたが、少し豆腐っぽく見えてきました。ただ、あんが見えないので揚げ出し豆腐っぽくないですね・・・。お豆腐も時間が経ってしぼんできちゃいました。
確かに、この青いお皿だと、せっかくの「きのこあん」が見えないですね。お皿も変えたほうが良さそうです。
また、あれこれ試行錯誤している間にどんどんお豆腐の形が崩れてきちゃいました。お料理はできたてが1番綺麗に写せます。今回のこのセッティングは生かした上で、お豆腐を揚げるところからもう一度やってみましょう。
おさらい
◎ズームして撮る
◎室内の光を消して、窓際の光で撮る
◎お豆腐の2つ以上の面が見える位置を探して撮る
関連記事
この記事を書いた人
- カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。