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自分でできるマーケティング入門Canvaで自分のブランドキットを作ってみよう! ロゴやブランドカラー、ビジュアルでブランドを可視化してみる

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ブランディングという言葉は頻繁に使われますが、ブランディングを一言で答えることはできるだろうか? サービス改善、マーケティング、SNS、イメージ? ブランディングの本質を掘り下げてみたいと思います。

プロフィール

外資系IT企業のデジタルマーケティングマネージャー室橋健

顧客関係管理の外資系IT企業でマーケティングマネージャー。

ブランディングを一言でいうと?

くまモンの生みの親であり、「茅乃舎」や「東京ミッドタウン」などの数々のブランディングを手がけている水野学さんは、私が大学4年生の時の「ブランディング戦略」という講義中にこのように言っていました。

ぼくは、「ブランドとは〝らしさ〟である」と考えています。(中略) もう少しかみくだくと、こういうことです。「ブランドとは、見え方のコントロールである」。

ここで質問です。読者のみなさんが日々提供しているサービス・製品の「らしさ」とは何でしょうか? ブランドとは「らしさ」であれば、それらを言語化することがブランディングの第一歩と言えます。

  • 質問1. あなたのブランドを「人物」や「キャラクター」でたとえると誰ですか?
  • 質問2. あなたのブランドを「色」でたとえると何色ですか?
  • 質問3. あなたのブランドを「国」や「都市」に例えるとどこですか?

これから先の文章を読む前に、一度立ち止まって上記3つの質問に対してノートに書くか、スマホのメモに一度書いてみてください。自分の中で言語化されていなかった「暗黙知」を、ここで一度文字にすることで「形式知」にすることに意味があります。この形式知にされた「らしさ」をベースに、自分の「ビジネス」や「サービス」、「製品」が売れるために必要なブランドの基礎について考えていきましょう。

「Canva」でブランディングの第一歩を踏み出そう

ブランディングの話をするまえに、そもそも「ブランド」という言葉はどこから来たのか確認しましょう。ブランドは古ノルド語 (古北欧語)の「Brandr」が語源とされ、自分の牛と他人の牛を区別するために焼印を押して自身の所有を示していたことに由来しています。自分の牛が他の牧場の牛と違うことがわかるように、目印をつけたということです。つまり「ブランド」とは、牛を区別するために生まれたと言えます。よくわからないビーフがスーパーでたたき売りされている中、高級レストランで霜降りA5クラスの松阪牛が、高額ながら次々に鉄板でグリルされていることをイメージすると、その意味を噛みしめることができます。

そしてブランドに「ing」が付いた言葉であるブランディングとは、自身のブランドの「らしさ」を戦略的に作って、顧客に差別化ができている形で認知してもらう活動のことです。本文の冒頭で書き出してもらった「らしさ」を、顧客・買い手に正しく認知して、記憶や感情に残してもらうためにはどうしたらいいのか。


読者がすぐにできることとして「ブランドキット」をつくることをオススメします。ブランドキットとはブランド = 〜らしさをルールとしてまとめることを意味します。言い換えると、自分のブランドの「憲法」をつくるということ。このブランドキットをつくることで、自身のブランドに関するロゴやビジュアル、フォントを定義し、今後のブランディングを行う上での基盤を固めることができるのです。

デザインツールサービス「Canva」のブランドキット(Canvaより)

パワーポイントやAdobeでも作成できるのですが、日本語にも対応しているオーストラリア発のベンチャー企業「Canva」の提供しているブランドキットで作成されることをオススメいたします。プロ契約をしていなくても30日間の無料期間に、このブランドキットを作り上げれば自分の製品やサービスの「らしさ」をルール化し、ウェブサイトやチラシ、名刺まですべてブランドキットに沿った形で作成することが可能になります。

Canvaでロゴを作成できるテンプレートはこちら

ブランドキットで何をブランディングする?

Canvaのブランドキットで定義するのは下記の内容です。

  • ロゴ
  • ブランドカラー
  • 文字のフォント
  • 写真
  • グラフィック
  • アイコン

もしまだ上記の内容が決まっていなければ、冒頭の3つの質問と回答を確認しながら、Canvaで膨大にあるテンプレートを参考にして、自分が必要とするブランドキットを作り上げたり、知り合いのデザイナーと相談しながら作っていくことも良いでしょう。


このブランドキットを通して顧客とコミュニケーションすることで、一貫性のあるコミュニケーションを顧客と行い、自身のブランディング活動のメリットとなります。ブランドの基礎を理解し、ブランドキットを作ることで、一貫したブランディングを行う基礎をつくりましょう。

おさらい「ブランドの基礎」

  1. ブランドは「牛の焼印」と「牛車の家紋」がはじまり。
  2. 実際に自分のブランドを「ブランドキット」でルール化してみる。
  3. ブランディングをもっと深く学ぶ人にオススメの3冊の書籍

『「売る」から、「売れる」へ。水野学のブランディングデザイン講義』
『ブランディングの教科書 ブランド戦略の理論と実践がこれ一冊でわかる』
『事例で学ぶブランディング』

この記事を書いた人

室橋健
室橋健
顧客関係管理の外資系IT企業でマーケティングマネージャー。慶応義塾大学卒業後、リクルートとベンチャー企業でデジタルマーケティングの仕事の従事。2011年から1年間、中国・北京の清華大学に留学。ホテル暮らしで日本全国を移動しながらフルリモート勤務を続けていたが、2022年春より京都の町家に定住。顧客管理のメモ理論を実践している。

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