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SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室茶色くてのっぺりしがちな料理「冷しゃぶ」を撮る(冷しゃぶ)

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夏の定番料理「冷しゃぶ」。肉写真は生は美味しそうに取れるのですが、加熱するとなぜか地味になってしまいます。地味でも美味しく見せたい!

ふ〜、暑い日が続きますね。こんな時は冷しゃぶ特集かな、と思って撮ってみたんですが、どうも美味しそうじゃないんですよね。茶色い料理って撮るの難しいです。

茶色いお料理ってたしかに難しいですよね。これもお肉ばかりだし、ペタンとしていますよね。

下にレタスをしいたんですが、あんまり見えないですね。

美味しいお料理って大体茶色いんですが、写真になると暗い感じになりますよね。今回の場合は、緑を少し見せて立体的にするだけでもかなり変わってきますよ。

Before 〈レタスが見えない平面的に盛り付けた写真〉

プロの常識 〈茶色い料理には緑を追加する〉

茶色い料理は画面全体が暗くなってしまいがちです。そんな時には緑を足してあげると急に華やかな感じになります。

プロのテク 〈レタスを見せ立体的に盛り付ける〉

冷しゃぶの「おいしそうなポイント」は、水分感。

ふっくら水分を含んだ豚肉や、野菜の瑞々しさ、タレがかかった感じなどが美味しさを演出します。

その水分感を出すために大事なのが光の当たる方向。こういう水分感を出したい場合は、料理の斜め後ろから当たる光を使うと、光が当たった方のお肉のエッジにキラっと光が写っておいしそうに見えます。

まずは、斜め後ろから光が入る位置を撮影場所としてセッティングします。

この図のように、斜めに窓に向かうようにして立つと、お皿の影が斜め手前(自分の方)に伸びてくるのが確認できます。そこを今回の撮影場所にしましょう。

窓の近くにテーブルがない場合は、平らな椅子や箱の上に大きめの板を置いても良いでしょう。

さて、冷しゃぶはお野菜と食べる人が多いですよね。せっかくなので、しっかりグリーンを見せて茶色いお料理を魅力的に見せましょう。今回は、お皿の下にグリーンをしき、また豚肉自体にも大葉とみょうがを和えてみました。

まずは、白いお皿にベビーリーフを乗せてテスト撮影をします。

葉っぱの左上の方が光に反射してキラっとなっています。これは「斜め後ろからの光」を使ったから出てくる水分感です。

次に、このベビーリーフよりも一回り小さいぐらいに山型にお肉をもっていきます。

べちゃっとしないように、山型にお肉を盛っていきます。

最後に一番上に大葉をふわっと盛ったら終わりです。
ここからはどんどん形が崩れてくるので時間との勝負です。急いで撮りましょう。

After 〈緑が加わって立体的になった冷しゃぶ〉

茶色いお料理だと思っていましたが、しっかり緑を見せると爽やかな夏の一皿って感じになりました。

茶色いお料理も、緑を見せる、立体的に盛るなど気をつけると、ぐっと美味しさが出てきます。是非やってみてください。

おさらい

◎茶色い料理は緑を見せることで華やかさを出す

◎立体的に盛ることで美味しく見える

◎水分感を感じさせるために斜め後ろからの光で撮る

冷しゃぶの写真まとめ

冷しゃぶの写真の撮り方のコツをお伝えしました。

たった3つ気をつけるだけで、こんなに変わりましたね。

スマホでも撮り方のコツを覚えると世界が広がりますよ🎵

《撮影時の光の当て方の関連記事はこちら》

この記事を書いた人

田部信子
田部信子料理カメラマン
カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。

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