Interview
インタビュー

《立石俊樹の仕事論》消防士から歌手、そしてミュージカル俳優へ。「1度きりの人生、好きなことをやろう」と覚悟を決め

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8月26日から福岡・大阪・名古屋・東京で上演される、ミュージカル『浜村渚の計算ノート』に出演する立石俊樹さんが語る仕事論。

プロフィール

俳優立石俊樹

(たていし・としき)1993年秋田県生まれ。2017年に「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン」で俳優デビューし、2021年には「ミュージカル『黒執事』~寄宿学校の秘密~」で初主演を務めた。以後、ミュージカル、映画、舞台、ラジオなど、精力的に活動。21年にダンス&ボーカルグループ「IVVY」を卒業した。

高校卒業後に消防士として働いていた立石俊樹さん。「やっぱり歌いたい」と、覚悟を決めた立石さんが、好きなことを仕事にし、輝き続けられる理由について語ってくれました。

今やっていることは必ず将来の財産になる

幼い頃から歌うことが好きでした。大学か就職か迷った末、就職のために秋田から上京。2年ほど消防士として働いていました。就職後もずっと「歌いたい」という気持ちが消えなくて、あるとき「何で自分は、歌っていないんだろう」って、もがいていました。その後は「1度きりの人生、好きなことをやろう」と覚悟を決めて、消防士を退職。養成所に入り、歌やダンスを学び始めました。やりたいと思うことができていない人も、遠回りしているように感じている人も、今やっていることは必ず将来の自分の財産になる。ときには失敗することも大事。失敗するから、自分の行動を振り返るし、そこで反省するから進歩できると思います。

親友の言葉「完璧な人間になりたいの?」

自分を変えたいと思った20歳のときに始めたのは、自己啓発本を読むことでした。もう夢中になって読み漁っていました。ある日、親友が僕に「そんなに完璧な人間になりたいの?」って言ったんです。その言葉を聞いたとき、ハッとしました。「このままじゃ、ダメだ」と焦っていた僕を「そのままで良いよ」と肯定してくれた。「人間はみんな違うから補い合えるんでしょう」と言われて目が覚めました。彼は今も心を打ち明けられる大事な親友です。後輩と接することも増えた今は、たくさん読んだ本の中から、言われたらうれしいことを思い出してアドバイスするようにしています。

故郷は自分をゼロ地点に戻してくれる大切な場所

高校を卒業するまでは生まれ育った秋田で暮らしていました。先日仕事で新潟に行ったとき、窓から広がる景色を見て、夢を追いかけていたころを思い出しました。ビルなんて1つもない、田んぼに張られた水が太陽の光を受けて、キラキラしている何てことない風景なんだけど、進路に悩んだ高校時代、迷いながらも進んだことなどを思い出して泣きそうになりました。経験を重ねると忘れてしまうことも多いけれど、自分をゼロ地点に戻してくれる場所や景色には敏感でいたいと思いました。

雨男だった僕に太陽が味方してくれ始めた理由

舞台で座長を務めたり、人間として一皮むけたと自信を持てるようになったことで、ご飯がおいしいとか、晴れたからうれしいとか、日々の中で「幸せ」を感じる時間を大切に出来るようになりました。それこそ昔は雨男だったのですが、2~3年ぐらい前から、野外の撮影などで太陽が味方をしてくれるようになったと感じたり。仕事で成功体験を重ね、役者としてはもちろん、人としても余裕を持てるようになったと思います。

「ときには失敗することも大事。失敗するから、自分の行動を振り返るし、そこで反省するから進歩できる」

取材・執筆・撮影/翡翠
編集/MARU

公演情報

ミュージカル『浜村渚の計算ノート』

原作 青柳碧人「浜村渚の計算ノート」(講談社文庫刊)
脚色・演出 植木護  作曲・音楽監督 松田純一
出演 桑原愛佳 / 立石俊樹 藤岡真威人 飯窪春菜 隅田美保 入来茉里
藤岡舞衣 西條妃華 小日向悠・近藤匠真(Wキャスト) 中谷妃那・中山美優(Wキャスト) /
井上小百合 レ・ロマネスクTOBI 朝隈濯朗 ダイアモンド☆ユカイ 他


福岡・キャナルシティ劇場 2023年8月26日(土)・27日(日)
大阪・森ノ宮ピロティホール 2023年9月1日(金)~9月3日(日)
名古屋・ウインクあいち大ホール 2023年9月9日(土)・10日(日)
東京・サンシャイン劇場 2023年9月14日(木)~18日(月・祝)

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