Interview
インタビュー

《片岡愛之助の仕事論》50代になって仕事が楽しくなった。「愛之助がやるから面白い」を追求

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映画『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』に出演する片岡愛之助さんが語る、大人が好きなことを仕事にするために必要なこととは。

歌舞伎俳優として舞台に上がる一方で、映画やドラマ、CMなど多方面に活躍している片岡愛之助さん。仕事を選ぶときに大切にしていることについて話してくれました。

【撮り下ろし写真】朱色スーツに身を包む片岡愛之助

仕事の指針は「愛之助がやったら面白そう」

いただいたお仕事をお受けするか、どうしようか。考えたときに大切にしているのは「チャレンジできることかどうか」ということです。「愛之助がやったら面白そう」など期待をしていただいていることに、自分が応えられるのか。僕は歌舞伎の人間ですから、僕が持っているものをスパイス的に入れたいと考えておられると思うので、そこに応えられるのか。お芝居の場合は、周りの役者さんとのキャッチボールもありますし、求められていることを出しながらも、自分自身の表現を広げることができるのかということを大事にしています。

何十回という舞台公演だからこそ「一期一会」

座右の銘は「一期一会」です。舞台公演は何十回という公演がありますが、もちろん毎回のセリフは同じものです。でも役者にとっては同じことの繰り返しでも、客席に座っているお客さまに、その空気を感じさせてはいけない。結末を知っていても、返って来る返事が分かっていても、新鮮さを失わずに表現すること。それが役者の務めです。僕自身もサーカスなど、自分の畑と違うものを観に行ったときに「面白い!」と感激したら、「次は、どこでやるのかな」とまた観に行きたくなります。ですから、その観劇に来てくださる一回一回がとても大事です。歌舞伎を観に来てくださる方にも「つまらなかった」とその後の人生が歌舞伎と縁遠いものになってしまうのではなく、「また観たい」と思っていただけるよう、一期一会の精神を忘れずにいたいです。ご縁とはそういうものだと思います。

舞台に立ち続けるためには「健康管理」

仕事を続けるために大切にしているのは「健康管理」です。どんなに芸を磨いても身体は1つしかないですから。僕ら歌舞伎俳優は代わりはいくらでもいる。だからこそ自分が舞台に立ち続けるためにできることは徹底したい。僕は死なない限りは這ってでも舞台に上がります。

決められた1日24時間の使い方は「細分化」

1日は24時間と決まっているので、舞台に上がる時間、家族との時間など細分化しています。舞台では重たい衣裳を着て片足で立ったり、立ち回りのときは重たい小道具を振り回しながら、ピタリと止まるなどの“技”も求められます。美しい所作のためには、体幹を鍛えることも必要。舞台で映える動きができるよう、定期的にトレーニングをすることも欠かせません。

仕事は「50代になったら楽しくなった」

僕にとって仕事は「楽しみ」です。苦しいときもたくさんありましたが、50代になった今、結果的に楽しいと思えるようになりました。若いときは色々と叱られたりもしましたが、お陰で忍耐がついたと感謝しています。仕事は周りとのバランスが大事。いろいろな世界の方とキャッチボールを重ねられることをとても幸せだと思っています。

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