Interview
インタビュー

役者を続けながら「大学を卒業する」と決めて身につけた処世術とは?「努力は裏切らない」「悩んでいる暇はない」という赤澤遼太郎の仕事論。

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2.5次元舞台だけでなく、役者として歌手として声優として才能を発揮し続ける赤澤遼太郎さんに、うまくいかない時、諦めそうな時の気持ちの切り替え方とは?

プロフィール

俳優・歌手・声優赤澤遼太郎

(あかざわ・りょうたろう)神奈川県出身。1997年1月11日生まれ。2015年、舞台『CHaCK-UP―Episode.0―』の準惑星エリス人☆エリィ役で俳優デビュー後、『あんさんぶるスターズ! オン・ステージ』や『おそ松さん on STAGE 〜SIX MEN’S SHOW TIME〜』などに出演し2.5次元俳優として話題に。俳優だけでなく、キャラクターボイス、パーソナリティなど幅広く活動中。

6月2日に公開の映画『アキはハルとごはんを食べたい』で主人公の一人アキを演じる赤澤遼太郎さん。これまでの役者人生で思うようにいかなかった時の気持ちの切り替え方や、チャレンジ精神について語ってくれました。

思うようにいかないときは、現在地ではなく「上」を見る

思い描くようにいかないときや、つまづくこともあります。そんなときは、「現在地」ではなく上を見るようにしています。「ほかにもやれることがある」と思うことで、道が開けると思うんです。第一線で活躍している一流の人たちは、たくさんの努力をしているのだということをミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」(2023年1月)でご一緒した別所哲也さんに教わりました。ものすごいキャリアをお持ちなのに、日々少しでも作品をいいものにしていくために努力を欠かさない姿を拝見しました。それだけでもすごいのに、MCを務めているラジオ(『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 』、月~木曜午前6時から放送)もあって、朝の生放送を終えてから、ミュージカルの本番。ソワレ(夜公演)がある日もありましたし。エネルギッシュに活躍する姿を見ていたら「悩んでいる暇はない」と感じました。

4年半の大学生活で学んだ処世術はその後の役者人生で活かせた

18歳のとき舞台「CHaCK-UP―Episode.0―」でデビューしました。役者の道に進むと決めたとき、親には「大学は卒業すること」を約束していたのですが、正直大変でした。授業と本番が重なった日は、1・2限に出た後、マチネ(昼公演)に向かう日もあり、「大学を辞めたい」と思ったこともありました。何度もくじけそうになりましたが、大学に入ったことを喜んでくれた祖父母や、学費を払ってくれている親のことを考えると、卒業することが一番の恩返しになると決意しました。けじめをつけたいという思いが、自分を頑張らせてくれました。

情報コミュニケーション学部で学んだのですが、人文学経済、社会科学など様々なことを教わりました。大学生活で身に付けたものの中で、今も活きているなと思うのは人の懐に入っていく術です。単位が足りなくなったとき、教授のところに「大阪公演に行ったときのお土産です」ってお菓子とかを持って行って、こっそり「あの……。テストはどのあたりが出るでしょうか」と聞いたことがありました。世渡りが上手になったなって思います(笑)

元気の源は「そば屋のカツ丼」。落ち込んだ時こそ大好物を食べる

基本的にポジティブシンキングですが、落ち込んだときには大好物を食べるに限ります。CMキャラクターを務めていたドミノピザ(2022年)なども、元気が湧いてきます。最近はそば屋のカツ丼がお気に入りです。出汁が効いていておいしいんです。おそば屋さんに行ったら、ぜひカツ丼を頼んでみてほしいです。

満足せず、チャレンジし続けたい

役者の仕事に正解はないと思っています。満足したら終わりだとも思っています。演じる役の心情を伝えるために、どんな準備をして臨むのか。ストイックに自分の演技を追求していたいですね。輝いている先輩方は、演じる時間を思いっきり楽しんでいるように見えるんです。僕もそんな風に、ワクワクしながら表現できるように、チャレンジし続けたいです。

桑田真澄の言葉「努力は裏切らない」に支えられた

僕は不器用なので人の何倍も頑張らなくてはいけないと思っています。心が砕けそうなとき、あともう一歩努力できるのか、できないのかは大きな差になる。大学の受験勉強中、直前までE判定だったのですが諦めずに続けた結果、受けた大学は全て合格しました。諦めそうになったときこそ、もう1歩頑張ってみる。そこが分かれ道になると思います。

受験生のとき支えにしていたのは、桑田真澄さんの本でした。実は僕の両親も祖父もPL学園(大阪府)出身で、僕も中学と高校は生まれ育った神奈川県を離れて、PLに進学しました。慣れない寮生活では、先輩でもある桑田さんの書籍にあった「努力は裏切らない」「何ごとにも感謝を忘れない」という言葉が励みになりました。感謝の気持ちを持つことはPLの教えでもあるのですが、親元で暮らしていたときには任せきりだった洗濯なども、自分でするようになって大変さが身に沁みました。軟式野球部に所属していたので、汚れものも多くて、ウタマロ石鹸でゴシゴシ汚れを落としていたのはいい思い出です。

「役者の仕事に正解はない。満足したら終わり」

取材・執筆・撮影/翡翠
編集/MARU

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