経験を仕事SEからキャリアをスタート。でもITで困っている人を助かるほうが自分に合ってるのでITコンサルタントに(ITコンサルタント/小笠原記子)
多様な働き方のリアルを聞きました!SEからITコンサルタントへの転身、さらに子供向けプログラミング講座の講師と多彩なキャリアを歩む小笠原記子さん。2度の出産と育児を経て、仕事との調和を図る中で自己投資の重要性を痛感。どうやって自分の仕事を確立したのかを聞きました。
プロフィール
元 SE の IT コンサル小笠原記子
仕事内容と自分らしいビジネスアイデアの見つけ方
どんな仕事をしていますか?
IT企業でITコンサルタントとしてとして働く傍ら、副業として子ども向けの思考教育に関わっています。ITコンサルタントは様々な企業のIT導入や活用を支援、専門分野はデータ利活用で、最近はデータドリブン経営に関連するプロジェクトを多く手掛けています。 SE時代やコンサルタントとしての経験を活かし、副業として子ども向けの思考教育にも関わっています。
今の仕事のキャリアは?
SEとしてキャリアをスタートしてから24年目です。副業は2016年から始めて7年目です。
なぜ今の仕事を「自分の仕事」にしたのですか?
高校生の頃、当時多くの大学に新設された「情報学科」に興味をもち、IT業界に足を踏み入れたのがきっかけです。大学卒業後は、そのままシステムエンジニアとして最初のキャリアをスタートしました。3年目になる直前にITコンサルタントへ転身し、今に至ります。
今の仕事は好きや得意なことですか?
ITという言葉が世の中に浸透し始めた過渡期に学生時代を過ごしたので、システムエンジニアの仕事に関心がありました。実際にやってみて、モノづくりそのものよりも、ITの力で困っている人を助けるコンサルタントの方が自分に合っているとも思いました。
なぜ、今の仕事がビジネスとして成り立つと思ったのですか?
昔から思考することが好きで、ごちゃごちゃしたものを整理するのを厭わないのですが、プロジェクトの現場は混乱していることが多いので、自分の強みを活かす場面は意外とたくさんあると気づいたことです。
「自分の仕事」としてやっていくと決めてから、やったことはなんですか?
就職活動をするときに、当時流行っていたITコンサルタントという仕事に就きたいと思いました。自分なりに勉強して臨みましたが、そのときは叶わず。新卒で入社した会社でSEの仕事をしながら業界研究は続けていて、タイミングをみて転職しました。
あなたの「強み」「弱み」は?
強みは、自分がやりたい、と思うことはどんなに時間がかかっても最後までやり遂げることです。仕事ではそれが信頼関係に繋がっています。弱みは、いろんなことに真面目に向き合いすぎることです。もう少し「遊び」があった方が楽しくやれるのだろうな、と思います。
自分の強みをどう仕事に活かしてますか?
はい。キャリアの途中でビジネススクールに通い、ビジネスの勉強をしたり、そこで研究したテーマをもとに副業を始めたりしました。その経験はIT業界の中では異色なので、差別化に繋がっていると思います。
自分の弱みをどう克服していますか?
以前は自分なりに「面白さ」を取り入れようとしたり、周りを楽しませようと努力しましたが、すごく大変なわりにあまり上手にやれませんでした。最近はが苦手なことは上手な人に任せ、自分の強みを発揮できる場面に力を注ぐようにしています。
ビジネスを立ち上げる時の最大の壁は?
フルタイムで本業の仕事をしていたので、副業として個人事業主の仕事を始めるときは、時間のやりくりが最大の障壁でした。主に週末の時間を使っていましたが、平日の疲れをとる暇がなくなかなか大変でした。うまく乗り越えることができず、今は副業のペースを落としています。
ビジネスを立ち上げる前に何を準備した?
ビジネススクールに通った2年間が準備期間に当たります。ビジネスの基本を学び、自分がやろうとする事業のコンセプトを作り、ビジネスモデルを考えました。それを修士研究の成果としてまとめ、卒業後にそのまま実践しました。
ビジネスを立ち上げてぶつかった壁は?
副業をはじめて最初にぶつかった壁は値付けでした。マーケティングの授業で学んだ4Pは、実践だと難しさが桁違いでした。自分が主催するワークショップの参加費を決めることさえできなかったのですが、最初から完璧を目指さず、試行しながら決めれば良いとわりきって前に進ことにしました。
1人社長ですか? それともチームですか?
本業のコンサルタント業は、プロジェクト型なのでチームで動きます。いまは管理職として部の運営もしています。副業は基本的に一人で運営していますが、人手が足りないときは知り合いに手伝ってもらうこともあります。
仕事に求める優先順位は?
一番は「やりがい」です。本業は困っている人を助けることが仕事なので、相手が自分を信頼してくれて一緒に問題解決に取り組むときにやりがいを感じます。一方の副業では、思考の面白さを小学生に伝える中で、本人やその保護者が、トレーニングを通じてその面白さに気づいてくれた瞬間にやりがいを感じます。
法人化してますか?
副業を法人化する予定は今のところありません。特に理由はなく、いまはコンセプトを伝える段階なので不要だと思っています。今後、広く広めようとしたときに必要であれば法人化を考えることもあると思います。
会社員を辞めてから今の仕事をはじめましたか?
フルタイムで本業の仕事をしながら、副業しています。副業をする上では自分の想いやモチベーションを大切にしたかったので、お金のことについて考えなくても済むように、本業を続けることは前提でした。
はじめての仕事はどのように獲得しましたか?
副業として、小学生向けの思考トレーニングワークショップを主催しているのですが、それとは別に、教育事業を手掛ける企業に教育コンテンツを提供したり監修する仕事もしています。最初の仕事は、自分が個人で運営していた副業のWebサイトに依頼がきたことがきっかけで始まりました。
最初に自分の力で稼いだお金を得たときの感想は?またその額はいくら?
本業では、会社勤めの人間として給与をもらう形でしたし、新人研修時代にも給与をもらっていたので、あまり実感がありませんでした。一方、副業では自分の労力に対してお金をもらえたことが非常に嬉しかったですしやりがいを感じました。そのお金でビジネススクール時代の学費ローンが返せました。
価格はどのように決めましたか? 価格設定で悩んだことは?
本業では相場が概ね決まっているのであまり悩むことがありません。一方、副業では参考にできるものがなかったので、どれくらいもらえれば嬉しいか?という基準で値付けしました。
ビジネスが軌道に乗るまでの期間とその間のやりくりは?
本業で自分が成果を出せていると実感できるようになったのは、この8年くらいです。それまではわりと目先のことで悩むことが多かった気がします。副業の方はまだ軌道に乗ったとは言えず、模索が続いています。