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イベントレポート

パク・ソジュン、今だから明かす「セロイの怒りや悲しみと生きた10カ月

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年が明けた2023年1月2日、5年ぶりに来日した韓国人俳優パク・ソジュン。日本で行われた2つのイベントを追いかけ、語られた言葉からパク・ソジュンの仕事にかける思いをお届けします。

10カ月にわたる「梨泰院クラス」の撮影生活とは?

韓国人俳優のパク・ソジュンが1月、5年ぶりに来日した。2020年に放送された主演ドラマ「梨泰院クラス」が世界的にヒットし、今年は映画「ザ・マーベルズ」でハリウッドデビューを控えているほか、映画「ドリーム」、「コンクリート·ユートピア」、世界約190カ国で配信されるNetflixシリーズ「京城クリーチャー」など多様な作品が公開される予定だ。ファンと交流した2つのイベントでは、ファンからの質問にも回答。左利きの役に扮した際は、日常生活でも右手を封印するなど、役を演じるのではなく、役に自分を重ねるこだわりを見せていた。

5年ぶりの来日は、2月に東京都内で2回目の開催が決まっているイベント「KROSS vol.1-kpop masterz-」への出演。そしてCMキャラクターを務める韓国の食品ブランドの催し「食べて会おう!パク・ソジュンといっしょ!bibigo パーティー」に登場するため。

バンテリンドーム ナゴヤ(名古屋市東区)で1月2日に初開催されたイベントには、アジアから世界を見据えたアーティストが一堂に集結。元東方神起のJ-JUN、欧州最大の音楽受賞式「MTV Europe Music Award」でベスト・アジア・アクト部門に輝いた5人組アイドルグループ「TOMORROW X TOGETHER」らがステージを盛り上げた。

5年ぶりの来日でKROSS vol.1-kpop masterz-に出演したパク・ソジュン(撮影/I am 編集部)

バンドが「梨泰院クラス」のメインテーマソング「始まり」を生演奏する中、姿を見せたパクは、「お久しぶりです。パク・ソジュンです」と日本語であいさつ。

満員のドームを見渡すと「このような大きな会場は、観に行ったことはありますが、ステージに立つことは初めて。思っていたよりも緊張しています。今日はみなさんと楽しい時間を過ごしたい」と韓国語で呼びかけると、観客が拍手で歓迎していた。

始まったトークショーでは、愛犬のシンバが週に3回犬の幼稚園に通っていることを明かしたほか、世界に旋風を巻き起こした「梨泰院クラス」の撮影を振り返る場面もあった。

「梨泰院クラス」で演じたパク・セロイについて、パクは「僕にとって新しい挑戦でした。撮影をした10カ月間、僕はセロイとして、セロイが持つ怒りや悲しみなどの感情と共に生きていて、成長することができました。撮影中は撮影現場と家を往復する生活でしたから、作品がみなさんに愛されているのか、感じる機会はありませんでした。今日、みなさんが大きな拍手で迎えてくださる姿を見て、本当にたくさんの人に愛していただくことができたのだなと感じました」と嬉しそうに客席を見渡していた。

その他の出演者たち

「KROSS」の第2回は2月25日、2月26日開催

俳優に打ち込むため大学時代に環境を整える

ビビゴのイベントに登壇したパク・ソジュン(撮影/翡翠)

パク・ソジュンは1988年12月16日、ソウル特別市生まれの34歳。両親と2人の弟がいる5人家族だ。プロの選手を目指し、野球に打ち込んでいた中学時代に入ったアニメサークルで舞台に上がる経験をしたことから、俳優を志すように。高校在学中に、演劇学校に通い技術を磨いてきた。より専門的に演劇を学びたいと、ソウル芸術大学の演技科に入学。同窓だった俳優パク・ジンジュと共に教師から「有名になる」と期待をされていたという。

韓国の成人男性に2年間義務付けられている兵役は、大学在学中だった2008年7月に就き、2010年5月に除隊。俳優の仕事に打ち込める環境を整えて行った。同年に知人を通じて知り合った俳優のペ・ヨンジュンに気に入られ、同氏の事務所と契約。翌年に、パン・ヨングクのミュージック・ビデオ「I Remember」に出演し芸能活動をスタートした。

12年には学園ドラマ「ドリームハイ2」で役者として始動。ドラマ「金よ出てこい☆コンコン」の演技が認められ、仕事が舞い込むようになった。小説家を演じたドラマ「キルミー・ヒールミー」(15年)、ファッション誌の副編集長に扮した「彼女はキレイだった」(同年)では、「優れた演技ができる20代俳優」として一目置かれるようになった。

BTSのVらとの交流、役に合わせた肉体改造の積み上げ

 BTSのVら豪華キャストが一堂に会した青春ロマンス時代劇「花郎<ファラン>」(16~17年)では、男気溢れる表情を見せ同性のファンも拡大。格闘家を目指す男を描いたドラマ「サム、マイウェイ〜恋の一発逆転!〜」(17年)は鍛え上げた肉体も話題になった。

パク・ミニョンとの恋愛劇「キム秘書はいったい、なぜ?」(18年)では、クローゼットの中や、壁ドンをしながらの美しいキスシーンで、視聴者をくぎ付けにした。ドラマや映画などで活躍する一方で、2020年からはフランスの高級ブランド「シャネル」のアンバサダーに就任。ハイブランドをシックに着こなす姿は大人の色気に溢れている。

2023年はVとともに出演している、食堂バラエティ番組「ソジン家」の放送が始まったばかり。劇場作品は、路上生活者と結成したチームで世界大会を目指すサッカー選手に扮した「ドリーム」、大地震によって廃墟になった街が舞台の「コンクリートユートピア」、秋には、ハリウッドデビュー作「ザ・マーベルズ」などの公開を控えている。韓国の食品ブランドのイベントでは、俳優として幸せを感じたとき、また役への取り組み方についても口にした。

パク・ソジュンが語った仕事観

ビビゴ商品を使ったレシピを紹介するパク・ソジュン(撮影/翡翠)

必要とされていると感じたときの幸せ

作品を撮影するときも、1人の人間として生きているときも、自分が誰かに大切な存在だと思われていると感じたとき。誰かに必要とされていると感じたときに、幸せを感じます。役者としては、完成した作品を観てくださる方がいて、そして作品について色々な感想を持ってくださる方がいることを幸せと感じています。

台本には書かれていないリアルな仕草の探求

色々な役をやらせていただく中で大切にしているのは、「台本に載っていない部分」です。どんな環境で育ったのか、どんな子ども時代だったのか。歩んできた人生を想像し、どんな感情を持って生きて来たのかを考えて行く。悩むことでもありますが、掘り下げていく中で、癖や習慣を自分で作って行くんです。(某代表作では)「髪をかき上げる仕草」を、彼の感情が変わる瞬間のサインとして取り入れました。ほかには料理が得意な青年を演じたときは、「料理上手に見えるように、包丁の使い方を練習しました」。左利きの役が来たときは、2カ月間(利き手の)右手を使わないようにするなど気を付けていましたね。

生きて行くために必要なのは「愛」

僕自身、こんなにたくさんの愛をいただけていることを驚いています。良い作品を通してご挨拶できることが恩返しになると思うので、作品を通してみなさんにもっと近づけるようなパク・ソジュンになりたいと思います。2023年に限ったことではなく、人が生きていくために大切だと思っているのは「愛」です。愛を大事にしていきたいです。

デビュー以来、最大級のスケジュールをやり遂げる

2月からは新しい作品の撮影に入ります。そして、みなさんにお会いできなかったコロナ禍に、撮影しておいた4作品が公開されます。それぞれのプロモーションもあり、忙しい1年になりそうです。僕がデビューして以来最大級のスケジュールになる予定なので、上手くスケジュールをこなすのも大事ですけど健康を大切にして、全てやり遂げることが目標です。

今年2度目の来日では、寿司やとんかつ店などに出向くことができたそう。とんかつ店では、支配人に「僕も、僕の妻も娘もファンです」と告げられ、「そこまでの人気があるのか」と驚いたと語る。新作のプロモーションで再び会えることを期待したい。

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