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SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室

SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室具だくさんスープが美味しそうに撮れません② 写真の撮り方以前のスープの盛り付け方

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どういうところが美味しそうじゃないと感じたのかな?

のっぺりしてるというか、スープのつや感もなくて、なんか乾いた感じになってしまいました

悩んでる間に料理がくたびれてきたのね。料理は生き物だから、盛り付けたらすぐに撮影したほうがいいの。そのためには……

Before 〈シズル感がなく時間が経った感じ〉

プロの常識 〈なるべく早くシャッターを押す〉

kikko さんがやっているように、先に盛り付けてから撮影場所を探す、という順序で撮影を始めると、いざ撮る時には料理が崩れたり乾燥したりしてしまいます。

お料理というのは作った直後が一番おいしそうに見えます。盛り付けてから、どれだけ短時間で撮影できるか、というのが料理写真では大事なポイントになります。

プロのテク1 〈先にお皿を置く場所を決める〉

そのためには、スープが出来上がる前にダミーのスープで撮影場所を決めて、テスト撮影しておきましょう。

その時に大切なのは「どの光を使うか」です。同じ窓際でも角度によって光は異なります。おいしく撮るために必要な光を使える撮影場所を探しましょう。

スープのような汁物の撮影でよくある失敗は、スープの表面が白く反射し、スープの色がわからなくなること。

テスト撮影の仕方

スープの代わりにトマトジュースを使ってテスト撮影をします。

確認したいことは 2 つ。

①トマトスープの赤い色が綺麗に出るかどうか

②スープの表面にキランとした光が入るかどう

この2つをマスターするには「光を味方につける」ことが必要です。〈どこで撮るか〉=〈どの光を使うか〉と思ってください。

ナチュラルな自然光で撮影

ここでは自然光(太陽の光)で撮影します。ストロボを使用せずに、部屋の中で自然の光で撮影するので日中の撮影ということが条件です。撮影するときは部屋の照明は消し、窓際で撮影するのが基本です。

窓に向かって撮る

まずは窓に向かって撮ってみます。スープの後ろから太陽の光が差し込む「逆光」になります。

これだと、スープの表面が反射で真っ白になってしまい、トマトの赤い色がきれいに表現できません。

結果:逆光はスープの撮影には向かない

横から光が当たる場所で撮る

次に、横から撮影してみます。光が横から当たる〈サイド光〉です。

反射で表面が白くなってしまうのは解消できましたが、つや感がない。
光を味方にして少しきらっとさせてつや感を出したいところです。

結果:サイド光は白く反射しないけどつや感が出ない

窓に対して斜めに向かって撮る

今度は斜めから撮影してみます。スープの斜め後ろから光が当たる〈半逆光〉です。

キラっとした反射でつや感も出て、トマトジュースの赤い色がきれいに表現できました。

結果:半逆光は反射も抑えてつや感も出せる

プロのテク2 〈場所と一緒にスタイリングも決める〉

お皿はこの位置、カメラはここから構えてシャッターを押すということがわかったので、本番の撮影の場所が決まりました。

この時にスタイリングも決めておくと、お料理が準備できた時にすっと撮れるのでより良いですね。スタイリングとはトレーを使ったり、カトラリーを添えたりすることです。テスト撮影の時にあらかじめ決めておくとスムーズです。

After 〈つやが出てシズル感も〉

いい感じにスープのつやも出て、全体的に暖かそうな感じです。あれ? でもなんか汚いですね

撮影場所に運ぶ間に崩れて、皿の中が汚れてしまったのね。実は料理はどこで盛り付けるのか?も大事なのよね。次回は、盛り付ける場所について教えましょうかね。

おさらい

◎盛り付けたらなるべく早くシャッターを切る
盛り付ける前にお皿の置く場所を決める

次回に続く

プロフィール

カメラマン・撮り方コンサルタント田部信子

カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。

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