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SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室かぼちゃグラタンが美味しそうに撮れません① 美味しさのポイントは色と凸凹!

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グラタン写真の撮り方1

秋冬めゆーの定番といえばグラタン。ホワイトクリームとチーズの最高のコラボレーションですが、グラタン写真は白一色に・・・。味がわからない写真にならないコツをお伝えします。

寒くなってくると食べたくなるのがグラタン。でも、いざ撮ってみると、ただの白い塊にしか見えないことも。グラタンの美味しそうポイントは、焼き色のついたチーズと、中の具を想像させる表面の凹凸。その2つをしっかりと見せて、美味しそう!と言われるグラタンを撮りましょう。

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ホワイトクリームとチーズの組み合わせが美味しいグラタンですが、この写真だと、なんだかただの白いかたまりに見えますね。

原因は「上からの光」で撮影したからです。例えば天井についているライトや高い窓から入ってくる光を使って撮ると、グラタンの表面全体に光が当たって立体感のない写真になってしまいます。

プロの常識① 横からの光でグラタンを立体的に撮る

グラタン表面の凹凸を見せるには、凸の部分に光を当て、凹の部分に影ができるようにすることが大切です。

具体的には、真横から光を当てます。自然光の場合、テーブルとだいたい同じ高さの窓際で撮影すると凸凹がわかりやすくなります。

この写真は、窓が左にある場所にグラタンを置いて撮っています。上の写真と比べると、表面の凹凸がより目立ってチーズの質感が分かりやすくなっています。

プロの常識② スキレットの形の歪みを直す

次に、スキレットの歪みを直します。この両手スキレットの取っ手部分は片側に寄っていて、くまさんの耳のような形にも見えますね。

でも、実際には持ち手は左右対称についています。

なぜ、取っ手部分が片側に寄って見えるのでしょうか。原因はカメラアプリを立ち上げてそのままで撮っているからです。

料理写真を撮る時は、スマホのカメラアプリを立ち上げたあと、必ずズームアップをしましょう。やり方は、2本指でピンチアウトするか、「X2」「X3」のボタンを押します。

よりグラタンが大きく写りますが、そうしたら画面の中でグラタンが適切な大きさになるように、自分が下がってください。

ズームアップして撮ると、スキレットの取っ手がきちんと両側についているように見えますね。これで違和感のない写真になりました。

しかし、これでもまだ美味しそうなグラタンには見えませんね。

ここからはいよいよ、グラタンのおいしさを表現するために工夫をしていきましょう。まずは、次に2つのことを意識して、グラタンを作り直します。

①こんがり焼けたチーズの焼き色を見せる

②中の具が想像できるようにする

プロの常識③ チーズの焼き目は意図的に作る

グラタンと聞いて思い浮かぶのはどんなイメージでしょうか。私は表面のこんがり焼けたチーズや、お皿のヘリにうっすらついたチーズやホワイトソースの茶色く焦げた部分を思い出すとお腹が鳴ります。自分が美味しそうと思う部分を、きちんと写真にも表現していきましょう。

まずは表面のチーズにしっかりと焦げ目をつけることを意識してみましょう。実際にグラタンを作ってみると、チーズによってはなかなか焼き色がつかないものもあります。今回はしっかり焼色をつけたいので、雪印メグミルクの『こんがり焼ける とろけるスライス』を使います。

このチーズをグラタンの表面に敷き詰めていきます。

プロの常識⑤ かぼちゃを「見せ具」として上に乗せる

グラタンはそのまま撮ると中にどんな具が入っているか見えません。グラタンの写真の一番むずかしい部分ですね。

対策としては2つ。

①メインの具を「見せ具」として上に乗せる

②スプーンでグラタンを持ち上げる

今回は1.の、メインの具材を上に乗せる方法をやってみます。

今回のメインの具はかぼちゃです。かぼちゃを温める時に、あらかじめ飾り用のかぼちゃを取り分けておき、最後の仕上げの段階で、飾り用のかぼちゃを上に乗せます。

プロの常識⑥ あえてチーズはスキレットからはみ出させる

次に、美味しそうポイントとして、スキレットの縁にホワイトソースやチーズの焦げ目をつけたいので、はみ出したソースはそのままにして、わざとチーズを乱雑に散らします。

最後にサクサク感を出すために、パン粉を軽く散らし、トースターに入れて焼きます。

焦げないけれど、焼き色はしっかりついている、この焼き加減を目指してじっくり焼きましょう。

目を離すと焦げてしまうので、くれぐれも注意してください。

After 白いグラタンに焼き色と立体感

チーズの焼き色がついたら、上にパセリを散らし、かぼちゃグラタンの出来上がりです。

チーズの焼き色やかぼちゃがしっかり見えて、美味しそうなグラタンになってきました。次回は、もう少し秋っぽいスタイリングをしていきます。

グラタンの撮り方 おさらい

◎表面の凹凸を見せるために、低めの横から光が当たる場所を探す

◎ズームアップして、お皿の正しい形を写す

◎チーズの焼き色がきれいにつくようなチーズを選ぶ

◎メインの具をトップに乗せる

この記事を書いた人

田部信子
田部信子料理カメラマン
カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。

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