理想の働き方をいいとこどり?フリーランスは好きなことだから続けられる!?理想の仕事の見つけ方<エッセイマンガ家カワグチマサミさん/第2回>
育児をしながらでも、好きを仕事にしたい! 会社に勤めずにフリーランスで働いてみたい! それを可能にす る方法を見つけたエッセイマンガ家カワグチマサミさんに秘訣を聞いた。
プロフィール
イラストレーター川口真目
デザイン事務所でデザイナーとして働いた後、イラストレーターになり、フリーランスへ。妊娠・出産しても変わらずに働きたいと思っていたが、それは至難の業だった。
紆余曲折しながらも、育児をしながら好きを仕事にし続けるために奔走したカワグチマサミさんが見つけた、育児と好きな仕事の良いバランスとは?
さらに、フリーランスとして働くために必要なこと、自己分析やスキルアップ、売り込みなどの方法なども、たっぷりと教えてもらいました。
*全 3 話 3話はこちらからどうぞ
目次
まずは自分の「好き」を知らないと始まらない!
育児中に関わらず、好きなことを仕事にしたい、フリーランスでクリエイティブな仕事をしてみたいと思ったら、まず何をすればいいでしょうか。
まず何より、フリーランスという仕事は、好きなことでないと続けていくことができないと思ったほうがいいです。
なんとなくの憧れや、儲けたいという思いでスタートするのは難しい?
フリーランスを長くやってきて改めて思うのは、フリーランスはただ気ままで自由な職業ではありません。もちろん、時間を自分でコントロールできる利点はありますが、仕事に合わせて自分で情報収集をしたり、スキルアップのために学んだり、自発的にやるべきことがたくさんあります。何より、面倒な確定申告や事務作業も全部自分でやる必要があるので、好きなことじゃないと頑張れないと思うんです。
確かに!好きじゃないもののために、考えて行動し続けるのは大変ですね。
そう、好きを仕事にし続けられたのは、やっぱりワクワクして、楽しくて、好きだから。自分が描いた絵や伝えた情報で喜んでくれる人がいるからです。
フリーランスになるなら、好きなことを仕事にするのがベストということですね。
そうですね。
「本当に好きなこと」がわかる自己分析の秘訣
好きなことが見つからないけれど、好きなことを仕事にしたい人はどうしたらいいのでしょう。
好きなこと、ワクワクすること、得意としていることって普段の生活の中では気づきにくいものなんです。私が講演会などでおすすめしているのは、自分自身にいくつかの質問をしてみることです。
自問自答をすることで好きなことが見つかると?
自分が何についてワクワクしているのか、意外と気づいていない人が多いんです。著書『子育てしながらフリーランス』でもお伝えした質問をいくつかお伝えすると、まず、「今やってみたいことやチャレンジしたいことは何?」「子どもの頃に夢中になっていたことは?」「飽きずに続けていることは何?」と自分に聞いてみることです。
普段の生活で実は好き、楽しいと思っていることを棚卸するのですね。
次に、自分が持っている得意なこと、つまりスキルを発見するための質問をする。例えば「初めてやったのに苦もなくできたことは?」とか「『お金もらったほうがいいよ』と言われたことは?」というようなものです。その人が当たり前のようにできることっていうのは、実は、ものすごいスキルだったりするので。
なるほど。それは、片付けが上手とかでもいいわけですね。
もちろんです。次に、「ワクワクすること」と「スキル」を掛け合わせてできることの中で、「ニーズがあるもの」を見つけていきます。ワクワク、スキル、ニーズ、この3つを掛け合わせることで、オリジナルの仕事を生み出すことができます。
自分が得意としていてワクワクすることが、社会にどう必要とされるかを考えるということですね。それを見つけるためにはどんなことをすればいいんですか?
「自分自身が普段から不自由に感じていることを自分のスキルで解決できるかどうか」を考えてみたり、「自分のスキルを活用してどんなサービスを作れば喜んでもらえるか」を考えてみたりすることですね。
理想の働き方の見つけ方って?
自分のワクワクとスキル、ニーズが重なってやりたいことが見つかったら、早速仕事にしてみるのがいいのでしょうか。
最初から自分の理想通りの仕事ができるかというと、それは難しいかもしれません。というのも、来る仕事をこなしているうちに業界のことが徐々にわかってきて、自分がその業界でやりたいこともわかってくるからです。
できる仕事はとにかくやってみたほうがいい?
はい。もちろん前提として、理想とする働き方ややりたい仕事があればそれを目指すのはいいことですが、これもまた、最初から完璧を目指しすぎると、思った通りに行かなかった時の落胆が激しいですよね。
確かに。最初の理想が高いと、選り好みしてしまいそうですしね。
自分がやりたいと思える仕事がわかっても、その業界については初心者なので、まずは、いただく仕事をこなしながら、実績を作ることが大切です。実績っていうのは、フリーランスにとってクライアントからの信頼そのもの。
信頼が積み重なっていくと、クライアントに「あ、自分はこういうことがしたいから提案してみよう」ということができるようになります。
なるほど。外から見ている時の「やりたい仕事」と、中に入ってからの「やりたい仕事」は変わってくるということですね。
最初に思っていたことよりも、具体的に走り出してからの方が、やりたいことが具体的に見えてくることが多いですね。また、理想の働き方を追い求めるなら、誰か1人の憧れの人を真似しようとするよりも、3人くらいビジネスモデルになる人を探す方がいい。自分の性格や環境などに合わせてミックスさせることで自分らしい理想の働き方も見えてきます。
確かに、誰か理想の人と同じように働こうとしたら、そうなれないことに落ち込んじゃいそうですね。
はい。特に育児中の人の場合は自分の都合だけで動けないことだらけですし、育児環境と相談しながら、自分だけの「理想のフリーランス地図」を作っていくのが大切だと思います。
フリーランスになる準備はプロフィール作りから
最初の仕事を取るために、フリーランスとしての仕事をスタートさせるために、何から始めればいいんでしょうか?
最初はやはり住居をオフィスすることで出費のリスクを最低限に留めつつ、パソコン環境を整えましょう。特にクリエイティブなことを仕事にしたい場合は必須です。
高価なものを揃えるのが難しい場合は最小限でもいいですか?
私も、独身の駆け出しフリーランスの頃はお金もなかったので、スキャナーなどは友人から譲ってもらったりしましたが、今は、iPad があれば仕事はこなせるということも多いので、自分に必要なものを調べることからでしょうか。
環境が整ったら次は何をすればいいでしょう?
何よりもまず、プロフィール作りですね。クライアント、つまり、仕事を依頼する人が知りたいのは、実力や能力よりも「信頼できる人」かどうかです。肩書きや自分を表すキャッチコピー、プロフィールを検討し、それからウェブサイトや名刺を作ること、ブログを始めることなどでしょうか。
名刺にウェブサイトとくると、一気に現実化しますね。
先ほどもお伝えしたように、駆け出しのフリーランスはやりたい仕事をやろうとするよりも、コツコツ信頼を積み重ねることが大切です。実績のないフリーランスは、クライアントから見ると、仕事ができるかもわからない得体の知れない人物ですからね。
確かに、仕事を発注する側からすれば、作品がウェブサイトなどにアップされていても、実際にどんなクオリティのものが、納期通りに上がってくるかどうかは仕事をしてみないとわかりません。
そうですね。現在は、クラウドソーシングなどのプラットホームも数多くあり、仕事を得る機会はたくさんありますが、ひとつひとつの仕事を大切にして、ウェブサイトなどに掲載できる実績を積み重ねていくことが大切だと思います。
取材/I am 編集部
文/MARU
写真/本人提供
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この記事を書いた人
- 猫を愛する物書き。独立して20年。文章で大事にしているのはリズム感。人生の選択の基準は、楽しいか、面白いかどうか。強み:ノンジャンルで媒体を問わずに書けること、編集もできること。弱み:大雑把で細かい作業が苦手。
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