定年後も働きたい女性は7割。定年後就活のポイントは「好きなこと」
40代後半以降、女性はキャリアパスをどう組み立てていくべきでしょうか。専門家の意見をうかがいます。
プロフィール
キャリアコンサルタント小島明子
男女雇用機会均等法の第一世代の女性が、数多く定年退職を迎えています。以降の世代も、定年前後まで働き続ける女性は増えていくでしょう。
そんな時代にあって、40代後半からの女性のキャリアパスはどう考えるべきでしょうか。日本総合研究所 創発戦略センターのスペシャリスト、小島明子さんよりアドバイスをいただきました。
目次
一般事務の仕事はかなりの狭き門
日本総合研究所の調査では、「定年後も働きたい」と考える女性は約7割にものぼります。
そして、定年を迎え再就職する際に、希望職種に一般事務を挙げる人は非常に多いです。ですが、事務の仕事は、1つの募集枠に100人の応募が来るほど狭き門となることがあります。AIの発達で、事務仕事自体が減っていくことも予想されます。
未知の仕事に抵抗はあるかと思いますが、ここは「柔軟性」をもって考えるべきです。例えば介護業界は人手不足であり、即戦力となるための公的機関の就職支援講習も充実しています。実際、介護関連のコースを受講する人も増えているようです。これは一例にすぎませんが、定年前から外の世界を見て、自分の可能性を広げるようにしましょう。
外部のネットワークを作っておこう
定年前のセカンドキャリアや定年後の再就職に役立つのは、外部のネットワークをあらかじめ作っていくことです。
ここで言うネットワークには、地域でのボランティアや頼まれごとなど、さまざまな活動が含まれます。早いうちから、そうした準備をしておくことが大事です。
見知らぬ世界へ一歩踏み出すことに、ためらいを感じるかもしれません。その場合は、社内の違う部署と仕事をする機会を、もうけることから始めるとよいでしょう。そこから少しずつ広げて、社外の人と一緒にプロジェクトに携わるなどしていくのです。
そのネットワークから、再就職につながる芽が出ることもあります。意識して取り組んでみましょう。
「好きなことをする」という視点をもつ
将来のセカンドキャリアや定年後を見据えて、副業に携わることもおすすめします。
副業を選ぶコツは、「好きなことをする」という考えで。
昨今は「コスパ」という言葉がもてはやされていますが、あまり経済的価値ばかりフォーカスするのではなく、純粋に自分が興味を持てることにチャレンジしてみるのがいいと思います。これは上で述べたネットワークづくりにも通じることですし、リカレント教育の講座も、好きかどうかを基準に選んでみるとよいでしょう。
今は、「好き」を追い求めていい時代だと思います。好きなことなら、努力を感じずに自分で学ぶようになります。そのほうが、道が開けたり、本業と親和性が出てきてエンゲージメントが高まるなどメリットはたくさんあります。その視点で、ご自身にとってベストの副業を探してみましょう。
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この記事を書いた人
- 都内出版社などでの勤務を経て、北海道の老舗翻訳会社で15年間役員を務める。次期社長になるのが嫌だったのと、寒い土地が苦手で、スピンオフしてフリーランスライターに転向。最近は写真撮影に目覚め、そちらの道も模索する日々を送る。