Interview
インタビュー

【津田健次郎の仕事論】人生の3分の1は仕事をしているからこそ、好きなことを

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大回顧展「イヴ・サンローラン展 時 を超えるスタイル」で音声ガイドのナビゲーターを務める津田健次郎さんが語る、大人が好きなことを仕事にするために必要なこととは。

プロフィール

声優津田健次郎

大阪府生まれ。1995 年に声優デビュー。アニメ、洋画吹替、ナレーターなどの声優業のほか、俳優として舞台や映像の世界で活躍している。代表作にテレビアニメ「呪術廻戦」、ドラマ「トリリオンゲーム」など。TBS 系で放送中の情報番組「情報 7days ニュースキャスター」などでレギュラーを務めている。

声優、俳優、ナレーターと活躍の津田健次郎さん。表現とは何か。常に 0 地点に戻り、自分を見つめ直すといいます。50 代を迎え変化した仕事との向き合い方についても語ってくれました。

インプットする時間を作る

声も演技のお仕事のときも、僕だけの独自性を追求したい。自分の中に眠っているもの、経験したことが表現にいきると思うので、色々なものをインプットする時間を作るようにしています。アートなら本物を見ること。絵画なら筆圧や絵の大きさなどから感じられるエネルギーを、画集からくみ取ることは難しいですよね。ファッションならどのような刺繍が施されているのかなど、一流の思考に触れ心が揺さぶられる感じを味わいたい。受けた衝撃が僕の視野を広げてくれるように感じます。

「足りない」が「次はもっといいものを」につながる

自分の表現を突き詰めていくために、大切にしているのは「足りない」という思い。完成はない世界なので、「次はもっといいものを」と考えてチャレンジし続けることが、僕の原動力になっています。

才能のなさを知ることで新しい道が開ける

僕自身は師匠と呼べる方がいないので、背中を追えるような人がいたら…と、そういう対象を欲してはいます。でもこの人という存在はいないけれど、クロード・モネや、イヴ・サンローランなど偉大な表現者たちが生み出した作品や、偉大な俳優、監督が残した映像作品などが僕を導いてくれている。作品に触れることは、その意思に触れること。作品に触れることで叱咤激励され、鼓舞されている。その経験が僕の血となり、肉になっています。「表現とは何か」と立ち止まったとき、表現の頂点にあるものに触れると 0 地点に戻ることができる。自分の才能のなさを突き付けられることもあるけれど、その気づきが新しい道に繋がっているんです。

人生の3分の1は仕事をしている

僕らは必ずいつか死にます。これは間違いないこと。だからやりたいと思うことがあったら、やる方向に動いた方がいいと思います。生きていく上で仕事は欠かせないもの。1 日 8 時間は仕事に費やすと考えたら、人生の 3 分の 1 は仕事をしているわけですよね。好きなことがあるならやってみて、そこで考えたらいい。苦しいと思ったら次。潔く辞めたっていい。
でももし選んだ道が当たっていたら、一生をかけてやり遂げてみませんか? 好きなことを仕事にするだけが人生ではないけれど、興味がある世界には飛び込んでみる。それが許される環境にあるなら、それはとても幸福なことだと思います。

50代になって仕事への考えに変化

50 代になり、仕事に対する考え方が徐々に変化してきました。「芝居とは何か」。もっと高い次元の表現を身に付けるためには、違う世界にもどんどん踏み込んで、同時進行していかないと間に合わない。理想は思考も身体表現も、真の意味で自由になることです。

この記事を書いた人

翡翠
翡翠執筆・写真
音楽や映画、舞台などを中心にインタビュー取材や、レポート執筆をしています。強み:相手の良いところをみつけることができる。弱み:ネガティブなところ。

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