Interview
インタビュー

《窪田正孝の仕事論》誰と作品を作るか、何を残すか。「こんな感じでやればいい」を排除する

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窪田正孝

映画『スイート・マイホーム』に出演する窪田正孝さんが語る、大人が好きなことを仕事にするために必要なこととは。

窪田正孝

プロフィール

俳優窪田正孝

(くぼたまさたか)1988年生まれ。神奈川県出身。2006年に俳優デビュー。『ふがいない僕は空を見た』(2012)でヨコハマ映画祭最優秀新人賞、高崎映画祭最優秀助演男優賞を受賞。主演を務めたNHKテレビ小説『エール』ではエランドール賞を受賞するなど演技も高い評価を得ている。『ある男』(2022)では第77回毎日映画コンクール男優助演賞、第46回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞などを受賞。『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』(2023)で主演を務めるなど、ドラマ・映画・舞台の垣根を超えて活躍している。現在、映画『春に散る』公開中。『愛にイナズマ』の公開も控えている。

20代と比べるとできないことも増えたと明かす窪田正孝さん。「できない」と思い詰めるのではなく、変化した自分を認めることで成長できると語っています。好きを仕事にし続けるために行っていることなどについて伺いました。

窪田正孝
20代は「自分は何でもできる」と考えていた

20代の自分に言いたいのは「もっと恥をかけ」

20代のときは怖いもの知らずで、「自分は何でもできる」と考えていました。周囲の支えもあり、大きな失敗をせずに30代を迎えられたことはありがたいことですが、当時の自分にアドバイスできるなら「もっと恥をかけ」と伝えたい。恥をかいた分だけ、芯が強くなれると思うから。

過去を悔いず、未来を不安せず、今を感謝する

大切にしている言葉は「今」。過去でも未来でもなく「今」です。食事をして、安心して眠ることができ、大切な存在がある。過去を後悔することなく、未来を不安視することもしない。今に感謝したい。

「0に戻る」ということ

いただいた依頼をお受けする中で大切にしているのは、「0に戻る」ということ。経験したことがある役だから、こんな感じでやれば良いという考えは排除して、常に楽をしないように。誰と一緒に作品を作っていくのかということも大切なこと。何を残したいのかということも意識しています。

窪田正孝
20代と比べると「できないことが増えた」

できないことが増えて「老い」を感じる?

30代になった今は、自分の身体のメンテナンスが欠かせません。心と身体の内省のために続けているのはピラティス。地球に対して真っ直ぐ立つこと。関節や筋肉への負担が最小限でありながら、持っているポテンシャルを最大に発揮できるニュートラルポジションを保ち続けることが理想です。主演した『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』はステージに傾斜があり、立ち続けるだけで足の根っこがずれて、骨盤が開いてしまうなどバランスが崩れがちでした。

20代のときと比べるとできないことも増えていて、“老い”を感じることもあります。でもネガティブと向き合うと、そこに留まってしまったまま成長できないので、できない自分を認めて今を楽しもうと、切り替えています。『エヴァ』を経験して学んだのは、脱力すること。身体も心も開放することが大切なんです。

弱さを認めることで、コンプレックスは個性に

生まれ育った中で芽生えたコンプレックスは誰にでもあるもの。人に話して意見を聞いたり、自分の弱さを認めることで意識を変えられるかなと思います。コンプレックスが悪いという思考がそもそも違うと感じていて、それって逆にいえば個性ですよね。どんなことも視点を変えて見ると、自分を楽にできる。思考を変えるだけで、自分の人生が華やかになると思います。

取材・執筆・撮影/翡翠

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