Interview
インタビュー

役者の引き出しを増やした平岡祐太が好きな香りは?あるシーンで「逡巡」した理由。

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6月16日から公開されている映画「魔女の香水」に出演する平岡祐太さんに、映画の見どころや役作りについて伺いました。

プロフィール

俳優平岡祐太

男優。1984年9月1日広島県生まれ。O型。2002年に『第15回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でグランプリを受賞し、映画『スウィングガールズ』で『第28回日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞し注目を集めた。

香水をテーマに女性の成長を描く映画「魔女の香水」で、平岡祐太さんが演じているのはキンモクセイの香りを漂わせている実業家・横山蓮。香りにまつわる記憶や、映画への思いを語ってもらいました。

平岡祐太が香りで思い出すのは南フランスと地元山口県

――香水をテーマに、女性の成長を描く映画「魔女の香水」に出演されます。平岡さんが演じる実業家・横山蓮は、キンモクセイの香りを漂わせているという設定です。平岡さんご自身は好きな香りがありますか。

平岡:はい。香水はもともと興味があって、お店で好きな香りを調合してもらったこともあります。ウッド系や、甘いムスク系の香りが好きですね。自宅で使うアロマオイルなどは、ユーカリなど爽やかなものを選ぶことが多いです。

――香りは忘れていた記憶を思い出させる効果(プルースト効果)もありますよね。平岡さんは、香りで思い出す情景がありますか。

平岡:ラベンダーの香りがすると、南フランスを旅行した楽しかった思い出がよみがえります。自宅のベランダでもラベンダーを育てているのですが、風が吹いたときに、ふわっと部屋の中に香りが入って来ると、プロバンスの景色が広がります。映画で演じた横山が好きなキンモクセイは、僕にとって小学校の登下校を思い出す香り。地元が山口県なのですが、オレンジ色の小さな花でいっぱいになった道を歩いた懐かしい記憶が浮かびます。

――映画では、香水店の店主に黒木瞳さん、挫折をバネに奮闘する派遣社員を桜井日奈子さんが演じます。撮影中のエピソードを教えてください。

平岡:黒木さんは“魔女さん”と呼ばれる女性なのですが、その言葉がピッタリだと思いました。上品さの中に神秘的なものがあって、底が見えないオーラがありました。桜井さんとは様々なシーンがある中で、台本ではあっさり書かれていたシーンでも、「逡巡が必要だ」と監督から言われた記憶があります。僕にはない感覚だったので始めは困惑したのですが、完成した映像を観たときに「こういうものを撮りたかったのか」と。監督が持っている女性的な感性を知ることができて、役者としての引き出しが増えました。

『魔女の香水』の1シーン/Ⓒ2023 映画『魔女の香水』製作委員会

平岡祐太が「好きを仕事に」した実業家を熱演して感じたこと

――演じる横山は役作りでご苦労されたことはありましたか。

平岡:横山は事業を起こした人間。掲げているポリシーが大きい人が失敗した途端にもろくなってしまう姿を、自分の周りで見たことがあったので、その姿を思い出しながら役作りをしました。表面はプライドを保ちながらも、中身はいっぱいいっぱいな感じを出せていたらいいなと思います。

――横山のように起業したい気持ちはありますか?

平岡:起業して、しかも成功する人って一握りですよね。0を1にできる人に憧れますが、僕自身は人の上に立つような人間ではないと思うので、一人のクリエーターでいたいです。

――作品の見所を教えてください。

平岡:映画にはたくさんの名言が出てくるので、今の自分に刺さる言葉もあると思います。この作品が、映画を観て下さった方たちの人生を手助けできるような羅針盤になればうれしいです。

――「魔女の香水」が公開される6月16日には、関西弁のプログラマーに扮したホラー映画「忌怪島/きかいじま」も封切られます。

平岡:はい。「魔女の香水」とは全然違うトーンの作品です。役者は監督との出会いで成長していくもの。監督によって役の見え方が変わるので、色々な監督と仕事をしてみたいですね。是枝(裕和)監督の作品が大好きなので、ぜひご一緒したいです。

『魔女の香水』の1シーン/Ⓒ2023 映画『魔女の香水』製作委員会

取材・執筆/翡翠
編集/MARU

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