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起業、独立、副業で役に立つお金の思考法今40歳、年収400万円、65歳定年でもらえる年金は175万円。リスキリングと外貨投資が必要なワケ

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ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子さんに、起業や独立、副業に必要なお金の思考法を聞く連載。第2回目は、社会問題にもなっている「老後不安」を減らすための外貨投資とリスキリングについてお伝えします。

プロフィール

インタビュアー、スタートアップ広報中村優子

(なかむら・ゆうこ)元テレビ局アナウンサー、インタビュアー、スタートアップ広報。作家・林真理子さんのYouTubeチャンネル「マリコ書房」、および著者インタビューサイト「本TUBE」を運営。インタビュー動画の企画から出演、編集まで一人でこなす。年100本以上の動画制作に関わる。2022年、スタートアップ広報の会社を設立。

少子高齢化で老後不安 外貨投資とリスキリングの必要

社会全体が抱える老後不安とは

シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。


2022 年の出生数は前年比 5.1%減の 79 万 9728 人で、初めて 80 万人を下回ったことが 2 月28 日に厚生労働省の人口動態統計(速報値)分かり、メディアで話題になりました。政府機関の推計より 10 年ほど早いペースで少子化が進んでいて、このままでは社会保障制度の維持厳しくなることが予測されます。


65 歳以上の高齢者人口と 15~64 歳(現役世代)人口の比率は、1950 年には 1 人の高齢者に対して 12.1 人の現役世代がいたのに対して、2015 年には高齢者 1 人に対して現役世代 2.3人となり、2065 年には、1 人の高齢者に対して 1.3 人の現役世代という比率が予測されてい ま す ( 総 務 省 「 国 勢 調 査 」、 国 立 社 会 保 障 ・ 人 口 問 題 研 究 所 よ り)

高齢者を支える現役世代と支えられる高齢者のバランスがいびつになり、社会保障を維持するには現役世代の一人あたりの負担が急増することになるでしょう。もしくは社会保障給付を大幅にカットすることが考えられます。そうなれば、現在と同水準の年金や 3 割負担の医療保険などを受給することが難しくなります。


このような将来のリスクをしっかりと認識し、資産保全やリスキリング(新たな仕事に適応するために必要なスキルを得る)などの準備が必要です。

どうやってリスクに備える?

具体的には日本にいる人であっても外貨で資産運用をすることができます。2023 年 3 月 1日現在で半年、1 年物の米ドル預金の金利は 4.6%程度です。米ドル預金は預金保護の対象外で、為替の変動リスクはあるものの、日本にいながら高い金利を得ることができます。


もう少しリスクが取れるという人は世界株式インデックスに積立投資をすることも考えられます。日本は人口減少、財政の悪化などマクロ環境が非常に厳しいですが、世界経済は平均して 2~3%程度成長を続けています。世界株式インデックスに投資をすれば、日本にいながらも世界経済の成長の果実を得ることができます。


また、日本円の現金はインフレ下では価値が目減りしていくために、価値の上がる資産にシフトをさせていく必要がありそうです。コモディティ、不動産、株式などに分散投資をして稼いで貯めたお金を目減りさせない工夫が必要です。上級者になると、海外の不動産、海外に口座を開けるなどを検討してもよいですが、まずは日本にいながら防衛できる工夫をしましょう。

人生100年時代リスキリングをしよう

写真/Canva

稼げる年数を増やすためのリスキリング

できるだけ現役で稼げる年数を増やすためにもリスキリングをし、働ける時は働き続けるようにしましょう。テクノロジーの進化は目まぐるしく、第一線を離れてしまうと、取り戻すことが以前よりも困難になってきました。その代わりに働き方や働く場所などはフレキシブルになりました。子育て中や介護中などでも無理のない範囲でキャリアを継続させることが重要です。低空飛行であっても、全く稼働していないのとは大違いです。

インフレの長期トレンドは賃金カットにつながる

なぜキャリアを継続させたほうがよいかと言うと、世界中でインフレが長期トレンドとなりつつある中、一番ダメージを被るのが年金生活者だからです。給料所得者の場合、遅れるものの賃金に反映される場合が多いです。しかし、年金は物価や賃金の変動率のほかに、マクロ経済スライドによる調整が行われています。物価が上がっても、実質賃金が下がれば、年金は減らされる場合もあるのです。

おひとりさま年金生活者はすでに赤字生活

写真/Canva

「年金には頼れない」の具体的数字

年金生活者は年金だけでは家計はギリギリもしくは赤字に陥っているケースが一般的です。
家計調査(2020 年)によると、65 歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の場合、実収入は 256,660 円、可処分所得は 225,501 円、消費支出は 224,390 円、平均消費性向は 99.5%です。65 歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の場合、実収入は 136,964円、可処分所得は 125,423 円、消費支出は 133,146 円、平均消費性向は 106.2%と赤字になっています。そんな中、電気代や食費の上昇によって月 5000 円前後生活費が上がれば、節約をするかアルバイトなどを増やさないと一気に生活は苦しくなってしまうのです。


今後、年金だけで生活ができる人は少なくなっていくでしょう。老後も現在の購買力を維持させるためには社会にとって必要な人であり続ける努力を日々コツコツすることが重要です。月数万円でも稼ぐ力があれば老後の不安を大きく減らすことができるでしょう。また、将来のシミュレーションをしておくことによっても老後のお金を見える化させることができます。

40歳、年収400万円の人の年金は175万円

日本年金機構の公的年金シュミレーターでは自分の働き方と年収によって年金額を試算することができます。現在 40 歳、年収 400 万円で 22歳から 65 歳まで働く場合、将来もらえる年金額の目安は約 175 万円と見積もることができます。


また、日本 FP 協会のホームページでは、未来家計簿の役割を果たすキャッシュフロー表をダウンロードすることができます。


いかがでしょうか。一足飛びに理想の形にするのは難しいですが、ホップ・ステップで段階的に理想の形に近づけるように努力をしましょう。海外で外貨運用をしたいという人もまずは国内で外貨預金をしてみるなど、ハードルを低くして始めやすいところからスタートさせましょう。


第1回はこちら

この記事を書いた人

花輪陽子
花輪陽子リストラから1級FP
1978年生まれ。シンガポール在住1級ファイナンシャル・プランニング技能士CFP®認定者。青山学院大学国際政治経済学部卒業後、外資系投資銀行に入社。リーマンショックにより夫婦2人でリストラを経験。FP1級取得後、雑誌や書籍での執筆など幅広く活動。

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