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国際1級ファイナンシャル・プランナーが教える円安の基礎知識円安にも円高にも振り回されない食いっぱぐれないお金の思考法とは? シンガポール在住のFPに日本脱出のリアルな可能性を聞いてみた

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シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子さん。シンガポールやアジアなど海外の情報を中心に、グローバルな視点でお金の思考法や、海外移住の実情をお伝えします。

プロフィール

インタビュアー、スタートアップ広報中村優子

(なかむら・ゆうこ)元テレビ局アナウンサー、インタビュアー、スタートアップ広報。作家・林真理子さんのYouTubeチャンネル「マリコ書房」、および著者インタビューサイト「本TUBE」を運営。インタビュー動画の企画から出演、編集まで一人でこなす。年100本以上の動画制作に関わる。2022年、スタートアップ広報の会社を設立。

世界で食いっぱぐれないお金の思考法

写真/Canva

シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。私は 2010 年にフリーランスとして独立をして、2015 年から生活の拠点をシンガポールに移しました。シンガポールでは起業をして、4 期目を迎えます。
現在は自分ひとりのスモールビジネスの会社を運営しています。


今回は、スモールビジネスの経営者やフリーランスが世界で挑戦をしても食いっぱぐれない、お金の思考法をテーマにお伝えしたいと思います。

円安と輸入物価の高騰は避けて通れない

まずなぜ今、海外に目を向けたほうがよいのかということですが、長期的なトレンドとして円安と輸入物価の高騰は避けられないからです。日本では政府と日銀の政策として金融緩和を継続しています。その反対に世界の多くの先進国では金融引き締めに移行をしています。その結果、政策の変化が起こらない限り、相対的に日本円はどんどん安くなっていくことが予測されます。

日本から出なくても円安は他人事ではない

写真/Canva

日本で生活をしている上では日本円が安くなってもよいと思う人も多いかもしれません。しかし、日本は資源や食料の多くを輸入に依存しています。電力会社による電気代の値上げも予定していますが、円安が進めばエネルギーの支払いのためにより多くの外貨を必要とし、更に円安になるというスパイラルに陥ります。同じように、輸入に頼っている食料も高騰を続けるかもしれません。2022 年に値上げされた食料品は約 2 万 800 品目と、過去 30 年で例のない多さとなっており、23 年も値上げは進行中です。円安は日本から一歩も出ない人にとっても他人事ではないのです。

輸入は厳しくても、輸出は稼げる絶好のチャンス

しかし、円安は悪いことばかりではありません。物を輸出する側にはプラスの面があります。たとえば、1つ 150円の文房具をアメリカに輸出するとしましょう。1 ドル 100 円であれば、アメリカでの販売価格は 1.5 ドルです。
1 ドル 150 円になると、アメリカでの販売価格は 1 ドルになって、0.5 ドルも安くなります。そのために競争力が高まって儲かる可能性があるのです。原材料をどこかから輸入せずに日本で生産をするビジネスモデルであれば、円安は非常に追い風になるのです。

同じ仕事でも国によって年収が大幅にアップする可能性

場所を変えることによって、同じ仕事をしていても年収が大幅にアップすることもあります。例えば、米国では人手不足から賃金上昇が激しく、パートのウェイトレスでも年収 1,000 万円を超えることもあるようです。似たようなことがシンガポールでも起きており、就労ビザが厳格化されたことによって、事務職で年収 1,000 万円というのもある話なのです。


企業で働くという場合は現地のエージェントサイトなどに登録をすれば情報を得られ、日本からのオンラインで面接をすることができる場合もあります。

円安の今、海外移住について考えてみる

日本人が他国に踏み込んで暮らし、仕事をする上では、多くの国ではビザや就労許可が必要となります。また、事業内容によってはライセンスが必要になります。

日本人にとってどこが一番お得な国?

特にアメリカはワーキングホリデーなどのビザもなく、ライセンスを必要とする仕事も多いために移住の難易度が高い国です。それとは反対に、ジョージアのような日本人にとっては移住の難易度が低い国もあります。日本人は 1 年以内の滞在であれば、ジョージアでは活動内容を問わず査証の取得が免除されているのです。


極端な 2 カ国を例に上げましたが、もう少し中間的な国もいくつかあります。多くの国では法人を立てて、そのオーナーが就労ビザを得るというスキームは一般的にあります。また、一定の期間その国に住み続けたら永住権を付与してくれる国もあります。そうなれば、生活やビジネスの拠点が増えて人生の選択肢が増えます。


アジアのいくつかの国は日本人にとっては文化的な馴染みもあり、生活もしやすいでしょう。また、商品を売るだけではなく、移住をする場合は日本と比べた物価や生活のしやすさも考慮に入れる必要があります。せっかくビジネスが上手くいったとしても、生活費が高くて赤字になれば長期的な滞在や富を築くことは難しいからです。

海外駐在ができるなら絶対いくべき理由

日本では内向きになっている人が多く、会社員でも駐在に手をあげない人が多いとも聞きます。会社がバックアップをしてくれるという場合、様々なサポートを受けることができるのでぜひとも手を上げるべきだと思います。


自分で資金を出して海外で挑戦をするという場合であっても失う物はお金と時間のみであって、それと引き換えに貴重な体験(成功をすれば富も)を得ることができます。また、現地のパートナーとビジネスを組む、商品だけを海外で販売をするなど、様々なことが考えられます。

この記事を書いた人

花輪陽子
花輪陽子リストラから1級FP
1978年生まれ。シンガポール在住1級ファイナンシャル・プランニング技能士CFP®認定者。青山学院大学国際政治経済学部卒業後、外資系投資銀行に入社。リーマンショックにより夫婦2人でリストラを経験。FP1級取得後、雑誌や書籍での執筆など幅広く活動。

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