移住を夢見て、地域おこし協力隊から起業移住に欠かせない成功法則は「住む」と決めること。地域おこし協力隊から起業できたのは人との繋がり〈深海魚直送便/青山沙織さん〉
移住の失敗は実は仕事ではなく人間関係だと言われている。どうやったら地域と人になじむことができるのか?
地域の人間関係なくしてビジネスの成功はありえない?
プロフィール
起業家青山沙織
深海魚の通信販売を行う青山沙織さん。静岡県沼津市戸田町での地域おこし協力隊での活動を経て起業。「深海魚直送便」を運営。
しかしここに至るにはビジネス戦略以前の地域での人間関係作りがあったと言います。移住のリアルとは?
目次
定住するという意思を見せることも重要
移住して一番最初に取り組まれたことはなんでしたか?
道の駅のイベントの手伝いとか、深海魚フェスティバルのお手伝いですね。それと並行して、戸田トロールもやっていました。その年の 4 月に就任して、7 月には深海魚デザインコンテストを開催して、翌年 2 月には深海魚フェスティバルを開催していますね。
すごいスピード感ですね。
めちゃくちゃ忙しかったですね。こんなに休みがないものかと思いました。
今地元の人に受け入れてもらえている理由はなんだと思いますか?
地元の人に受け入れてもらっているかって、まだ全然わからないんですよね。手探りです。うまくいってるかわからないし受け入れてもらってるかもわからない。
これからもここに住み続けようと思っていますか?
そうですね。家も買いましたし。家をもって、完全に戸田に拠点を置いて、地に足つけて生きていく姿勢を見せることも、地元の人から見たら大事なのかなと思います。
移住の夢と現実
移住するために、必要な心構えはありますか?
「とりあえずやってみる」って感じですかね。でも、簡単なことじゃないと思います。やっぱり夢と現実の違いが出てくるのかなと。
夢と現実ですか……。
「海が綺麗」とか、「自然が多くてのどか」ではすまされないことはたくさんあると思います。
地元の人は、すごく他人のことを見てると感じますね。
新しく引っ越してきた人はこういう人らしいよっていう情報がすぐに共有されてしまう。
プライバシーがなくなるんですね。それでも定住したいくらいの価値がある?
あるあるだと思いますし、どこ行っても同じだと思います。私自身はいろんなところを転々としてるので、特に何も思わないんです。
移住した時点でそこでの生活が日常になるので。「戻りたいと思いますか?」ってよく聞かれるんですけど、別に戻りたいとは思わないんですよ。もうここに住むって決めて住んでるだけだから、いいところも悪いところもあるけど、その文化に対応するしかないと思いますね。戸田は気候がいいところが凄くいいなと思います。
とはいえ、移住した当時は大変だったのではないですか?
移住した当時は、全然相手してもらえないし話も聞いてもらえなかったです。イベントの手伝いをしたときに、男の人がやるような仕事ばっかりやらされててかわいそうだねって言われることもあって、悔しくて、見返したいと思うようになりました。
だから、負けてられないなって思っています。小娘がきて何かやっていると思われないように、頑張って実績を出して認められたいなと思っています。
話を聞いてもらえない中で、それでも協力してもらえる人とは、どのようにして繋がっていくんですか?
知り合いの知り合いがつながっていくんですよね。「こういう人いるよ」みたいに。「挨拶に行くからついてくる?」と誘われることもありますね。地元の中でも派閥もあるので、その辺も気にしています。
お肉屋さんもない町で生きる
戸田のメリット、デメリットはどんなところだと思いますか?
メリットはやっぱ自然豊かなところです。デメリットは、店が何もないことですね。お肉屋さんもないですし。小さい集落なので、もちろんスポーツジムもないですし、ご飯を食べるところも限られてきています。
ご飯はどこで買うんですか?
セブンイレブンとか、ココカラファインですね。あとはもう山を越えるしかないです。
戸田に来ていなければ、どんな未来があったと思いますか?
そりゃあわかんないですね。海外いたかもしれないです。
沖縄とか住みたいですね。海の近くが良かったので。
海が好きなんですか?
ダイビングをやったことがあるぐらいですね。ライセンスもとったんですけど、全然潜ってないです。海は、見るだけでも好きですね。
取材、文、写真/I am 編集部
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この記事を書いた人
- 「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。