経験を仕事起業のリアル。起業当初は知名度ゼロ「世の中の誰にも必要とされていないんじゃないか？」と思ったことも〈プレゼントレーナー・岩下宏一さん〉

企業向けに、ビジネスプレゼンテーションのトレーニングやコンサルティングを行っています。人事の経験を基に面接や1on1についても研修や支援を行うほか、企業における階層別研修などにも登壇します。

会社員→個人事業主として舞台俳優→会社員→起業、です。昔から俳優に憧れていて、29歳で劇団四季オーディションに合格。ライオンキングなどに出ましたが4年で自由契約となり、また会社員に戻りました。その後10年勤めた後に44歳で独立しました。

前職でキャリアに行き詰まり感を覚え、心身のコンディションも崩してしまったことから、会社勤めはこれ以上は厳しいと感じてやむを得ず辞職。食っていかなきゃいかんから自営業を始めた感じです。

創業期は誰も自分のことを知らないので、自分は世の中の誰にも必要とされていないのではないか、と感じてしまう瞬間が多く、きつかったです。最近だと、仕事が集中する時です。ありがたいことなのですが。

仕事と生活の線引きがいい意味で曖昧になったこと。サザエさん症候群はほとんどなくなりました。少しはあるけど。

仕事の関係先に、つい余計なお世話的に口出しをしてしまい、かなりきつい反応をいただいた時がありました。会社に守られていた時とは立場が違うと痛感しました。あと営業が苦手とか言ってらんない。

辞める1年前から、プレゼンの勉強会を主催していました。起業のコミュニティなどにも通いました。

①BtoCでセミナーやっても食えん！と起業後数か月で気づき、BtoBに転換を図った　②誰にも教わらずセミナー事業を始めたので、カリキュラムデザインを理解していなかった　③１年目の売上が70万円しかなかった

「仕事の話がある」と某社に呼ばれ、私はフラットに話していたのに途中で相手が「使ってやろうとしているのにその態度はなんだ」と激昂し、追い払われたこと。そんな立場に甘んじている自分が悔しくて泣いた。

まず思ったのは「今、あなたには不安しかないと思うけど、意外となんとかなるから大丈夫だよ」。でも昔も今も、私は「ネタバレ」が嫌いなのです。何も言わないでおきます。

起業前からやっていたプレゼン勉強会で起業後最初の月に2万1千円は売り上げましたが「えっこれ続けていても食えなくね？」と逆に怖くなりました。

思った以上に稼げている。商才のない自分は早々に食い詰めると思っていたが、続けられていますから。

月単位では、PlayStation®5を数十台分くらいでしょうか。

400万円くらいでした。そのあとガシガシ減っていきましたが。

研修会社さんとのお仕事では報酬規程がありますのでそれに沿って。直取引の場合は稼働工数＋知見経験でお値段をお出しし、あとは話し合いですね。

サービスや知見の独自性と貢献性のさらなる発揮。あとは価格提示における豪胆さ。遠慮してしまいがちです。

いまはバランスよくやれていると思うので、あまりありません。もっと稼ぎたいと思う反面、過度な忙しさはマイナスなので一定のスキ間は保つようにしています。

3年。石の上にも、とはよく言ったものです。

たいへんありがたいことに、一度もありません。

しています。2020年、コロナ禍となりましたが私は仕事を変えたいとは思わなかった。だったら腹を括ろうと、その8月に法人登記しました。