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自分の世界観をブランディングできるネットショップ初心者がネットショップを開業できる7ステップとネット通販に向く人・向かない人

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人件費を抑えて個人でも世界を相手に商売ができることから、注目を集めているネットショップ販売。ネットショップの開業方法や、ショップのファンを増やすためのポイントも紹介します。

人件費などのコストを抑えて、実店舗を持たなくても世界を相手に商売が可能なネットショップ販売。ビジネスチャンスが広がるなか、フリーランスや個人事業主で自分の好きなものを取り扱ったり、得意なことを生かしたりしてネットショップを開業したい、という人もいるのではないでしょうか。本記事ではネットショップ開業のためのステップと、ネットショップ運営に向いている人と、そうでない人についても解説しています。

また、採集した鉱石でアクセサリーの制作販売をおこなう元デザイナーの北嶋宏美さんに、ブランド独自の世界観を打ち出すポイントや施策とは?ライバルが多く埋もれてしまいがちなネットショップでファンを増やすには?など気になることを聞いてみました!

目次

売上げ拡大も競争激化のネットショップ業界

ネットショップの開業のポイントを知る前に、まずはネットショップ業界の現状を理解しましょう。ここでは経済産業省が発表した「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」をもとに解説していきます。

物販系ネットショップ業界の市場は13兆円

経済産業省の発表によると、日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、2021年には約20.7兆円にまで拡大しています。そのなかでも物販系ネットショップが約13兆円であり、大半を占めています。物販系とは食品や飲料、生活家電、衣類、生活雑貨、家具などです。ただし市場規模が伸びているとはいえ、物販系分野でEC化されているのは全体で8.78%で、まだまだ拡大のチャンスがあるともいえます。

競合ショップの増加により競争は激化

2020年の新型コロナウイルスによる巣ごもり消費から、EC市場が大きく広がっていますが、外出自粛が解除された2021年においても市場は拡大しています。そのことからネットショップで商品を購入することは、私たちの生活に浸透しているといえるでしょう。また新型コロナウイルスが流行する前の2019年、物販系分野でEC化率が全体で約6.7%前後でした。しかし2020年からは8%台となって競合ショップも増えており、競争は激化しています。高齢化層のEC利用、スマホ利用の拡大する日本も今後のEC化率拡大が予想されます。

個人がネットショップを開業するときの7つのステップ

ネットショップ業界の現状を理解したあとは、個人がネットショップを開業するときのステップについて解説します。前述したようにネットショップ販売の競争は激化しているため、店のコンセプトや商材選びなど、開業にあたって押さえておくべきポイントがあります。開業してから苦労しないためにも、参考にしてみてください。

開業ステップ① コンセプト・ターゲット・商材を決める

競合が多いネットショップで周りと差別化するには、コンセプトやターゲット、商材を決めておくのが重要です。どこでも扱っているような商材でターゲットも幅広く狙ったようなものだと競合も多く、ほかのショップに勝つのはむずかしいといえます。そこで勝ち抜くために価格競争に持ち込むと資金のある店には勝てませんし、いずれ商品の質も下げることにつながるリスクもあります。当然のことながら質の悪いものは淘汰されることとなるので、価格で勝負するのはおすすめできません。

そこでほかにはないような商材やコンセプト(世界観)を決めることを考えましょう。コンセプトが決まればどういった人に買ってほしいか、ターゲットも決まります。

開業ステップ② 仕入れ・製作方法の検討

コンセプトや商材が決まれば、その商材を仕入れるのか、自分で製作するのかを決めましょう。商品を仕入れして販売する場合は、以下のようなケースが考えられます。

仕入れの方法

・インターネット(海外含む)
・見本市・展示会
・海外の現地に足を運ぶ
・メーカー
・卸問屋・問屋街
・個人で製作

このように仕入れ方法にもさまざまな手段があります。インターネットから仕入れる場合はネットひとつで済ませられるので、負担が少なくなる傾向にあります。仕入れする際には在庫管理の方法や、仕入れのコストも考えなければなりません。

製作する場合はハンドメイドやメーカーと組んでOEMやオリジナル生産などがあります。OEMは自分で一からつくるのではなくて、メーカーのノウハウを使って自分のブランドをつくってもらうことです。オリジナル生産は完全に一から自分だけの商品をつくるので、ほかの商品と差別化が可能です。このように自分で製作する場合はそれだけの知識や経験、コストなども必要なことは理解しておきましょう。

開業ステップ③ 法律上の販売許可の確認と申請

ネットショップで販売するには、販売許可申請や届け出が必要なものがあります。一部、参考で紹介します。

ジャンル必要な許可・資格商品例申請先
お酒・通信販売酒類小売業免許
・酒類製造免許
(自分で製造する場合)
・日本酒
・スパークリング
 ワイン
・クラフト
 ビール
など
・所轄の税務署
食品・食品衛生責任免許
・食品衛生法にもとづく
 営業許可
※1
・菓子
・パン
・惣菜
・チーズ
 など
・所轄の保健所
中古品・古物商許可・中古品
・トレーディングカード
・アンティーク品
など
・所轄の警察署
 (生活安全課)
化粧品・化粧品製造販売業許可
・化粧品製造業許可
(自分で製造する 場合)
・香水
・石鹸
・化粧水
・スキンケア商品
など
・所轄の保健所
・都道府県の薬務課
※1商品や自治体によって異なる場合がある

このように法律で定められているので注意しましょう。また販売サイトによっては禁止されている商材もあるので、よく確認しましょう。

開業ステップ④ 販売方法を決める

販売方法は大きくわけて自社サイトとモールを利用して販売する2種類です。

モールとは

Amazon楽天市場など多種多様な商品を扱うショップが集まった電子商取引サイトのことです。モールが開催する大型セールなど集客力や手厚いサポートが大きなメリットです。ただし、モールのテンプレートデザインや規約に従う必要があり、商品のコンセプトを存分に出せないデメリットも。

自社サイトとは

このほか、BASEShopifySTORESに代表されるようなショッピングカートASPを使えば、初期費用やランニングコストを抑えて自社サイトを構築することができます。モールに比べてサイトのデザインに自由が利くため、商品や自社の世界観を表現しやすく、独自ドメインも使用できることでブランディングにこだわってショップ作りができます。予め用意された機能やデザインテンプレートを使用するため、カスタマイズに制限があります。

開業ステップ⑤ ネットショップを制作する

ここでは自社サイトでネットショップを制作するケースを、BASEをもとに具体的な手順を解説します。

1.アカウントの開設:メールアドレス、パスワード、ショップURL作成
2.運営に関する情報(特定商取引法に関する表記)の設定:事業者情報、販売価格、支払方法、決済方法の設定
3.商品の登録:商品の写真や商品情報の設定
4.ショップをデザイン:テンプレートからデザインを選びカスタマイズする

このようにネットショップの開設はそれほどむずかしいものではありません。選ぶサイトによっては初期費用やランニングコストを抑えることも可能です。デザインなどの縛りは発生しますが、サポートも受けられるので、手軽にはじめてみたい人にはおすすめです。

開業ステップ⑥ モールのページ制作をする

つぎにショッピングモールのページ作成について、Amazonを例に解説します。

アカウント開設後は支払方法や事業者情報などの登録によって、ストアの開設が可能です。ストア開設後は販売する商品の登録ですが、必要情報を入力すれば商品の出店となります。

Amazonでは集客力以外にも、配送の手間を軽減できるサービスが備わっています。商品をAmazonの倉庫に送っておけば注文が入った時点で自動で配送してくれるので、梱包準備などの手間がありません。このような便利な面がある一方で、手数料がかかるといったデメリットも。またサイトのデザインなどをカスタマイズできないので、コンセプトを出すのがむずかしい点も挙げられます。

開業ステップ⑦ SNSで発信、認知活動

それ自体が高い集客力を持つモールに比べ、自社サイトで販売する場合は集客力を上げるためにSNSで発信することも重要です。株式会社ICT総研が発表した「2022年度SNS利用動向に関する調査」によると、国内のSNSユーザーは8,270万人です。それほどSNSの利用は生活に浸透しており、SNSによってネットショップのコンセプトや世界観を伝えるようにしましょう。

たとえばInstagramを利用するのであれば、プロフィールのトップページに並んでいるサムネイル画像にこだわりましょう。商品がきれいに見えるように一眼レフで撮影したり、写真に統一感を持たせるのも大切です。また投稿は頻繁に行い、露出を増やす努力をしましょう。このようにSNS運用にも取り組んで、販売につなげることをおすすめします。

ネットショップ開業が向いている人

ここからはネットショップ開業に向いている人について解説します。対面販売とはまたちがったポイントもあるので詳しく解説します。

写真/Canva

新しい技術や知識にチャレンジできる人

新しい技術や知識にチャレンジできる人は、ネットショップを開業するのに向いています。ネット販売で成功させるには、トレンドをつかむのも重要です。トレンドに乗った商品を見つけて販売することで一気に注目される可能性もあるので、新しい情報には敏感になりましょう。前述したSNSも新しい機能やサービスが出てくるので、使い方を覚えてトライするのも必要です。

他にはない商材を扱っている人

ネット販売では身近な店舗では売っていない商材が必要です。競合が多いなかで、どこにでもある商品を扱っていては、フリーランスや個人事業主が生き残ることはむずかしいでしょう。商材としてはEC化が進んでいないジャンルや、モールなどで扱っていないものを狙ってみるのも良いでしょう。

対面販売が苦手だけどお店をしたい人

ネット販売では対面による接客は必要ありません。その点、お店は開きたくても接客が苦手な人にとっては、ネットで完結できるのでおすすめともいえます。これまで会話が苦手であきらめていた人でも、魅力的な商品を仕入れられたり、つくれたりする人は、ネット販売で成功できる可能性があり、新たな道が開かれてます。

より広く多くの人にアプローチしたい人

ネットショップは国内だけに限らず世界に向けて販売が可能です。海外を視野に入れてなくても全国に向けて販売はできるので、より広い地域にアプローチしたい人におすすめです。どこにでも売っていないような商材であれば全国から引き合いが来るようになります。個人でもSNSなどをうまく使えば、広くアプローチが可能です。

ネットショップ開業が向いていない人

さきほどとは反対に、ネットショップ開業が向いていない人についても紹介します。このポイントに当てはまるからといってネット販売ができないわけではありませんが、徐々にでも改善していくことをおすすめします。

写真/Canva

①パソコンやインターネットに興味がない人

インターネットで仕事をする以上は、パソコンやインターネットの知識に興味がない人にはむずかしいかもしれません。ネットショップを開設するにもインターネットの知識は必要で、インターネット広告を打つ際や、SNSの利用時にもネットの知識は必要です。紹介したようにBASEやAmazonなどを使えば手軽に個人で開設できますが、最低限の知識や興味は持つようにしましょう。

②対面販売にやりがいを感じている人

ネットショップは、電話やメールによる顧客対応はありますが、対面販売の接客部分にやりがいを感じる人にとっては、物足りないと感じるかもしれません。店舗など対面販売も行いつつも、ネットショップも併行して行うなど、対面での販売機会をつくれる機会をつくれるかを探ってみましょう。

③手にすることで良さがわかる商材を扱う人

ネット販売のデメリットでもありますが、ネットでは商品を実際に手に取ることができません。実際に手に取ってみたいものや、試してみたいものはネット販売では売りづらい可能性があります。ネット販売をはじめる段階で、コンセプトや商材選びは慎重に行いましょう。

④マルチタスクが苦手な人

ネット販売には商品撮影やページの更新、発送作業など多くの作業が発生します。これらの作業を個人でやる場合は、作業負担も増えてきます。ひとつの作業に集中したい人には不向きといえるでしょう。マルチタスクをするうえでは幅広い知識も必要となってくるので、知らない知識にも前向きに勉強できる人が向いています。

〈経験者に聞く〉競合の多いネットショップでファンを増やすには?

元デザイナーで、現在はアクセサリーブランド「せつ」を立ち上げ、鉱石採集家・装身具作家として作品の制作・販売をされている北嶋宏美さんに、商材選びやブランディング経験を活かしたブランドづくりに大切なことを伺いました。

「せつ」のネットショップ(左)とピアス(右)
「せつ」のネットショップ(左)とピアス(右)

唯一無二の素材で作ったアクセサリー

北嶋さんのアクセサリーは自ら山に入り採集した鉱石や金属片、木の皮などの素材で作られた一点もの。商材選びのポイントをまずは聞きました。「多くの人が既にやっている事は、その分競争が大変でもありつまらなくも思うので、『こういうものが欲しいけど、世の中にないなぁ』と思うものを作りたいと思っています。

最近は昔から好きでたまらない緑青(お寺の鐘など銅が酸化して緑色に錆びたもの)を、自分で育てて腕輪などの作品にすることを試みています。あまりやっている人がいないことも理由の一つです」

絶対にブレないターゲット

鉱石の持つ自然の造形美と、北嶋さんの感性が一体となってうまれるアクセサリーはその世界観も魅力のひとつ。こうした世界観をつくるためにはまず「コンセプトや目指したい方向性は書き出して明確にしていた」といいます。

自分で自由に作品を制作できる環境では、色んなアイデアをためしたくなるもので、ともすればコンセプトからブレてしまいがち。一貫性ある作品づくりのためには具体的なひとりの人物像=ペルソナを設定することが重要だといいます。

「せつの場合は、naluという大好きな唄い手さんでした。その人にプレゼントするとしたらどうか?その人が良しとするであろうものであるか?ということを常に意識して制作していました。長くやっていると段々とターゲットのことを意識しなくても、軸が揺らがないようになっていきました」

一貫した世界観を

ブランドの魅力を伝えるのは、作品だけではありません。ネットショップに訪れた人がまず目にする写真は重要です。北嶋さんに伺った写真のポイントは次の2つ。

  • 目指したい方向性を表現するにはどういう写真のテイストがいいのかを見極める
  • 自分がいいなと思う作家さんを参考にするのがいちばんの近道

「はじめは真似のように感じても、続けていけば必ずその人の人間性が滲み出てゆき自分にしか出せないものとなってゆきます」

このほか、重要で見落とされがちだというのがロゴやパッケージ。

「私自身はデザイナーなので、ここで「自分でできるかも」とケチる人を沢山見てきましたが、商品のクオリティが低く見えてしまったり、安く見えてしまったりして本当に残念に思うことが多いです。未来への投資だと思ってきちんとプロにお願いすることをお勧めします」

と言います。数あるネットショップの中で「世界観」を見せることはとても大事といえます。

〈まとめ〉初心者がネットショップ開業できる7ステップとネット通販に向く人・向かない人

本記事では個人でネットショップを開業する方法を解説しました。EC市場の市場規模が広がるなか、ネットショップの競合も増えています。そういったなかでネット販売を成功させるにはコンセプトやターゲット、商材選びなどが重要です。またネットショップの認知を広げるための活動も大切です。記事内で紹介した北嶋宏美さんのリアルな話も参考に、ネットショップの開業を検討してみてください。

文/藤田祐秀

この記事を書いた人

I am 編集部
I am 編集部
「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。

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