Interview
インタビュー

【芳根京子の仕事論】仕事も食事も食わず嫌いをしない! パリで食べたブラッド・ソーセージの味は?

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フランスの画家、クロード・モネの「連作」に焦点をあてた「モネ 連作の情景」のナビゲーターに就任した俳優の芳根京子さんが語る、好きなことを仕事にするために必要なこととは。

芳根京子

プロフィール

俳優芳根京子

1997年、東京都生まれ。2013年にドラマ「ラスト・シンデレラ」(フジテレビ系)で俳優デビュー。16年には、NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」でヒロインを演じた。『アサヒ生ビール』のテレビCMに出演中。

16歳のときに高校生役で俳優デビュー。10年目を迎えた今も、透明感あふれる愛らしい笑顔が魅力の芳根京子さん。好きを仕事にし続けるために行っていることなどについて伺いました。

いくつになっても謙虚な気持ちを忘れない

お芝居が好きで10代のときに、この世界に入りました。当時はオーディションを受けて、受かったらお仕事をいただき、落ちたら仕事はないという状況でした。今はありがたいことに、オーディションを受けなくても、お仕事の依頼をいただくことができています。俳優として活動を始めて10年目。オーディションはありませんが、いただいた1つ1つのお仕事で結果を出すことが、次の仕事に繋がるオーディションのようなものと考えています。ドラマデビューした「ラスト・シンデレラ」プロデューサーを務めていた方から「いくつになっても謙虚な気持ちを忘れないこと」と教わった言葉は今も大切にしています。

食わず嫌いをしない

俳優は100人いたら、100人それぞれ仕事の仕方があり正解はない世界。でもその中で大切にしていることは「食わず嫌いをしない」ということ。迷ったらやってみる。今回ご依頼をいただいた企画展「モネ 連作の情景」のナビゲーターも、「アートに詳しくない私に務まるかな」と不安がよぎりました。でも思い切って飛び込んでみて、今まで知らなかった世界が広がりました。モネの家などを訪問するため8月にフランスで撮影をしたときは、「食」にも挑戦をしました。生ハムは本当においしくて、朝昼晩食べるくらいはまりました。一方、フランスの方が「おいしい、おいしい」と食べていた様子に惹かれて口にしたブラッド・ソーセージ(血を固めたもの)は食べた瞬間固まりました…。食べ物や音楽でも何でも、全部を好きになる必要はないけれど、経験をしていないうちに否定をするのは良くないなと思っているので挑戦をしてみて「これは自分に向いてないな」と知ることも大事な経験だと思っています。

あえてやっていないことは眉毛

大好きな役者のお仕事をし続ける中で大切にしているのは「チャレンジ精神」ですが、逆にあえてやっていないことは、眉毛を整えることです。役柄に合わせて眉毛の形なども変えるので、どんな役が来ても対応できるようにしています。眉毛には人柄が出ると思うので、すぐに役に馴染めるように。いつもフラットにすることを心がけています。

ろくろでつくったどんぶりでラーメンを食べたい

目標は夢について「言うだけはタダ」なので、「この俳優さんと共演したいな」「こんな作品に出てみたい」など口にするようにしています。言葉にすることで受け入れ態勢を作っておくと、自然に望んだものの方からやって来てくれる。乗り越えられないかもと不安になるようなことがあっても、今の自分に乗り越えられる壁しかやってこないと信じています。今は「ろくろ」を回したいんです。回さない陶芸は経験があるのですが、回すタイプは未経験。自分で作った食器はより愛着がわくと思うので、大きなどんぶりを作って、大好きなラーメンを食べたいです。

芝居は一人だけ完璧でも仕事にならない

お芝居をすることが大好きですが、つらいなと思うときもあります。お芝居はキャッチボール。自分1人だけ完璧でも仕事にはならないんです。難しけれど、共演者のみなさんとピタッとハマる瞬間があって、その心地良さが次の作品に向かう原動力になっています。印象に残っているのは、映画「ファーストラヴ」(2021年)で共演した北川(景子)さんと面会するシーン。流れに身を任せて、どこにも力が入っていない状況で撮影に臨み、私はわんわん泣いていたのですが、「泣いている自分」を主観と客観でとらえつつ、さらに「めっちゃ泣いてるやん」と俯瞰して見えた時間がありました。3つがそろい、脱力した状態はなかなかありませんが、「あの感覚を、もう1回」と思う気持ちが私を前に向かせてくれます。

頼ることは逃げることじゃない

好きなことがあるけれど、自分に向いているのかな。続けられるかなと不安になることは誰にでもあること。0を1にすることが1番大変で、怖いこと。悩んだときは、周りに頼ってみてもいいと思います。周りの人の力を借りて0を1にできたら、それを続けるために1歩進んでみる。頼ることは逃げじゃないし、自分だけダメなのかなと思ったりしないで、1回やってみることが大事だと思います。

この記事を書いた人

翡翠
翡翠執筆・写真
音楽や映画、舞台などを中心にインタビュー取材や、レポート執筆をしています。強み:相手の良いところをみつけることができる。弱み:ネガティブなところ。

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