斎藤工の埋もれないため敢えてマイノリティを選ぶ人生論。「自分にとっていいもの」にこだわりすぎないワケとは?
発酵食や自然の中での活動などに魅力を感じているという斎藤工さんは「真逆のものを楽しむことも重要」といいます。敢えてマイノリティを選んだ若き日のこだわりも語ります。
プロフィール
俳優・映画監督斎藤工
発酵食やオーガニックにこだわる食生活で知られる斎藤工さんですが、「時にはケミカルなものを食べてすっごくおいしいと感じることが重要」とも語ります。その理由は彼独特のバランス感覚にありました。
敢えてマイノリティ選ぶ
映画や漫画、カルチャーなど、自分がいいなと思うものは、どうしてもマイノリティな方になるものが多くて、世の中のトレンドとかとは遠いっていうことを自覚しています。みんなが支持するものは、それなりの理由が必ずあって、ちゃんと向き合えば、そこにのめり込めるものが多い。だけど、マジョリティとマイノリティの2択があったときは、マイノリティを支持することで、自分を保ってきたんです。
本当に仕事がなかった20代前半とかは、好きな映画とかを聞かれたときに、みんなが好きな映画も、もちろん好きなんですけど、それを選んでしまうと、もう本当に凪のように何者でもないというか、何の引っかかりもなくなってしまうので、わずかでも人と違う、でも背伸びしすぎないものを積極的に選んでいました。マジョリティに向かうと目立たない。埋もれてしまうということを、皮膚感覚で分かっていたのだと思います。
朝まで狩猟、東京に戻って取材というバランス
身体の衰えとか、以前と違うということを見つめざるを得ない状況ってありますよね。現在と過去を比較して出来なくなってしまったことがあると、ある種のときめきを失ってしまっているような感覚があります。ですが、衰えていく方にばかりに気を取られるのではなく、そうではない熟成される部分もちゃんと見極めることで、それを自分のコンパスにしている感覚があります。実は今朝まで関西の山の中で、狩猟に参加していたんです。
僕は資格を持っていないので出来ないのですが、同行した方が連れていた犬にドンコ(イノシシの子ども)を捕まえさせて、その場で全部さばいてくれた。内臓とかも全部きれいに見せて下さって、そういう体験をすると「整う」感じがします。そういう体験をした直後に、新幹線で東京に戻って取材を受けるという。この両方があって安定する。
オーガニックなものに傾倒しすぎて、バランスを壊していく人もいるので、僕も口にするものは基本的に発酵食ですが、たまには気にせずケミカルなものを食べて、すっごく美味しく感じることが大事。思想としてはオーガニックだけど、「ケミカルなものだってめっちゃ美味しいじゃん」っていう自分を忘れないでいたい。
スタイリスト:三田真一
ヘアメイク:赤塚修二
取材・文・写真/翡翠
編集/MARU
公開情報
『零落』
日時:3⽉17⽇(⾦)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー
製作幹事・配給:⽇活/ハピネットファントム・スタジオ
出演:
斎藤⼯
趣⾥ MEGUMI
⼭下リオ ⼟佐和成 吉沢悠 菅原永⼆ ⿊⽥⼤輔 永積崇
信江勇 佐々⽊史帆 しりあがり寿 ⼤橋裕之 安井順平 志磨遼平 / 宮﨑⾹蓮
⽟城ティナ / 安達祐実
原作:浅野いにお「零落」(⼩学館 ビッグスペリオールコミックス刊)
監督:⽵中直⼈
脚本:倉持裕
公式サイト:https://happinet-phantom.com/reiraku/#modal
公式ツイッター:https://twitter.com/reirakumovie
公式Instagram:https://instagram.com/reirakumovie
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この記事を書いた人
- 音楽や映画、舞台などを中心にインタビュー取材や、レポート執筆をしています。強み:相手の良いところをみつけることができる。弱み:ネガティブなところ。