I am的クラウドファンディング大作戦【第1回】成功者6人に聞いた!失敗しないクラウドファンディングってどうやるの?
「クラウドファンディング」の成功率を高める絶対条件とは何か。目標の何倍もの資金を集めるプロジェクトもあれば、全く集まらないプロジェクトも…。何が違うの?どうしたらうまくいくの?真相を探るべくI am編集部が立ち上がった!
先日、当メディア編集長の長谷川が個人として、人生初のクラウドファンディングに挑戦し、見事目標額を達成。未経験でも成功した秘訣を聞くと「クラウドファンディングを行ったことで自分の人生を振り返ることができて、改めて周りにも感謝したし、このサービスをやろうという覚悟ができた。」という。まさかクラウドファンディングで人生を振り返るなんて!?とざわついたI am編集部。私たちもI amを盛り上げ、知ってもらうためにクラウドファンディング挑戦を決意。とはいえ、初挑戦でも失敗せずにできる方法はあるのか?その方法を求め体験者に直撃しました!
目次
クラウドファンディングは突然に…
今や手軽な資金調達の仕組みとして完全に定着したクラウドファンディング。さまざまなプロジェクトが立ち上がり、I am世代なら支援をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
そんな中、ちょうど「I am主催のイベントをやろう!」という話が持ち上がっていたI am編集部。
I amコーヒーをリヤカーで販売するのは無理みたい…。
どこかのイベントで販売できないかな。
だったらいっそのこと、I amでイベントやっちゃう?
それなら、イベント資金をクラウドファンディングで調達しようよ!
認知もされるし記事にもできて一石二鳥じゃない?
「I amイベントの資金をクラウドファンディングで調達する!」ことが、突如決まった瞬間でした。
やるからには失敗したくない!でもどうやって…?
事前にリサーチし、クラウドファンディング成功の仮説を4つにまとめた上で、5名のクラウドファンディング経験者の方にその秘訣を探るべくインタビューをさせていただきました。
I am編集長・長谷川もあわせて6名の体験者の声を参考にさせていただきつつ、I am的クラウドファンディングについて、考えていきます!
<取材協力>
・元祖鯱もなか本店 古田花恵さん
https://camp-fire.jp/projects/view/513100
・The AMO 村中智さん
https://camp-fire.jp/projects/view/454850
・株式会社トカノ ハート&ハート 松井麻律さん
https://camp-fire.jp/projects/view/554521
・アスプラウト株式会社 喜多村建代さん
https://camp-fire.jp/projects/view/536520
・有限会社プラスチャーミング 『ととのうパンツ®︎』 中川ケイジさん
https://www.makuake.com/project/totonoupants/
クラウドファンディングは文章を書けばお金が集まる、わけじゃない
仮説①事前準備をどれだけするかが、成功のカギを握る。
わたしたちI amのベースは、なんといっても出版社。だから、本を作るときもメディアを立ち上げるときも、大切なのはその事前準備だって、身に染みています。
クラウドファンディングだってきっと、事前準備がものを言うに違いない!
経験者の皆さんに伺ったところ、
災害対策保育園のモデルを作りたいというプロジェクトを立ち上げた喜多村建代さん(以下喜多村さん)は、
「災害対策保育園でやりたいことをまとめた資料を作成しました」
炊き出しで人と人とのつながりを増やしたいというプロジェクトを立ち上げた松井麻律さん(以下松井さん)は、
「”炊き出し”でやりたいこと、その先の未来についてまとめた資料を作りました」
“ととのうパンツ®”を広めたいというプロジェクトを立ち上げた中川ケイジさん(以下中川さん)は、
「目的とターゲットを明確にしました」
など、『何をやりたいのか』『誰に届けたいのか』を第3者に伝えられるようにしたことがわかりました。
また、伝えられるように準備したとしても、ちゃんと相手に届かなければ伝わりません。
経験者の皆さんからも、喜多村さんからは
「準備が足りず、本当に知ってもらいたい人たちに広めることができなかった」
など、広めるのが一番難しかった、という声を聞きました。
クラウドファンディングはやる人によって立ち位置も周りとのつながりも違う。だからこそ、『どうやって知ってもらうか?』は、それぞれに合ったやり方がきっとあると思うのです。
誰に何を届けたいのか?を明確にすること
どうやって知ってもらうか?を考えること
事前準備で考えておきたいことはたくさんあるけれど、まずはこの二つをじっくり考えるところから、スタートするとよさそうです。
逆に言えば、誰に何を届けたいかが明確になり、自分のプロジェクトに合った広め方を見つけられさえれば、いいところまで行けるのではないかしら?
想いを押し付けても、振り向いてはもらえない
仮説②正直で一生懸命なストーリーが、共感を生む。
プロジェクトを支援したい!って思うときってどんなときですか?
商品やサービスが魅力的だと思えたとき
これは絶対ですよね。安く手に入るなら買いたくなるのは当たり前だし、今までにないものだったらトライしてみたいと思うし、今悩んでいることや困難なことを解消してくれるならぜひ、使ってみたいですよね。
でも、自分に商品やサービスが関係ないプロジェクトでも、支援した経験、あると思います。
それってきっと、こんな気持ちになったからだと思うのです。
プロジェクトに共感して、応援したくなったとき
遠くて絶対通えないスポーツジムのプロジェクトの支援をしたけど、あれがまさにそうかも!
共感してもらうために必要なのは、そのプロジェクトにある、唯一無二のストーリーです。
経験者の皆さんに伺ったところ、
老舗の和菓子屋をリノベーションするプロジェクトを立ち上げた古田花恵さん(以下古田さん)は、
「元祖鯱もなか本店の歴史と現状を包み隠さずお伝えしたうえで、目的をお話しました」
松井さんは、
「炊き出しをやろう!と思った経緯を、わたしたちの生い立ちから振り返って文章にしました」
バレエと暮らしを近づけるアパレルブランドThe AMOを広めるプロジェクトを立ち上げた村中智さん(以下村中さん)は、
「”バレエと暮らしを近づける”というコンセプトと、商品へのこだわりをじっくり記載しました」
など、『やりたいこと』と『そこに至る経緯』や『こだわり』を表現したとのこと。
泥臭くがんばるのって、流行らないかと思ったけど、そういうのこそ書いた方がいいのか!
支援する側の「なぜ?」が解消され、同時に応援したくなる…。飾らずありのままに書くことが、一番支援者の心に響くストーリーになるのかもしれません。
支援しやすいリターンがないと、応援したくてもできない
仮説③リターンは支援者目線で考えるべし!
リターンも、支援に大きくかかわってくる要素。「支援したい!」と思ってもらえたとしても、その人が支援したいと思うリターンがないと、支援の機会を失ってしまいます。
フードロスを防ぐためのクラウドファンディング、1つのリターンの量が多すぎて支援できないとき、あったなあ。
経験者の皆さんに伺ってみると、
だれでも自由に本を作れるテンプレートBookoを広めるプロジェクトを立ち上げた弊社長谷川恵子(以下長谷川)は、
「本を出したい人が必要なサポートを考えて、リターンを設定しました」
喜多村さんは、
「ご家族みんなで災害リスクについて考えてほしいので、災害に関連したストーリーを持つ商品をリターンにしました」
など、『どんな人が支援してくれそうか』を考えたうえで、そのターゲットに必要なグッズやイベントを準備しているようです。
他にも、松井さんから伺った
「『モノはいらないから支援したい』という申し出が複数ありました」
など、プロジェクトの性質によって、必要なリターンは変わるように思います。
プロジェクトのターゲットを明確にする
ターゲットが支援しやすいリターンを設定する
ことが、ストーリーを支援につなげるために必要なことではないでしょうか。
支援しやすいリターンがあると、気軽に応援できていいですよね!
使ってほしいものや買ってほしいものだけをリターンにするのではなく、支援する側の気持ちになって考えて、支援しやすいリターンをつくる。その気配りが、支援に結び付くんですね。
身近な人からの応援が、つながりのない人にも波及する
仮説④活動報告で、もっと多くの人にリーチする!
そしてそもそも、プロジェクトにたどり着いてクリックしてもらわないとストーリーを読んでもらえません。つまり大切なのは、
プロジェクトにアクセスしてもらう機会を増やす
こと、これにつきます。可能な限り上位に表示して、多くの人に見てもらいたい!そこでポイントとなるのが、多くのクラウドファンディングサイトに設置されている、活動報告機能なのだそう。
古田さんによると、
「活動報告はブログとしてもメルマガとしても使えるし、支援者の方とのコミュニケーションツールとしても使えて一石三鳥ですよ!」
活動報告を記載すると、プロジェクトページ上ではブログのように見られますし、プロジェクトの支援者やお気に入りに登録してくれた方にメルマガのように配信されるので、支援者の方に進捗を確認していただくことができます。
活動報告で、支援者の方に現状や思いを伝えられるのもありがたいですし、アクセス数が増えるのもありがたいですね!
更に古田さんの場合、活動報告を読んだ支援者の方がシェアや拡散をしてくださったことにより、大きな支援の波につながったそうです。シェアや拡散は、まさに応援になるんですね。
他にも、村中さんは、
「Twitterで繋がる方、Twitterで繋がりがある人に思いを共有したり、応援してくださる方にDMでシェアをお願いしました」
松井さんは、
「SNSが苦手なので対面のビジネス交流会にできる限り参加し、チラシをたくさん手渡ししてきました」
など、これまでのつながりや、新たに作ったつながりを上手に活用していました。
リアルでもオンラインでも、つながりをつくる
ことが大事なのだなあ、とつくづく思います。つながりのある人のプロジェクトなら、「見てみようかな?」っていう気持ちになりますよね!
身近な人から応援されて盛り上がっているプロジェクトなら、知らない人がプロジェクトを見てくれたり、さらに支援してくれる可能性も高くなりそう!!
第1回まとめ
クラウドファンディングの体験者、先人たちへのインタビューをもとに、I am編集部が考えたクラウドファンディングのポイントをまとめてみました。クラウドファンディングと今までご縁がなかった方も、なんとなくイメージがわいてきたのではないでしょうか。
わたしたちI am編集部が考えた、クラウドファンディング成功のポイント4つの仮説
- 事前準備をどれだけするかが、成功のカギを握る。
- 正直で一生懸命なストーリーが、共感を生む。
- リターンは支援者目線で考えるべし!
- 活動報告で、もっと多くの人にリーチする!
は、体験者の皆さんからの貴重な体験談の数々にて実証されました(と言い切る)!体験者の皆さん、ご協力ありがとうございました。
この仮説を元に、I am初めてのクラウドファンディング、トライしてみます。読者の皆さん、よろしければぜひ応援してください!
次回、第2回は体験者の方に伺った「やってみてはじめて分かる苦労ポイント」それぞれの実話をご紹介します。
成功法則に則っても成功できるとは限らないらしいクラウドファンディングのリアル、追体験できるかも?お楽しみに!
取材/I am 編集部
文/堀中里香
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この記事を書いた人
- 知りたがりのやりたがり。エンジニア→UIデザイナー→整理収納×防災備蓄とライターのダブルワーカー、ダンサー&カーラー。強み:なんでも楽しめるところ、我が道を行くところ。弱み:こう見えて人見知り、そしてちょっと理屈っぽい。座右の銘は『ひとつずつ』。